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交渉の前の応酬、前振り長いと文句を言う

若いエルフはどんどん先に進みます。

「ちょっと!待ちなさい」

彼はものすごく速いスピードでついて行くのが精いっぱいだ。ジェイドが

「おんぶでもしましょうか?」

と戯言を言ってきたが、私は顔を赤くして

「ムリ!!」

と一刀両断した。船長は手を出したら殺すといわんばかりの眼光でジェイドをにらむ。

なに、この状況?


この状況にぐったりと疲れ始めていると

「あら、レイちゃんじゃない!もうきたの?」

目の前にリリアーヌ様がいた。

「リリアーヌ様!お久しぶりです」

「どお、景気は?おや、ジェイド殿に船長殿。今日は引率?」

「どうもリリアーヌ様、ご無沙汰しております。今日は私の用事でここまで運んできてもらったんですよ」

「そうですよ、リリアーヌ様!それに私はもう子供ではありません!引率なんていりませんよ!」

「そうよね・・・・」

みんなからの生暖かい視線が痛かった。

「母さん、あんまり引き止めるのも迷惑ですよ」

見ると無愛想なエルフがリリアーヌ様に向かって小言を垂れている。

ん?母さん?

「それもそうだね。どこまで連れて行くんだい?」

「とりあえず管理官室ですかね。母さんはどうします?」

「そうだね。予定もないし、ちょっと付き合おうかね」

えっと、この人がリリアーヌ様をなんとと呼んでましたっけ?・・・えーと

「「「母さんン?」」」

人間代表の3名は声を上げた。

「ああ、これは私の息子のジュドーだよ。仲良くしてやってくれ」

「改めてヨロシク。まあ、そんなに仲良くする気はないですが・・」

「ははははっ!相変らずだね。まあいいさ。じゃあ行こうか」


なんですと!!!子持ち!!ですかーー!!

心の中の突込みは幸い口からほとばしることはなかった。


チラッチラッ、私はジュドー君に物言いたげな視線を送り続ける。最初は完璧にスルーしていたが、さすがに視線に耐えかねたのか

「なんだ!さっきから!」

「ええっと聞いてもいい?」

「・・・なんですか?物によりますよ」

「アンタいったい何歳?」

ジュドー君はえ?なんでそんなことをというという顔をして

「27だが?」

そっか27か・・・27歳!!こんな童顔で?いや、それよりも!

私は小声で

「じゃあ、リリアーヌ様って何歳?」

「確か10年位前から約100歳って・・・・イタイイタイ!!」

「妙齢の美女の年齢をいたいげない子供に教えるなんて・・この口かい?この口が悪いのかい?」

恐ろしい形相をしたリリアーヌ様がそこにいた。

「レイちゃん、淑女は慎み深く他人の年齢なんて聞かないもんだよ」

「はい!リリアーヌ様!」

私はどこの王宮に入っても恥ずかしくない敬礼をした。


しばらく進むとやはりコンクリート製と思われる大きな建物突き当たり、さらに中に入ってしばらく進むと

『管理官室』

シンプルなプレートにその4文字だけが刻まれています。扉も簡素なもので実用的といえば聞こえはいいが実際に見ると少し寒々しささえ感じてしまうのは私だけでしょうか?ジュドー君いや、ジュドーさんは何の躊躇もなく扉を開けます。お偉いさんの部屋っぽいのに、遠慮という言葉はこの男にはないのでしょう。空いた扉の向こうは・・・・・


見渡しましたが誰もいません。高そうな机、椅子はあるのですが肝心要のお偉いさんがいません。ジェイドは

「すいません。私は交渉に来たのですが責任者の方はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」

となりのリリアーヌ様に尋ねます。

「?目の前にいるだろう?」

みるとジュドーさんがそのまま高そうな椅子に腰かけます。

「要件をお聞きしよう。ジェイド王太子殿下」

「「「ええええええ!!」」」

なんとお偉いさんはジュドーさんでしたか!!

「当然です。一国の王太子をお迎えするのに下っ端というわけにはいかないでしょう。だからこの島で現在、2番目に高い地位ある私が直接出向きました」

「ご配慮痛みいります。こちらが国王陛下からの親書です。しかし、これからの交渉はでは、高度な政治的判断が求められます。貴官が全権を委任された大使でなければこの島の最高責任者にお会いしたい」

持ち直したジェイドは毅然と一カ国の王太子にふさわしい完成された動作で失礼にならず、さりとて卑屈にならない見事な一撃を放った。言外に役者不足と言っているのだから。

「勘違いしないでいただきたい。平時、私は本島の最高責任者です。あまりに高度な政治的判断が必要な場合は本国政府にゆだねますが、私が必要ないと判断すれば私の考えは海洋国政府の考えと判断して結構。正直、北東部辺境の雑事など私で十分だ」

ジュドーさんも負けじと毅然と言い返します。たった一言ずつの応酬が室温をどんどん下げている。気のせいだよね、たぶん。

「しかし、現在あなたは最高責任者ではないといいました。少なくとも最高責任者に事の次第を確認したい」



「だそうですよ。前海洋国国王リリアーヌ猊下」

!!!!!!マジですか!!!!!!!

次からやっと交渉に入ります。しかし、前振り長い!!


誤字発見 修正しました・・・まだあるかも・・・

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