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遺跡

「さて、これからどうしたものか。……ひとまずあれと戦う必要が無くなったとはいえ、どちらが勝つかは分からない。リベルグの皇帝ともあろう者が易々と敗北するとは思えないが、もしもの事を考えて行く末を見ていた方がいいとは思うのだが……」



 アリオーシュさんの視線の先には未だ敵と戦闘を続ける皇帝の姿がある。


 正直言うと、僕としてはやることが無いのならカノンたちの方に援軍に行きたい。


 こっち側でもまあまあ魔族を倒しているとはいえ、拠点内部が蛻の殻なはずがない。


 いくらカノンの敵性探知能力が優れていたとしても、完全に接敵を避けてヴアルさんの救出を遂行するのは至難の技なはずだ。


 戦うのであればミザリーさんもアリオーシュさんも戦力として加わってもらった方が絶対に良い。



「アリオーシュさん、実は──」



 一応敵も居る手前、相手に聞こえない程度にその情報を共有する。


 アリオーシュさんには、僕に仲間が居て、現在別行動をしている事だけは伝えてあるが、その別行動というのが内部への侵入だという事までは知らせていなかった。


 それを聞いたアリオーシュさんは腕を組み思案顔になる。


 今一度皇帝らの方をちらりと確認し、アリオーシュさんは答える。



「……分かった。ミザリー、レイと共に中へ行け。私はここに残る。用事が済んだら戻ってこい」

「アタシもリベルグの皇帝さんの戦いはちっと観戦してたかったけど、まあ分かったぜ。元々半分はレイに恩返しするために来たんだしな」

「ミザリーさんの押しが無かったらここまで来てたかは怪しいですけどね……」

「それが妥当な判断だ。仲間の友人の為とはいえよくここまで命を張れたものだ」

「はは……、本当はここまで無茶するつもりは無かったんですけどね……。気を急いた僕の判断ミスです」

「安心しろ、それを教訓にできるならば少なくともミザリーよりは優秀だ。人は失敗する、そして学習もする。こいつみたいに馬鹿でなければな。次に活かせるのであれば成功も一歩、失敗も一歩だ」

「……おい、ミザちゃんディスりする必要あったか?」



 そんなこんなで、僕とミザリーさんは内部に、アリオーシュさんは残って戦いの行く末を見届けることになった。


 現状互角……というか、僕が見た感じではどちらもまだ全力を出していないように見えたのだが、長引くのであればそれはそれでいい。


 僕たちの当初の目的はヴアルさんを助ける事なのだから。


 ……あとついでに皇帝の事もリンさんに頼まれてはいるが。


 というわけで、今のうちにさっさとヴアルさんを助けに行こうって事だ。


 ひとまずは目の前の戦場を大きく迂回するように、僕たちは遺跡を目指した。




 僕の体感としては結構歩いたつもりなのだが、まだ皇帝の戦闘音がうっすらと聞こえている。


 それでも一応遺跡の入り口まで辿り着いたようだ。


 割と広そうな遺跡だが、外観はかなりボロボロに壊れていて半分近くは見渡しが良くなっている。



「おっしゃ!そんじゃあ探していくか!」



 ミザリーさんが大きめの声でそう言った。


 カノンたちに僕たちが来たことを知らせるためでもあるが、それ以上に魔族にこっちの存在を知らせるためだ。


 内部に魔族が居るのであればこっちに気を逸らさせることで2人の隠密潜入がしやすくなる。


 実際そうなってくれれば本来の役割分担通り。


 もし2人が既に魔族と戦闘中なのであれば、タルタロスさんなら僕たちを呼んで戦力に加えるという判断ができるはず。


 既にヴアルさんを助け出せているのならそのまま合流して一件落着だ。


 まあ三つ目に関してはタルタロスさんからまだ連絡が無いので、その線はほぼ無いわけだが。


 ミザリーさんとはそんな感じの作戦会議を事前に済ませていた。



「なんだぁ?誰も居ねぇのか?」



 ミザリーさんの声に応答する者は特に居ない。


 ひとまず魔族やヴアルさんの捜索をミザリーさんにしてもらい、僕は細かい探索……詳しく言えばカノンやタルタロスさんの戦闘の痕跡が無いかを調べながら屋内を見て回ることにした。

最近本当に地震多くて怖いですねぇ。

そんな中ですがニトリで三つ目の本棚を買って部屋に設置しました。

地震で倒れたらとんでもないことになりそう……。

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