緑VS了
緑とは言うけれど、どこからが緑で、どこからが青なのかがわからない。その境なんて、各々の主観で決まるのだろう。ここまでなら――青だ、とかそんな境を、明確に分け隔てることはしないまま、わかったような気になるのが世の常だ。
そもそも、普通があるのか、普通がないのかすらわからない。どこからが普通で、どこまでが普通ではないのか――そんなのは、言葉の概念でしかないのだろう。みんなが、それを普通は青だと認識するから、それが青なのだ。そのような曖昧さの中でみんなが困惑しないで、当たり前のように平然と生活ができているのが不思議だ。
話が長くなってしまった。では、紹介しよう。彼女はぼくの幼馴染、緑だ。自分で言うのもなんだけど、彼女との付き合いはかれこれ、十三年以上になる。まさに、幼馴染と言えるだろう。だって、それだけ付き合いがあるんだから。付き合っているのだから。
と、まあ、そんな巫山戯た言葉遊びをしたところで、なんにもならないだろう。これから、ぼくはあることをしないといけないのだ。それは、ゲームだ。彼女が敵で、対戦をすることになった。彼女のゲームテクニックは素晴らしいものがあるが、到底、ぼくの足元には及ばない。
ぼくは、チートな隠密スキルを使って、こそこそと隠れているうちに、彼女がやってきたので、最大火力で銃撃してやったら、動かなくなった。あっさりと、決着がついた。
緑がどうとか、そういう話をしようと思っていたのに、あっさりと終わってしまって、もう、なにも話すことがないが、なにか話さないといけないのだろう。
彼女の名前は緑。ぼくと付き合いはあるが、文字通り、付き合っているが、文字通り以外のなにものでもなかった。もし、彼女がぼくの恋人であれば、こそこそと隠れたりしないし、況してや、最大火力でブッパするようなことはしなかっただろう。
なんだか、ぼくはとても卑怯な奴のように思われたかもしれない。だけど、これも戦略の一つだ、と思う。全く卑怯ではない。そもそも、ゲームなのだから、楽しくやるのが一番ではないか。否、ゲームでなくても、楽しくやればいいとは思うけれど。
――もしかすると、事実、ここはゲームの世界ではないかもしれないのだが。そんな戯言を言っても、だれも納得しないだろう。なるほどなぁ、なんてだれが思うだろう。ぼくぐらいしか、思わないだろう。
「なるほどなぁ」
なんとなく口に出して言ってみた。なんかだか、巫山戯てる奴みたいになった気がする。




