ようこそ転入生
朝学活にて、クラスに新たな仲間が加わった。
名前は『如月連』。
そう、名前がとっても格好良いのだ。
それに加えて整った顔立ち、高身長、イケボ。誰もが羨む THE 勝ち組のような容姿をしていた。
だが教室に入って彼が発した言葉。
「我の名は如月連!宜しく頼む!」
そう、現代人とは思えない一人称に口調だったのだ。
黙っていればイケメン、残念イケメンだった。だが人間はとてもチョロい。
「かっこいー!」
「イケメン来た!」
「これで今日から毎日頑張れるぅ〜〜!!」
彼の発言に引いたのは私だけだったようだ。
クラス中が沸き上がる。
「む?」
まさかの無自覚イケメンだった。
「まぁまぁ静まれ!」
うわぁ戦国時代っぽい喋り方ぁ…。実は俳優さんだったりするのかも。
テレビの企画でドッキリ的な?
そういったことに疎い私は考えることしかできなかった。
「それじゃあ如月さんはあそこの席、天音玲奈さんの隣に座ってください」
そうそう、自己紹介がまだだった。
私の名前は天音玲奈。ごくごく普通の女子高生。
顔の良さは中の上寄りの中で頭の良さは平均の、いわゆるモブポジの人間だ。
そんな私の隣にキラッキラの転入生さんが座る?
正直に言うと目立たなければ何でも良い。
「こ、こっち…です……」
彼が…如月さんが困っていたようだったので小さく手を上げ声を発した。
上から目線ではない。
「うむ、助かった!」
そのままドカッと私の隣の席に座った。
無論、ラブコメ漫画でよく見る恋愛が始まる気配は1mmもない。
何ならこちらからNGだ。
「よ、よろしく…」
「世話になる!」
苦笑交じりに挨拶を交わす。
世話、ね…。
隣に座っているというだけで何かが起こるとは思えない。
今はただただ、この言葉がフラグにならないことを信じよう。




