第14話 遺跡盗掘団登場
装置の光が静かに落ち着き、部屋には再び静寂が戻っていた。
アルトはまだ考え込んでいる。
リィナの手に反応した装置。
古代文明の血筋。
仮説は立てたが、まだ確信はない。
「……もう少し調べれば――」
そのときだった。
ガチャッ
扉の向こうで音がした。
全員が同時に振り向く。
ガルドが剣を掴む。
「……誰かいる」
ミラも短剣を構える。
「この遺跡、私たち以外に来てるの?」
次の瞬間。
ドン!
扉が勢いよく開いた。
部屋に数人の男たちが雪崩れ込む。
革鎧。
粗末な武器。
そして、どこか荒々しい雰囲気。
ミラが顔をしかめる。
「……最悪」
男たちはアルトたちを見て笑った。
その中の一人、リーダーらしき男が前へ出る。
頬に傷のある大柄な男だった。
「おやおや」
ニヤリと笑う。
「先客がいたとはな」
ガルドが剣を構える。
「誰だ、お前ら」
男は肩をすくめる。
「そんな怖い顔するなよ」
「俺たちはただの探索者さ」
ミラが小さく呟く。
「嘘つけ」
アルトも気づいていた。
彼らの装備。
そして態度。
「……盗掘団」
ミラがはっきり言う。
男たちは笑った。
「ご名答」
リーダーの男が部屋の中央を見る。
光る装置。
そして散らばるゴーレムの残骸。
「へぇ」
「もう守護者も倒したのか」
彼はゆっくり歩き出す。
ガルドが前に立ちはだかる。
「止まれ」
男は立ち止まり、楽しそうに笑う。
「いい仕事してくれたな」
「罠もモンスターも片付けてくれて」
背後の仲間たちもニヤニヤしている。
ミラが舌打ちする。
「つまり」
「横取りする気?」
リーダーは大きく頷いた。
「そういうことだ」
彼は腕を広げて宣言する。
「この遺跡の宝は――」
ゆっくり指を立てる。
「全部いただく」
ガルドの目が鋭くなる。
「……ふざけるな」
エリシアも杖を構える。
「ここまで来るのにどれだけ苦労したか」
ミラは短剣を回す。
「盗掘団ってほんと嫌い」
アルトは一歩前へ出た。
「ここは古代文明の研究施設です」
「貴重な歴史遺産なんです」
盗掘団の男たちは一瞬黙る。
そして――
大笑いした。
「ははは!」
「遺産だってよ!」
リーダーはアルトを見て肩をすくめる。
「学者さんか?」
「悪いな」
彼は剣を抜いた。
「俺たちは金になる物しか興味ない」
後ろの男たちも武器を抜く。
部屋の空気が一気に張り詰める。
ガルドが低く言う。
「アルト」
「下がってろ」
ミラも構える。
「数は向こうが多いね」
エリシアが魔力を集中する。
「でも負けない」
リィナは不安そうにアルトの後ろに立つ。
盗掘団のリーダーが剣を構えた。
「さて」
「大人しく宝を渡すか」
ニヤリと笑う。
「それとも」
剣先を向ける。
「ここで死ぬか?」
遺跡の静かな部屋に、戦いの気配が満ちていった。




