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伝説の魔導士? イエイエ、ただの出稼ぎです。  作者: 海山ヒロ
異世界で旅しよう・準備 編
50/95

038 この世界についてお話しましょう(ニヤリ)

連続投稿しました。説明回ですので、流し読みでもしてください。

語尾の表現を統一しました(140522)

 さてさてそれでは皆様(って誰?なんて突っ込みはいりませんのであしからず)に、現在わたくしが住んでおります異世界およびサカスタン皇国について、少々ご説明しときましょうかね。



 え~まず。「文明度」は、16ないし17世紀の西欧くらい。


 ただし、衛生設備であるお風呂にシャワー、電話とスカイプをたしっぱなしにしたような通話鏡はあります。オーバーテクノロジーでも異世界人がもたらしたものでもなんでもなく、必要は発明の母、から派生したものですが。


 うん。中世および近世の平均寿命の低さは、確実に衛生状態の悪さが一因であるので、上下水道だけではなく、お風呂の設備は暮らす上で最重要ポイントですから、ありがたいこってす。あ、ちなみに。我が家のお風呂は家主さんの許可をもらって日本式に改装済みです。

 だってねぇ? どうせ入るならたっぷりの湯につかりたいじゃない。頭に手ぬぐいなんか置いてさ。優秀なメイドちゃんのアヌリンとヤスミーナが毎日きっちり磨いてハーブ(時折日本で買ってきた登○カルルスの素)なんぞまでいれて、用意してくれます。


 はぁ、一日の労働の疲れを癒すのは、やっぱりお風呂ですよね! 欲を言えば、古代ローマのような冷温浴およびサウナまである公衆浴場が欲しい。




 で。です。逆に言えば、大抵のことは魔導で事足りるので、電気やガスもなく。遠くの場所により早く移動する手段である飛行機や、大量のヒトやものを一度に恒常的に運べる列車や、自動車はないみたいです。あ、自転車もないや。


 電気はないから、それを作り各方面に分配するための大規模発電所や変電所もない。原発もなし。

 水は川や井戸、遠くの泉からひいてきた古代ローマ時代とよくにた水道があるし、人口も地球に比べれば格段に少ないので、ダムなどもないですね、これが。


 なので。わたしが「ぶらり漫遊世界の旅」から帰ってきたとき故郷を騒がしていた原発事故(わたしは事件だと思っていますが)など、起こりようがないんですよね~。いやなにより。

 で、その事件の加害者のくせに被害者面して「会社が立ち行かないから」とか税金を投入してもらっているような、電気屋さんも存在しません。





 うん、話がそれましたね。



 ルーカスさんの家に数台あり、いまいる書斎にも鎮座まします通話鏡は実はとっても高額で。貴族(えぇ皆様。わたくしの対応があまりにもずさんなのでお忘れかもしれませんが、彼はこの国筆頭の公爵家のお坊ちゃまです)や、一部の国の機関(電話局と郵便局に似たもの)にしか置かれていないそうです。ただ。基本的に他国と大規模な商売をするもの以外は、親類縁者知己友人すべてが自分の生まれた村や街にいるので、使う必要性を感じない、と。


 だから、ネットもないし、発達する素地もいまのところない。まぁわたしにはセバスチャン達がいますから、問題ナッシンです。



 市民階級・中産階級はいるし、サカスタン皇国では社会の重要な構成員であり、一番多い層だけれど、一部の領地をのぞけば概ね善政(おもに税制の面で)が敷かれているため、

「腐敗した皇族・貴族を倒せ~!」であるとか、

「社会を変えるぞ~!」であるとか、

「自由を我らに!」であるといった、

 革命の気運(狂騒ともいう)が彼らの中から起こることはない模様。


 生き物は、それがたとえ生きるのに必要以上に頭の肥大したヒトであっても、衣食足りてひどく差別も区別もされなければ、「社会を変える」なんて面倒なことはしないもんでしょう。退屈のあまりそれをしたいと思うものがいたとしても、ただの「犯罪」にしかなりません。周りを巻き込んだ社会現象にならないからですね。


 うん。実にすばらしいですね。あの皇帝(ざんねんナイスミドル)氏もなかなか良い仕事をしておられるではないですか。


 


 サカスタン皇国に限っていえば、数十年間内乱も他国との戦争もなく、干ばつや洪水などから派生する飢饉もなく。な~んだパラダイスじゃ~ん? と言われそうですが、そこはそれ。いわゆるチート能力ってんですか? を持ってるわたしやや阪本先輩などの異世界人やわがクライアント様と違って、庶民は日常生活を送るだけの魔力しかなく、ほとんどない人だっているらしい。


 何が言いたいかといいますと、彼らにとっての脅威はつねに、わたしのご飯の種です今日もありがとうの魔獣であり、起こればわたしも土木工事とかの復旧のため駆り出されるんだろうなの自然災害で、あるわけです。

 あと、人口が密集すればどうしても発生する諸々の疫病ですかね。さすがの「異世界」。薬草で治せない病気は、ヒーリングの得意な魔導師や魔術師が担当します。わたしもこっちに来た初っ端、お馬さんを治すのに使ったんでひとのこととやかく言えませんし、言うつもりもありませんが。そりゃ古代エジプトやローマでも既にあった、外科手術の技術が発達しないわけですね。魔導でなら、手術後の感染症なんて心配しなくてもいいんだし。



 あ、そうそう。戦争がないといっても、人が大勢あつまりゃ犯罪はあります。


 魔獣や犯罪者から国民を守る騎士団と魔導団も、住民が組織する自警団もいるけれど、魔獣の生息する森や沼や川だけでなく、国が整備している街道とて、街から離れれば、安全とはいえない。街道沿いなら盗賊に山賊。都市部でもこそ泥に詐欺など、まぁ知らないけどたぶん傷害罪やら殺人罪くらいあるでしょう。これも、騎士団と魔導団が頑張って対処してますね。



 最後に。


 サカスタン皇国は大陸国家といえなくはないけれど、図書館で読んだ報告書の類をみる限り、今代および前代先々代の皇帝からずっと、内政重視型。なので、他国を征服して領土が増えるということはなく、その領土も、現在の地中海周辺全域を覆うような古代ローマ帝国ほど広域ではないし、国としての気質も違うので、征服した土地や同盟を結んだ国にまで、全線4車線の街道を施設してしまえというような考えは、ない。だから皇国内でも主要な街の周辺部以外は、人が足で踏み固めただけの、土の道が広がっているわけです。




 さて。以上のような状況であれば当然の帰結になると思うのですが、商用・公用以外で旅をする人間はすくない。ってことなんですよ~~。



 わたしは麗しのお父様の薫陶により、自分の目で見、耳で聴き、鼻で嗅いで五感すべてで味わい尽くしたい! ので、やっぱねぇ? 地の地図やら報告書やら伝承やら読んでたら、行きたくなるわけじゃないですか。輸入で入ってくるとはいえ、サカスタン皇国にはない食べ物も豊富にあるだろうし。先立つものは、ありがた~いクライアント様が気前よく(いやもちろん交渉はしましたが)払ってくれる報酬、それから魔獣くんたちの部位を売りさばいて潤沢にありますし。


 ま、ぶっちゃけ言えば、旅好きの虫が騒ぎだしたわけです、はい。


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