脱出
女王機械蟻に炸裂釘打機を打ち込むことに成功したオメガ達。
爆発までの時間は10分‼
オメガは負傷したパルパトを背負いながら機械の魔巣から脱出を試みる。
『後ろからの追撃は無いようですね』
最後尾を走っているワイズマンは後ろを警戒しながら答える。
その前をパルパトを背負ったオメガ、真ん中に姫子、そしてメリーが先頭になって出口に向かって走っている。
『爆発までは後何分あるんだ』
先頭を走っているメリーはワイズマンに問いかける。
『後を爆発まで7分32秒ですよ』
ワイズマンは自身の懐中時計を見ながら答えと、前方から何やら不審な気配が漂って来る。
その正体は・・・
確認出来るだけで蟻型の機械侵食者が、6匹ほど前方から近づいて来ている。
『お出ましか!?』
『6匹も!?時間が無いのに』
『メリーこれを!』
ワイズマンはメリーに向けて奇妙は色の水の瓶を放り投げる。
『これは?』
メリーは瓶を受け取ると不思議そうに見つめる。
『それを奴らに投げてください。そして弓で追撃をお願いします』
『わかった』
メリーは瓶を蟻型の機械侵食者に向けて投げ液体が飛び散る。
今まで襲いかかろうとしていた蟻型の機械侵食者がとたんに動きが鈍くなる。
『邪骨の矢!』
メリーの矢が液体を浴びた蟻型の機械侵食者に着弾すると・・・矢が蒸発するように煙をあげ溶け始める。
『おい!大丈夫なのか?』
『大丈夫ですよ、よく見てください』
先ほどのまで動きは鈍いながらも攻撃しようとしていた蟻型の機械侵食者動きが完全に止まる。
『先程のは姫子に持たせた炸裂粘液水晶の試作改良版で、粘液状に拡散するのに対してこちらは機械侵食者の動きを止めることに特化させております。
しかし試作品なので止めている時間が1~3分程度しかありません。
それに個体差もありますので、奥の手として持っていました』
『だったらさっさと行こうぜ。こんなところで時間を取られるわけにはいかないからさ』
『了解だ』
メリーは構えてた弓を仕舞い終えると前に進んで行く。
『爆発まであと、5分を切りました』
先程の機械侵食者から逃げきってから3分程たち、ワイズマンは自身の懐中時計を確認しながら答える。
『出口まで後どのくらいですか?』
姫子は少し息を切らしながワイズマンに質問する。
『後少しだよ。風を感じるから』
先頭を走っているメリーが姫子の質問に答えてくれる。
確かに少しではあるが風を感じとれる。出口には近いようだ。
先程からさらに進むと光が見えてくる。姫子達はどうやら出口にでたようだ。
『やっと出れました』
『疲れたな』
『パルパト大丈夫か?』
『爆発までは残り2分18秒です。早くこの場を去りましょう』
それぞれが安堵の溜息や、仲間の心配、次に何をするべきか話しているなか、奇妙な音が響きわたる。
その音は拍手。
音の方向に目を向けると一人の男が瓦礫の山の上に立っていた。
『脱出おめでとう。
お疲れ様』
瓦礫の山の上の男は薄緑色のスーツに濃い緑のネクタイを締め、細目でありシルクハットを被っている。
その姿はかの英国紳士を思わせるように整っており、胸のところには何かの破片・・・Fの模様が飾ってある。
・・・しかし顔には似合い仮面を着けている。
元は顔全てを覆っているはずの仮面は鼻の部分で壊れており、鼻より上の目に当たる部分には仮面がない。
口元だけ覆われた仮面はさながら肉食動物の歯の様な模様があり、ただならぬ威圧感を感じる。
『あ、あなたは!!』




