我の名は
「えっと、天音玲奈です。改めてよろしく」
軽く自己紹介を済ませ、休み時間に入る。
するとクラスメイト達が如月さんの周りに集まった。…群がった。
「ねぇ!名前なんだっけ!」
失礼過ぎでは?
「部活入るんか?」
うちの学校は強制だろ。
「好きな食べ物って何?!」
それはっ …………まぁ普通か。
とにかく質問攻めにされている可哀想な如月さんがいた。
「我の名は如月連!この名は忌々しき神より授かったのだ!」
『我』…?
『忌々しき神』…?
如月さんが物凄く個性的…な自己紹介をした瞬間、周りが一斉に静まり返った。
まぁさすがにね。
「む?何かあったのか?」
貴方の超絶個性的な自己紹介の所為ですが!?
「か……」
か?蚊でもいたのかな。
「かっこいー!!」
「すっごいかっこいいね!」
「如月くんが言ってて違和感がないのがすごい!」
「俺も一度は言ってみてぇよ!」
教室中が沸いた。
言いたいなら言えばいいのにとツッコミが間に合わないほどに。
「玲奈、災難だねぇ…」
みんなが如月さんに向かって行く中、一人だけが隣の席に座っている私に近付いてきた。
親友の櫻井紬である。
「何を他人事みたいに…」
私はジト目で紬を見て言った。
「残念ながら100%他人事なんだよねぇ私にとっては」
私はため息を吐いた。
「蓮くん、だっけ」
紬が如月さんを見て云う。
「言ってることは面白おかしいけど顔は良いよね〜」
やっぱ完璧人間なんていないのかも〜!と紬は言った。
そりゃいないだろう。いたらこのクラスどころか世界中が沸く。
その完璧人間とやらも災難だ。可哀想に。
そんな私達をよそに、クラスメイト達は如月さんと仲良く楽しく話していた。
…羨ましい。




