表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

かつて姫と呼ばれた少女とゴーレムになった王子様、二人だけの崩壊世界ぶらり旅。

作者:書峰颯
『SYTVをご覧の皆さま! 私は今、ヘリコプターにて茨城県上空に来ております! この映像が視聴者様に届いておりますでしょうか!? ご覧下さい! 海が、海が何者かによって二つに割られています! これはまるで、あの有名なモーゼの十戒のようにも見えます! 割れた海が高波となって……津波です! 自然災害ではない、故意に起こされた津波が町を襲っています! 逃げて! 早く逃げて下さい!』

 その日、お茶の間のテレビは、緊急速報一色に染まった。
 スマートフォンから鳴り響く地震速報、更には防災放送、サイレン。
 予兆は無かった、誰もが悠久に続く安寧を享受できると思っていた。 
 
『街が、信じられない、海が大地を飲み込んでいきます! 速報? この映像よりも凄い速報なんてある訳ないじゃない! え? 日本だけじゃない? 世界中に現れたの? あの化け物が!? ちょっと待って、これって人類滅亡しちゃうんじゃないの!? あ、自衛隊、自衛隊の戦闘機が巨大な化け物へと向かっています! 彼等は世界の希望、守るべきものの為に戦う力が、自衛の力が今まさに発揮されようとしています!』

 古くは恐竜の時代から行われてきた、文明のやり直し。
 それは、地上にはびこる瘡蓋のような痕跡すら残しはしない。

『なんで……なんでよ、何も効かないじゃない。……なに? アメリカが核を発射した? アメリカだけじゃない、ロシア、中国、パリ、世界中で!? そんなの、地球がもたないんじゃないの!? ……でも、もしそれであの化け物が倒せるのならば、殺せるのならば、私たちも、助かるのかなぁ……どうしよう、どうしてこんな事になったのよ』
 
 地球が壊れるとされる核ミサイルであったが、それは正しい表現ではない。
 地球の表面に生きる人類が滅亡するミサイル、それが正しい表現だ。
 すべての核ミサイルを集めた所で、恐竜を絶滅したチクシュルーブ流星には遠く及ばない。
 地球とは、何者よりも生命に溢れた星なのだから。

『お母さん……』 

 そして、人類は絶滅した。
 たった一つの希望だけを残して。

「リリィ、起きて下さい」

 全てを諦めた人類が選択したもの。
 それは今を生きる人間ではなく、後世へと人類を残す選択だった。

「活動再開の時です、リリィ」
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ