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助けるVS了

 誰かを助けるということは、他の誰かを助けないということだ。誰かを助けることが発端になって、他の誰かが困難な状況に陥ることだってある。誰かを助けるということは、誰かを助けないということだ。


 そこに――正当な理由があろうとも、誰かは、不当に助からない。それが現実だ。空想のヒーローになんて憧れたところで、その現実は、正しさを信じ続けたものの強大な力が、幅を利かせて、その影で苦しむ者が現れる。そんなことなのだ。


 助けるってことは、助けないってことだし、選ぶってことは選ばないってことだ。そこに、どんな比較があったのかを知っているのは、他人ではなく、自分自身だ。自分の意志というものがあるのなら、ぼくは、自分の意志で、誰かを助けるし、誰かを助けないのだろう。


 全部を助けるなんてことは、できない。それなら、なにも助けないほうが平等だ。平等に助からないのだから、当たり前だろう。誰かの助けが、必要ないのならいい。それでいいのなら、それでいいだろう。


 だけど、助かりたい人は、助けたほうがいいのではないだろうか。もしくは、助かりたい人は、自力で勝手に助かればいいのだろうか。


 どうしたらいいのか、それがわからなかった。この世界には、助かりたい人がいる。きっと、沢山いるだろう。その人に、なにか、したほうがいいのではないか。ぼくは、全然わからなかった。いまから、どうすればいいのかがわからない。


 助けて――という声が聞こえる。耳を塞いでも聴こえてくる。その声の主が誰なのかわからない。ぼくは、そいつと戦った。


 なぜ戦わないといけないのかが、わからないが、戦った。戦うと、誰かは被害に合うのに、ぼくは戦った。


 ぼくは勝った。なにもかもを、力でねじ伏せた。最大火力でブッパした。こうして、守りたいものは守ることができた。そして、誰かを守らなかった。


 結局、全部を助けることはできない。誰もかも、助けることはできないのだ。なら、平等に、誰も助けないほうがいい。いや、良くはないだろう。


 今日も、ぼくは、誰かを助けたし、誰か助けなかった。それはぼく自身かもしれないし、他の誰かかもしれない。そんな境はどうでもいい。


 戦いの日々で、今日も、いつも、誰かは被害に合う。誰かは、傷つく、誰かは助からない。誰かは守られる。誰かは攻められるし、責められる。そんな世界で、いじめられないように、自分だけでも助けられるように、脳内で、助けてと叫んでいる。何度も連呼する。今日も誰かは助からない。

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