船はありません!なんで!!
依頼の内容は前回と同じ医薬品と優秀な傭兵100名程度というラファール号には少々荷が重い量だ。
「船長、船から調達しないと・・」
「そうだな・・少し危険があるかもしれないが・・・この時期に船があるところといえば・・・」
船長は深く悩んだ様子で尋ねた。こう見えても船での暮らしは長いのです。私以上の事情通はそういない。
「そうですね。やっぱりヴェール帝国ですかね」
大陸北部において最大の国であるヴェール帝国なら多少、海が荒れている時期でも船があるはずだ。
「やっぱり、そこしかないか・・・」
船長と同じ判断で少しだけうれしい。まあ、もうちょっと難易度の低いとこらがあればもっとよかったが。
「傭兵も集まりやすいですしね」
ヴェール帝国は年中行事のように大小の戦争を行っている国だ。その所為で世界中の傭兵が集まるのだ。
「雇うとはいっても100名程度、だ。よほど腕のいい者をということだろうからな。慎重に選ばなければ」
「船長、医薬品は大丈夫ですか?」
多分、こっちのほうが重要ではないかと思っていた。
「そっちの手配はあの諜報機関に頼んで置いた。ロベルガの港に集めてくれる予定だ。安心したか?」
「うん、少し」
「ははははっ、少しか・・・」
ちょっとだけ船長の憂いが軽くなったようで私もなんだかうれしかった。
船が順調に航海を続けて5日、ついにあのヴェール帝国を視界に納めたらしい。
「船長!港が見えました!」
マストの見張り台から船員の一人が声を上げた。見まわしてみるとあちらこちらに数隻の船がゆっくりと進んでいる。よく見ると、かなり港が近いらしく何隻かは入港準備に右往左往、それを横に見ながら船長は声を上げる。
「野郎ども!入港準備にかかれ!」
「「「おお!」」」
ラファール号はゆっくりとヴェール帝国の港に進んで行った。
大小の船が大量に浮かんでいる。想像以上の量だ。
「さすが、ヴェール帝国。半端ないな」
そうつぶやいたが、どこかさびれた感じがあるのはなぜだろう?
「船長!これだけ船があれば1隻くらいは何とかなりそうですね!」
船員の何人かは気軽そうに言っている。
「・・・・・とりあえず港湾ギルドに行ってみようか・・・」
船長は少しだけ足取りが重い。船長は何か得体のしれない雰囲気を感じているようだった。
港湾ギルド、積み荷の積み下ろしや補給物資の調達、船員の募集など港湾関係者が集まって作ったギルドである。大きな町にはほぼ必ずあり、大きな町での商売では彼らを通さずに仕事をすることはかなり難しい。
「すまんが、中型の貨客船を一隻、仕事を依頼したいのだが・・」
船長が受付の女性にそう声をかけた。
「申し上げありませんが現在、貨客船の運航はございません」
う~ん、時期が悪いか、こんな海の荒れている時期にはいないかもな。
「ならば、貨物船でも構わないが」
「申し訳ございません。貨物船も・・・」「なら、何があるんだ!」
船長は声を荒げます。
「小型の貨客船ならば多少は・・」
「それは外洋にも出れるのかな?」「ムリですね・・・」
船長はカウンターを強くたたくと
「さっき、港には大量の船があったぞ!ないわけがあるか!!」
「・・・・・あれは軍に徴用された船です。現在、中大型の船のほとんどは徴用されています」
「ばかな!!」
「戦争がちかいそうで・・・・」
受付の女性も不満そうだ。
「・・・失礼した」
そういうとギルドを後にした。数人の男たちが後に続いていたことを承知で・・・
「で!どこまでついてくるの!!」
話しかけもせず、ただ黙ってついてくる男たちははっきり言って不気味だ。船長たちはため息を一つ吐くと何も言わず、そばに落ちていた枯れ枝でなぜか即席の担架を作り始めた。
「ほら見ろ!ささっとおめえが話しかけないから!」
「今度はお前が話しかける番だろ!!」
男たちはぐだぐだやっていた。
「いい加減にしろ!!」
定評のある右ストレートが決まった。
「「「何となくこうなると思っていた」」」
失礼な!それじゃ私がいっつも鉄拳で解決しているみたいじゃないか!!
そう表情に出ていたらしい
「「「その通りじゃないか・・・」」」
全員に呆れられた。
最近、忙しいです。何とか更新できるように頑張ります。




