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【完結】明日からモンスターまみれの世界〜剣道家たちが世界を救う〜神からもらった能力がチートすぎた件  作者: opocho


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パートナー



先程のトラブルはなんだったってくらいにロケは楽しかった。


神眼で聞こえたスタッフたちの声。

(飯山さんいないとこんなにスムーズなのかよ)

(やっぱりスタッフがビクビクしないのがいいんだろうな)


飯山P、残念だな。

まあそれなりの処分を受けて反省してください。


ロケはこのショッピングモールで一組10万円の買い物をする企画。

但し選んだ店に入る前にスタッフにより値段は伏せられる。

最終的に10万円から前後1000円を超えてしまうとその買い物は視聴者プレゼントに回ってしまうし、差額が一万円以上あるとその分は自腹になってしまうというオチがつく。


「〜〜という企画です。ナツ選手、アキ選手、ルールは大丈夫ですか?」

「えっとその前に。あの、僕たちただの剣道が得意なだけの単なる高校生なんですけど本当にテレビに出てしまっていいんですかね」

「もちろんです! 日本中で話題の二人のメディア初出演ですよ! こんなサプライズはありえません! 湾テレ、ラッキーにも程がありますよ」


あー、メディア初出演ね。

確かに。

これ、本当に連盟的に大丈夫か?


チラリと師匠を見ると、ちょっと焦ってた感じだぞ。

がんばれ後始末。


「ならいいんですけど」

「あのあの、ここって剣道具屋さんありますかね」

「いやないだろ。あ、大型のスポーツ店はあったな。ワンチャンいってみるか」

「あ、趣旨違う。私たち防災グッズを買いに来たんだった」

「そうだったんですね! 偶然ここに買い物に来てロケに巻き込まれたお二人ですが、そっか、防災グッズ狙いなんですね」

「僕らはラッキーなんですけど」

「私たちテレビ的なノリとか無理なんで全力で勝ちに行っちゃいますよ?」

「もちろんです! ではライバルとなるチームをご紹介しましょう。チームなんでやねんです!」


呼び込まれたのは人気芸人4人だ。

うわ、どっちもオレの大好きなコンビだったので、思わず叫んでしまう。


「えええ! こんな大物がキャスティングされてたんですか!? マジでこれ、オレたち出てる場合じゃないでしょ」


「ほんまやで! 二人一組やったのに君らのせいで四人一組にされてしもたやんか!」

「ほんまや、チーム名も急ごしらえすぎるやろ」

「まさになんでやねんや」

「なにうまいこと言うとんねん」


ねえ芸人さんたち面白すぎるだろ。

二人で笑い転げていたらさらにいじられた。


ファンであることを伝えたら「嘘つけ適当にゆうてんねんやろ」って言われたので、レアなネタを伝えてみたらびっくりされた。

ほらな、本当に好きなんだって!


「さあ、最後の一組、こちらの皆さんです!」


旭川さんに呼び込まれたのは人気俳優の二人。

湾テレのドラマに出る主演の二人だった。


「うわあ」

「やばい」


ひとりはあの大村卓也さんだ。

もうひとりはアーティストの福田雅春。

嘘だろ。

こんな人たちを待たせてたのかよ!


そもそもこの二人が揃って同じドラマに出ることが異例だと発表と同時にとんでもない騒ぎになったことは芸能オンチのオレですら知っている。


これはヤバすぎる。

飯山くん、キミ有能だったのか。

惜しい人を亡くしたんだな。


ビビりまくるオレたちに優しく声をかけるのはオオタクさん。


「いやそれこっちだから。まさかこんなところで剣道界のスーパースターに会えるなんて思わなかったからな」


そうか、大村さんは剣道家だ。

たまにテレビで剣道の企画をやってくれてた。

そのたびに剣道を新しく始める子が増えて嬉しかったよな。  


「そんな、こちらこそです。大村さんがどれだけ剣道普及に貢献してくださったか。剣道家はみんな感謝してますから!」 

「そんなこと言ってくれるなんて嬉しいよなー」

「っていうか! 僕が剣道始めたの大村さんの影響ですからね。両親が『TAKU×TAKU』の大村ムサシの剣道コーナー観てたのがキッカケだって言われてましたよ!」

「マジ?」 

「ガチマジです」


一方で福田雅春さんの登場に震えていたのはアキだ。

確かにいつも聴いてたもんな。


福田さんが心配そうに尋ねてくる。


「ナツくん。アキちゃん大丈夫かな? 動かなくなったんだけど」  

「あー、アキはガチの福田さんファンなんですよ。これもうダメかもしれないな」


慌てて旭川さんがアキの肩を掴んでゆする。


「アキちゃん、帰っておいで! 生福田さんだよ! もったいないよ!」


ハッと我に帰るアキ。


「す、すみません。どこかに行ってました!」  

「ははは。大丈夫?」

「全然大丈夫じゃない!」

「これほんと?」


福田さんがオレに聞くので代わりに答えてあげた。


「ガチ勢ですよ。中学からお小遣いでファンクラブ入ってるって言ってたし、CD全部持ってるし。あ、今回のツアー、剣道サボってでも行くって応募したの全部落ちたってやさぐれてました」

「ナツくんそれは言っちゃダメなやつだよ! ファンクラブのことはナツくんにしか言ってない!!」 

「え、そうなの? なんかごめん」

「ちょい待てや! ワシらのファンやゆうてたやんけ」

「いやそれオレです」


もうね、めちゃくちゃ楽しい。

タレントの誘い断ったのはもったいなかったかもって思うくらいだわ。


オープニングから盛り上がりすぎて押しているらしい。

撮れ高ありすぎてディレクターの心の声が嬉しい悲鳴に溢れていたぞ。


買い物対決は全員が金額オーバーして差額は自腹、購入した品物は全部が視聴者プレゼントに回ってしまった。


これはこれでいいオチだろう。

神眼使わなくて正解だったな。


収録も無事に終わった。

控室で脱力してたら共演した方々が会いに来てくれた。


大村さんは今度剣道の話がしたいと連絡先を交換してくれた。

震えたわ。


福田さんはアキとオレをライブに招待してくれると言ってくれて、マネージャーさんに連絡先を教えるように言ってくれた。

アキは泣いて喜んでいた。


芸人さんたちも「イジり強すぎへんかったか?」と気を遣ってくれた。

だよなー。

みんないい人が滲み出てるから毒を吐いても笑えるんだ。

みんないい人だよな。


全員で写真を撮ってくれた。

感動ものだ。


「こちらから挨拶に行かなきゃいかないのにすみません」

「いや君たち素人だから笑」

「業界入りしたら来てくれ」

「いやワシらは許さんからな」


全員で笑い転げて解散した。

なんかいい日すぎた。


途中、師匠が居なくなったのはきっと連盟へのネゴだろうな。


携帯メッセージで師匠に「大丈夫ですか?」と聞いたら「押し通した」との返事。

間に合わなかったから家で待ち合わせになった。


かなり目立ってしまったので転移も収納も使えず、二人でバスで帰宅したのだった。




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