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第10話 カッコつけ

「あのーすいません……冒険者ギルドってどこにありますか?」

「ここをまっすぐ行って突き当たりを右に曲がったとこだよ」

「ありがとうございます!」


 俺は町を駆けていた。

 締め切りは夕方だよとかいう舐め腐ったことは言わないよな……でも保証はない。


「ハァハァ……しっかし広いなこの町はーもう足パンパンだぞ」

(止まるな走れ)

(それな)

「ひでぇ」


 そういや俺はこの町に来るまでもバカみたいに歩いてんだったな。今日だけで一生分は歩いただろ……


「ハァハァ……突き当たりはまだなのかー」

(ミサカ! あれじゃない?)

「え?」


 目を凝らして遠くを見ると突き当たりがあった。突き当たりをこんなに待ち望んだのは初めてだ。

 俺は走った。なぜ俺がこんな走ってるのかというと、周りの目が痛いからだ。この町着いてからずっと気になってはいたんだが、なぜだか町の人にチラチラ見られる。

 俺おかしなとこあるか? と思い客観的に自分を見てみると理由が分かった。


「俺……学ランじゃん」


 この世界で学ランは確実に浮く。つか俺はずっと学ランだったのかよ……俺はとてつもなく恥ずかしくなった。

 だから周りの声を聞かないために走ってたわけだが……相変わらず俺は自信過剰だな。


「何あの格好? ダサすぎ」


 とか思われてたんだろうか。ハァー……

 そのせいで町の人に話しかけるのも時間がかかった。


 そんなこんなあったがやっとギルドらしき建物の前に着いた。ドアの上に看板があり、そこによくわからない文字が書いてある。俺には読めないがその建物が溢れんばかりのギルド感を醸し出しているので、多分ここはギルドだろう。俺はおそるおそるドアを開けた。


 ――ガチャッ


 俺がギルドに入ってまず思ったことは『うるせぇ』だ。もうほんとガヤガヤガヤガヤって感じだ。入って右を見るとバーみたいなのが併設されていて、そこから叫び声が聞こえる。


「オォイー! 酒をどんどん持ってこーい! 足りねぇぞ!」


 バーって雰囲気じゃねぇな……

 俺はおそるおそる前に歩いていった。すると正面に受付が三つあった。その上にはまた読めない文字が書かれている。多分ここはこういうのを受け付けてますよって書かれてるんだろうが、俺には読めない。


「まぁ真ん中のとこでいーか」


 話は通じるし、場所が間違ってたらその人に聞けばいいしな。俺は受付に近づく。すると俺はあることに気づいた。それは受付の人が超美女ってことだ。金髪にツインテール……

 クソッ……これじゃあ話しかけられねぇよ。スズやサニーと話す時も俺は受け身になることばかりだし、俺にとって美女に自分から話しかけるというのは無理難題すぎる。例えそれが受付の人だとしても……

 俺がそうこう考えていると、俺を抜かしフラフラとした男が受付の前に行った。


「ねぇールリちゃーん……ちょっと一緒に飲まない?」

「すいません。私受付の仕事がありますので」

「ねぇーそんなこと言わずにさー」


 俺はこういう男にはなりたくない。でも女性を躊躇なく誘えるのは憧れる。


「すいません冒険者さん。ご引き取りください」

「冒険者さんてーつれないなー気安く名前で呼んでもいんだよー?」


 なんだこれは……俺が


「おいやめろよ! 彼女が困ってるだろ?」


 って言う展開なのか? そう言ったら俺が彼女に惚れられる的な……ないな。多分そう言ったら俺がぼこされて彼女に幻滅されるって展開になりそうだ。服装とがゴツイし……手練れだろう。


「すいません冒険者さん。後ろに並んでる方もいらっしゃるのでご引き取りください」

「あー後ろ? なんだお前? なんか文句あんのか?」


 えーおいおい、そっちからくる展開とかありかよ……俺が何したってんだ。


「おい! なんか文句あんのかっつってんだよ!」

「文句なんかないですよーまぁでも……そこらへんにしといた方がいんじゃないですか?」


 ――ボコッ


 腹にズシッとした痛みを感じる。殴られた……のか。


「――ゴホッッガハッガハ……うっ」

「雑魚が調子にのってんじゃねぇぞ!」


 あんだけうるさかったギルド内がしんとする。はーこの世界俺に厳しすぎるだろ。パンチなんて初めてしっかりくらったわ。こんな痛いのか……男が受付の人の手を掴む。


「ちょっと! 何するんですか? やめてください!」

「えーやめてほしかったらさーちょっと一杯付き合ってよ」

「おい酔っ払い……」

「あぁ?」

「やめろっつってんだろ聞こえねぇのか?」


 俺はこいつに勝てる気もしないし、止めることすらできないと分かってた。でも俺はせっかくカッコつけたんだから最後までカッコつけようと思った。ただそれだけだ。カッコよくない奴はカッコつけるしかない。

 例えそれが自分に不相応でも……


「どうやら殺されたいらしいな」


 おいおい殺すまでいくの? やめてくれ……


「どうやって殺してやろうかなぁー」


 ――ドガァンッッッッッッ


 ドアがすごい勢いで開いた。静かになっていたギルド内に音が鳴り響く。この音は……


「おーミサカじゃねぇかーなんでこんなとこいんだ?」

「レイィィィィィンン」

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