最後はツッコミ
リリアーヌ様はなんと元王様、いや女王様!かっこいい女性だと思っていましたがまさか女王様とは!!
ん?ま・て・よ・・・・
リリアーヌ様→女王様
ジュドーさん→息子
え?
「ジュドーさんて、王子様!!」
そうい言えば、どことなく品格が・・・!!くそう!こんな事実に気づくまで10秒もかかってしまうとは!!
「いや、ジュドーは王子の地位を返上しているからね。元、だよ。それと私はジュドーの意見を尊重するよ」
めんどくさそうに手を振ると、じゃあ見学でもしようかい といってドカッと空いている机に腰を掛けた。
行儀が悪いと視線で訴えるジュドーだが、モノの数秒であきらめたようだ。
「では、お墨付きももらいましたし、交渉を始めましょう」
「まず、海洋国は現状、すなわちヴェール帝国の影響力が拡大する現状をどう思っているのでしょう?」
「別に、所詮、人間同士の対立。我が亜国には関係ありません」
「そうでしょうか?亜国は人間に対して何か企んでいるように感じますが?」
「ははっ、根も葉もない噂ですよ。現に両者の力の差は圧倒的です。技術も財力・・」
「そして軍事力も、ですね」
睨み合う両者、やっぱり部屋寒くなってる!
「・・なにがおっしゃりたいんです?」
「ヴェール帝国の技術はどれも頭一つ飛び出ています。確かに数多くの名工、名匠を輩出した土地柄ですが、歴史的にあまり重視していなかった造船や治水なんかも近年目覚ましい進歩をしています。試行錯誤という言葉が死語になるほど完成度の高い技術が突然湧き起ってくるんです。どこからか教唆があったとしか考えられないほどに・・・・」
「ありえませんね。大陸の四方は我々が抑えています」
「だから私たちはあなた方からの干渉があったのではないかと疑っているのです」
「それこそありえない!!」
ジュドーさんは怒りをあらわにします。さっきまで冷静だったのに・・・しかし、すぐに持ち直して
「失礼。しかし、もしかしたらヴェール帝国に天才がいるのかもしれませんよ?」
「その可能性は前もってつぶしてあります。私の国は歴史ばかり古い小国ですが世界有数の諜報機関を持っていると自負しているものでね。総力を挙げて調べつくしましたよ」
ジュドーさんは苦笑して
「人間世界の情報網は我々が持てない数少ないもののひとつですから、閣下の言葉を信じるしかないですな」
そういいながら目が全く信用してないって書いてるんですけど・・
「では無知な人間に真実をお教えいただけないですか?」
「・・・・・・・・・」
チラッとリリアーヌ様に視線を送ります。リリアーヌ様は苦笑いして首を横に振ります。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
気まずい沈黙があたりを包みます。
音が聞こえなくなってもうどれくらいたったのでしょうか?
「ふう」
ジュドーさんのため息で長い沈黙はやっと破られました。いや、もしかしたらものの数分数秒だったのかもしれません。しかし、私の心臓は早鐘のように音を響かせています。
「少ない情報からずいぶんと突飛な発想をなさる・・・・」
「ええ、しかしそれが一番事実に近いと確信しています。それをあなた方が望んでいないことを含めて」
ジュドーさん顔が喜びに満ちてゆきます。そして
「はははははははははは!ああ~こんなに愉快な気分になったのは久しぶりです!母さん!貴女の客人はほんと、面白い方ばかりですよ!!」
え、これ誰?と思うくらい表情豊かなエルフがそこにいた。
「で、我々に何をしてほしいのですか?今なら話を聞いてあげられますよ」
喜色満面のジュドーさんが言います。
これってとってもラッキーな状態では!なんせ海洋国はデン王国とは比べ物にならない大国なのです。助力をわずかに得るだけでデン王国を滅ぼせちゃいます!!
「ええ、簡単な契約を結んでいただきたい」
「ご存知でしょうが、亜国はあまり人間社会に影響を与えたくはない。軍隊や兵器は貸せませんよ。同様な契約だったら結ぶつもりはありません」
ちっ!ケチ!
「いえいえ、そんなことは言いませんよ。私たちが望むのは我が国ヴィーナ王国南西部の港湾都市レゴを占拠していただきたい」
「なんでやねん!!!」
つい反射的に突っ込んでしまった。
完璧な聞き役だった私は最後の最後で二人の王子様の前で突っ込み役という役を演じてしまったのだ。
なんでやねん!!
3万字超えました。やっと一時間くらいの分量になりました。拙文ですけど暖かい目で許してください。




