歯科医師過剰及び来院患者数減少の問題
駒岐県 歯科医師会会長
学校法人 駒岐歯科大学 副理事長
一岩 現伸
今日、歯科大学の人気は低下しています。
その原因の根底には、歯科医師の過剰があることは間違いないでしょう。
いまや、国内にはコンビニを遥かに上回る数の歯科医院がひしめいてます。
近く、その数は国内十万軒の仏閣の数を上回ると予測されています。
お寺よりも歯科医院が多いことが健常だと言えるでしょうか?
これは異常です。
道ですれ違うのが、袈裟より白衣が多いことが正しいはずもありません。
特にここ、駒岐県では、歯科医院の集中率が高く、都心の十倍以上の密度の歯科医院が登録されているとのデータを、厚生労働省関東甲信越医政課が公表しています。
駒岐県の駅前には、歯科医院ばかりが続く通りが何本も存在するという町さえ存在するのです。
これが引き起こす、一人の歯科医師あたりの患者数の低下は著しく、駒岐県の歯科医師は、甚だしいストレス下で操業することを余儀なくされています。
患者を奪い合っての、歯科医同士の訴訟や戦闘の件数も増加の傾向を見せています。
これから歯科医師になろうとしている若い世代にとって、この現状は歯科医師になろうという魅力を減じさせています。歯科医院が過剰なために、歯科の将来を担う若い世代の歯科医師を確保することができなくなっているのです。
駒岐歯科大学の生徒数は、深刻な定員割れを起こしています。
極めて高額な授業料を六年間支払い、超難関の国家試験をパスして、奴隷のような研修医課程を終えたところで、満足な収入面を期待することすらできないのです。
誰が、こんな仕事に就きたがるでしょう。
この不均等を是正するためには、どうにかして、歯科医師一人当たりの患者数を増やさなければなりません。
一つのパイをあまりに多くの人間が食べようとしているのが問題なのです。
これを解決するには、食べる人間を減らすーーつまり、歯科医師の定員を削減する、
あるいは、パイそのものを大きくするーーつまり、患者の数を増やす、その二つの方法しかありません。
前者の試みは、初めから困難が予想されました。
多額の投資を行って、歯科医師になった人々は、やすやすと歯科医師免許を手放すはずがないからです。
それでも、強制的に歯科医師の数を削減するべく、二年前、県の厚生福祉関連筋が、暗殺チームを組織して送り込みました。
患者に偽装した暗殺者が、歯科医師に最も近づける場所、診療椅子の上で歯科医師を始末しようとしたのです。
暗殺後、プラスチック爆弾で歯科医院を爆破。医療機器からの出火で歯科医院は全焼。そういう筋書きでした。