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ダンジョンストリーマー!! 〜人気急上昇中のJK配信者はチート級に強い──なぜなら裏方の俺が暗躍しているから〜  作者: 杜 一樹
第5章 シンジュクダンジョン

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21本目 【緊急生配信】うそでしょ、暴露あるんですか……!?


「コラボ引き受けてくれてありがと。えりにゃんこと、野田《のだ》エリナです。あ、ダンジョンの外で宝具《レリクス》使ったことは誰にも言わにゃいでよね」


 野田の宝具《レリクス》:吾輩は猫なのだ。

 コラボするからと事前に勉強と称して、彼女の動画を全て視聴して知った。

 猫耳カチューシャ型の、一見すればただのコスプレ用品でしかないが、これを頭に装着すれば猫になれる力を持った宝具《レリクス》。

 彼女の言うように、緊急時以外、街中での使用は法に抵触しているが、特に危険な能力ではないので今は見逃す。正義などを振りかざす道理など備えていないからな。


「わたしはマイマイチャンネルの吾妻舞梨です! えりにゃんのファンでずっと応援してました!」

「──へー、見てくれてたんだー。どもー、ありがとー。うれしいよ、アタシもマイマイのこと見てるよー」

「えぇ! ほんとですかぁ!?」


 嘘だろう。

 NewTuber同士の社交辞令みたいなものだ。

 それに、明らかなトーンダウン。逸らした目線。引きつった笑顔──噂通りの人物かもしれない。


 野田は初期の頃は明るく元気な……それこそ吾妻と同じような美少女ダンジョンストリーマーとして、投稿初期から人気だった。

 ……が、過激なファンやストーカー、アンチが付き出して、いつしか性格に歪みが生じてしまう。ポロッと吐いてしまった毒によって、一層彼らを過熱化させてしまった過去がある。

 それは現在進行形でも、引きずっている──と、まとめサイトで拝見した。


 だからこそ彼女は、吾妻の有り得る未来なのかもしれない。

 気は進まないが、吾妻の成長のためにもここは利用させてもらう。


「今日はうちの吾妻を呼んでいただきありがとうございます。私はあず──」

「あ、よろしくでーす」


 俺への挨拶は適当だった。

 いや、この態度こそが本来の彼女か。

 野田は俺を無視して、さっそく吾妻とオープニング撮影の打ち合わせを行う。裏方も含めての会議が良いと思うんだがな。


「……すみません」

「え? あぁ、いえ……」


 その間、いつの間にか隣に来ていた野田のマネージャーらしき人が謝罪しに来てくれた。

 彼女も野田と同様に大学生くらいの年齢で若い。線が細くて、目を離した隙に消えてしまいそうな儚さがある。


「庭白《にわしろ》……リリナと申します。カメラマンと、チャンネルの編集……あと、エリナのマネージャーをしています」

「私と全く同じですね。東亮と言います」

「はぁ、あづま……。もしかしてマイマイさんとは……」

「おーい! 撮影はじめるよー!」


 吾妻の呼び掛けで、俺たちの会話は打ち止められた。

 今回はえりにゃんチャンネル側が全て撮影する。

 俺はただ後ろで見守ってるだけだ。護衛には徹底しやすいが、構図は全て向こうが決めるので、映り込まないように行動するのは難しいか。




『──みにゃさんこ(・)に(・)ゃ(・)に(・)ゃ(・)ち(・)は(・)。えりにゃんチャンネル〜えりにゃんです! さて、今回の生配信攻略では、ハコネを初攻略した人気急上昇中のあの子が来てくれました!! どぞ〜!』

『こんマイリー! マイマイチャンネルのマイマイです!』


【こんマイリー】といくつかコメント欄が流れていく。

 事前にSNSでコラボ予告していたので、多くのマイマイファンも観に来てくれた。

 だが、【こにゃにゃちは】のコメントが圧倒し、コメント欄を塗り潰す。

 同接は既に6000人ほど。吾妻にとっては初めて見る数字。

 心配だ……俺もスマホで配信を観つつ、二方向から様子を見守るしかなかった。


『──マイマイといえば、レイドボス倒したんだもんにゃー、そのはにゃしを聞いた時は大規模なパーティーだと思ったけど、バディさんって一人だけにゃんだね〜』

『そうなんですよ〜、もうわたしが守ってあげるの大変で!』

『へー……もうマイマイのバディさん、しっかりしてくださいよ〜、男(・)、なんだからさ。女の子に守られてばかりじゃ、顔が立たにゃいでしょ〜』


 彼女は、約束を破った。

 今日までのやり取りにおいて、裏方である俺の素性は出さないことを口約束になるが言ったはず。


『おっと、これは秘密だったかにゃ〜?』


 だが、忘れているのか……いや、あれはわざとだ。

 アーモンド型の瞳でカメラ裏にいる俺のことをニヤニヤと見ている。

 くそっ、こんなことなら契約書を書かせればよかった……!


【……え、マイマイのカメラマンって男……?】【ガチ恋勢死亡のお知らせ】【ふんふん、そうなんだー……え?】【マイマイそれは裏切りだわ】【はいwwオワターww】


 急加速するコメントの嵐。

 視聴者が見る中で、こんなにも早い段階で吾妻のことを貶めるとは。生配信だから誤魔化しも効かない。俺も表立って行動できない。

 マイマイチャンネルに突如として、困難の嵐がやってきてしまった。


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