船上での一幕
まあ、こんな脅しで押し付けられた仕事は医薬品と食料品の輸送であった訳だが、船長の矜持である常に一流の船乗りであろうと姿勢は変わらない。正直、すごい事だと思う。しかし、危険性は決して低くはならない。とうとう雪も降りだし、急速に視界が悪くなってきたしまったのは特につらい。
船長が吠えるように叫ぶ。
「手の空いている者は周辺警戒にまわれ、わずかな兆候も見逃すな!」
「「「おう!!」」」
船員、乗客の区別なく海面の警戒に駆り出される。まあ、乗客というかお目付け役兼積荷取扱責任者といったほうが正確だろう。なんとシリウスのおっさん御自ら、わずか一名の副官っぽい表情の柔らかな兄ちゃんを引き連れ乗り込んできたのだ。
う~ん、脅した相手の船にたった二人で乗り込んでくるとは・・さすが将軍。豪胆な人だ。
けど、嫌いだけどね!!いきなり「坊主、危ないからさがってな!」なんて言ってきやがった!ガッテム!!
「将軍、女性に向かって失礼ですよ」
そう副官ぽい優男が苦笑しながら割り込んできた。エライ、一目で見破るとは・・・私があと4つ年上だったら口説いてるね。絶対。
シリウスのおっさんが不思議そうに副官ぽい優男を眺め、視線をゆっくり戻し、目の前で
「どこに?」
堪忍袋の緒は切れるためにある。このことについては私の沸点はかなり低い。
「俺は女だ!おっさん」
「お、おっさん?!」
驚いた傷ついた顔をしたシリウスのおっさん。その表情のまま固まっている。そんなにショックかおっさん!!
もう心の中だけおっさんと呼んでいたが、しゃべるときもずっとおっさん確定じゃ!微妙な乙女心を傷つけた代償は大きいぞ!
「将軍、謝罪されたほうが・・・」
おお、わかっているな、お若いの。乙女心評価はキュンキュン急上昇中だ。
「あ、うむ、えと、お、おほん!これは目が曇っていたようですな。こんな可憐な少女を男と見間違えるとは。お許しいただけるかな、レディ?」
大仰なしぐさで謝罪してきたが馬鹿にされていると感じたのでぶら下がっている男最大のウィークポイントに前蹴りをかました。
「おふん」
気の抜ける声を上げて倒れこむおっさん。
「いいから早く見張りしろ!」
自分でも容赦ないな~と思う。
「将軍!!」
駆け寄るあんちゃん。なぜか額から汗が出ている。そして、すばやくおっさんを連れて攻撃範囲から脱出する。
「いや、すまなかったね。では私らはあっちを見張ってきますね」
おっさんを連れてそそくさと立ち去る。
うん、ダメな上司ほど部下をそだてるな~
ふと気づくと周りの船員たちの同情に満ちた視線がおっさんの背中に集中している。なぜゆえに?
「ほらほら、何見てんの!見張りしっかりやりなさい!」
「「「はい!お嬢」」」
信じられないくらいそろった返事に目を丸くしながら
「じゃ、私はあっちを見てくるね」
「「「はっ、お気を付けて!お嬢」」」
なぜか一斉に敬礼された。ん?なんでだろう?周りの船員たちは全員内股で作業していた。
ちなみにその後、涙目の船長に呼び出され、きついお説教となぜか今までの教育の不備を謝罪された。
あれ?私自身は今までの教育に感謝しているんだけどな?
再び、頭の中から声が聞こえる。天啓か!
『お願いですから、もうやめてあげてください』
なぜか神様(?)の声も涙声だった。
空き時間にちょこちょこ書いているので少し文章としてちぐはぐになってるかな?短い文をちょこちょこ乗せるほうがいいと感じたのでしばらくこのくらいの文章で更新します。見ての通り勢いだけで書いて推敲が少ないのですが、直しは切りのいいところまで書いてからまとめて直します。感想をくれると直す際の目安にしますのでよろしくお願いします。
3/4 誤字修正




