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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第2章

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31 帝国が遺跡を狙う

地下都市の発見から数日後。


アルトたちは、山麓の町の宿に戻っていた。


遺跡の調査で疲れ切っていた一行は、食堂の席で遅い夕食を取っている。


ミラがパンをかじりながら言った。


「それにしてもさ」


「地下にあんな都市があるなんて、誰も信じないよね」


ガルドが笑う。


「俺はまだ夢でも見てる気分だ」


グランも腕を組んで頷いた。


「だが、あれだけの規模の遺跡だ」


「噂はすぐ広まる」


アルトは黙って地図を見ていた。


地下都市の簡易図。


広場、塔、崩れた街区。


そこへ、宿の扉が勢いよく開いた。


町の商人が慌てて入ってくる。


「大変だ!」


食堂がざわつく。


「どうした?」


誰かが聞くと、商人は息を切らして言った。


「帝国軍が来る!」


アルトたちは顔を上げた。


「帝国軍?」


商人は頷く。


「遺跡の話を聞きつけたらしい」


「調査隊を派遣するってよ!」


ミラが眉をひそめた。


「早すぎない?」


グランが低く言う。


「帝国は遺跡や古代兵器を集めている」


「聞いたことがある」


エリシアが不安そうにアルトを見る。


「それって……」


アルトはゆっくり言った。


「もし帝国が地下都市を手に入れたら」


「古代兵器や技術を独占する可能性があります」


ガルドが椅子にもたれる。


「軍事利用ってやつか」


アルトは頷いた。


その時。


食堂の扉が再び開いた。


今度は静かに。


入ってきたのは、黒い軍服の男たちだった。


胸には帝国の紋章。


周囲の客が一斉に静まり返る。


先頭の男が店内を見回す。


鋭い目。


冷たい声。


「この町に」


「遺跡を発見した調査隊がいると聞いた」


アルトたちは視線を合わせた。


ミラが小声で言う。


「……来たね」


帝国兵の男はゆっくり歩いてくる。


そしてアルトたちの前で止まった。


「君たちか?」


アルトは立ち上がる。


「そうですが」


男は名乗った。


「帝国考古調査局」


「隊長ローデンだ」


周囲の空気がさらに重くなる。


ローデンは静かに言った。


「地下都市の調査は、これより帝国が引き継ぐ」


ガルドが眉を上げる。


「ずいぶん勝手だな」


ローデンは表情を変えない。


「帝国は古代文明の危険性を管理する義務がある」


そしてアルトを見つめる。


「協力すれば、報酬は出そう」


アルトは少し黙った。


地下都市。


古代兵器。


戦争の痕跡。


もし帝国がそれを手に入れたら――


アルトは静かに答えた。


「遺跡は」


「歴史の遺産です」


ローデンの目が細くなる。


アルトは続けた。


「軍事利用のためのものではありません」


食堂の空気が凍りついた。


ローデンはゆっくり言う。


「……なるほど」


彼は踵を返した。


「では」


「我々も独自に調査を行う」


扉へ向かいながら言う。


「遺跡の価値を決めるのは」


「歴史家ではない」


振り返る。


「力だ」


帝国兵たちはそのまま店を出ていった。


静まり返る食堂。


ミラがため息をつく。


「……完全に取り合いになりそう」


グランが腕を組む。


「帝国が本気なら厄介だ」


アルトは窓の外を見る。


遠くの山脈。


その奥に眠る地下都市。


そして呟いた。


「遺跡を守らないといけない」


地下都市の調査は――


帝国との争奪戦へと変わろうとしていた。

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