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暁の芽吹 -レスティン・フェレスⅠ  作者: Ruri Lesewolf
Episode0「その名で呼ばれるまで」
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1/246

⓪-1 白

 1937年の冬、ドイツ中部。


 白銀の雪原で、朱色の髪の少女が膝から崩れ落ちた。

 北へ北へと歩き続けたが、終着点があるわけではない。


 手足の感覚が無いのは、手足が無いからだろうか。

 視界に映るのは、全て雪なのだろうか。 

 疑問は全て、一色に染まっていった。


 血が口から溢れた瞬間、少女は顔から雪へと吸い込まれた。


 ——もっと遠くへ逃げなくては。誰も来られないような、遥か遠くへ。


 猛吹雪は、その願いすら掻き消していった。


 ぼんやりと、過去の光景が浮かんだ。

 窓一つない、コンクリートの世界だ。


 アルビノの少年が、瞳から血を流していた。

 少年は微笑むと、少女を力強く抱きしめた。


『生きて』


 少年のか細い声が聞こえたような気がした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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