18話 認識ー02
栞の忠告に従って、あのあともう一眠りした。
そして今目が覚めた訳だけど、何だか気分がボーっとしている。
ちゃんと寝た筈なのだが、少しも眠れていないような感覚さえ覚えた。
それでも、体の疲れは大分とれていた。相変わらず筋肉痛は酷いけど。
あれからどれくらいの時間が経ったのだろう、と思い時計を見ると、最後に時計を確認してから、まだ5時間程度しか経っていなかった。
―――12時か。
窓がないので、外の様子は伺えないが、もうすっかり真夜中である。
もっとも、本当に外の空間が【暗い】とは限らないんだけども。
冴えきらない頭で、図書館であった事を思い出す。
恐竜の骨が襲って来たこと、亜空がタイミングよく現れた事、そして天井が崩れた事。
……………何か、すっきりしない。
何がすっきりしないのかは分からないが、とにかく何かすっきりしない。
さっきの栞との会話中も始終感じていた事だが、何か違和感を感じる。
何かが足りないような、
否、そうか、これが英知の言っていた、思考を捻じ曲げられるという事か?
だが例えそうだとしても、どうしようも無いじゃないか。
何かを忘れているんだとして、それを思い出す取っ掛かりがない。
もやもやとした何かを、考えるともなく考えていると、控えめなノックの音が、ドアの方から聞こえて来た。
「栞から、お前の目が覚めたって聞いてな。明日にしてもよかったんだが、どうしても今日話しておきたい事があるんだ。」
英知が、疲れた顔で壁に体を預けていた。