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ダンジョンストリーマー!! 〜人気急上昇中のJK配信者はチート級に強い──なぜなら裏方の俺が暗躍しているから〜  作者: 杜 一樹
第8章 カルイザワダンジョン

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42本目 わたし最強なんで、不死身です!!!


「──……あぁ、ははっ、やはりハザマに聞いた通り、だよね」


 仰向けに倒れる葬倉。さすがにもう動けないようだ。むしろまだ動かれてはこちらとしても歯が立たない。

 本気の一撃を二度も喰らわせてはみたものの、こうして普通に会話できるとは、模倣者《イミテーター》というのは本当にしつこくてしぶとい。


「やはりハザマと繋がっていたか。お前らの狙いは俺だったんだろ。吾妻を傷付ける必要はないはずだ」

「いやぁ、正攻法ではいけない、だよね。あの女を傷付ければ、動揺を誘ってあなたを倒しやすいと思いましたが、逆鱗に触れるだけでしたか……。だが、確信しましたよ。あの女は早めに消しておくべきだ。ほんと……若い芽を摘まねば、だよね」


 情報を聞き出すために生かしておいたが、この危険因子こそ早く摘み取っておいた方がいい。

 いずれハザマも含めて、吾妻の脅威となるものは根から刈り取ってやる……!


「──東くーん……! おーい……!!」

「危ないからこっちに来るな……は? 吾妻っ!?」


 俺が宝具《レリクス》:海日《マンボウ》を振りかぶったところで、吾妻の声が鮮明に聞こえてきた。


「ほら、言ったとおり、だよね。早めに消さないと、我々どころか人類の敵にすらなる、かもね……」

「最後に語尾変えるな……くそっ」


 葬倉は宝具《レリクス》の力で砂となり、風と共に空間に溶け込んで逃げ仰せた。

 すぐさま刺すも、剣が地に突き立つだけ。先に宝具《レリクス》を壊しておくべきだったか。

 いや、今はそれよりも彼女だ。


「吾妻、お前怪我は……」

「ん? あぁ、寝たら治ったよ! わたし最強だからね〜」


 そこに遅れて佐藤たちもやってきた。

 何か彼らの武具《ギア》や白湯華のような宝具《レリクス》を使用したかと聞いたが、誰も何もしていなかった。

 ただ、佐藤の宝具《レリクス》で彼女の流れる時間を遅らせただけ。

 現実世界からしたらたっぷりある時間の中で睡眠を取ったことで、完全回復をした。いや、相対的に考えるならば吾妻の感じた時間感覚はもっと短いはず。

 ……そんなことが人間にありえるのか? 



「ねぇねぇ、ソーソーはどこ? あんな悪い奴わたしがぶっ飛ばしてあげるよ!」


 シュッ、シュッ! とシャドーボクシングをする吾妻。相変わらずアホなことをしている。

 アホだけど、けれど……とにかく元気そうで本当に良かった。


「ねぇ、東く、ふぉぉぉぉぉぁっ!?」


 俺は思わず彼女を抱き寄せていた。

 演者と裏方。異性のクラスメイト。表向きは兄妹を演じているが、カメラが回っていない手前、安堵からついこの行動を起こしていた。


「……本気で心配したんだ」

「おぉふ……ご、ごめん。心配させちゃったね……! えへへ……。なんだか、ちょっと恥ずかしいよ、東くん……」

「あ、ああ、ごめん……」


 こうしていたのはほんの僅かだったと思っている。

 ただ彼女の存在をずっと感じていたかった。

 吾妻が生きているという実感を確かめたかった。


「東くんは平気? 怪我してない、大丈夫!?」

「ああ大丈夫だ。頑張って逃げ回ってたから。あいつは、吾妻さんが復活したのに恐れをなして逃げたよ」

「あ、やっぱり〜!? わたし最強だもんねー!」


 ──そうでないと、あ(・)い(・)つ(・)に合わせる顔がない。

 約束は必ず果たすと誓った。

 たとえ、この偽物の命を賭けたとしても。



「……うぅ、傷付いたワタシもハグしてほしー。しょーのちゃーん」

「ちっ、しゃぁねぇなぁ……おらぁ!!」

「わーん! いたーい!!」


 へにゃへにゃと腕を庇いながら歩く松實。

 彼女の要求に応えて、先を歩く生野は踵を返しては、松實を腕ごと強く抱き締める。


「何馬鹿なことしてるんですか。いつもの喧嘩はやめて下さい。上(・)に報告しますよ」

「わたし悪くないもーん! しょーのちゃんがわるい!」

「私は悪くない!!」


 相変わらずあの三人は幼稚園児とその先生にしか見えないな。

 でも、そんな彼らがいたからこそ吾妻の今があるんだ。

 感謝の気持ちをちゃんと伝えてなければいけないな。

 ……しかし、改めて彼らは一体何者だ。まだ警戒心は解くわけにはいかない。


 けど……疲れた。


「ちょっと、寝てい、いか……」


 足に力が入らなくなり、倒れそうになったところを、吾妻に支えられてしまった。


「うん、わたしの膝枕で寝るといいよ……!!」

「いや、悪いって……」

「いいじゃんいいじゃん♪ たまには甘えてくれてもいいんだよ〜?」


 それでも拒みたかったが……抵抗する力は残されてなく、そのまま受け入れてしまった。

 その後、仮眠程度の時間しか取っていなかったが、今までで一番ぐっすりと眠ってしまった。

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