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ランバー2
彼との時間は、いつも同じような言葉で彩られている。
「奥様」
「あなたが羨ましい」
「もっと私を…」
私に向けたものなのかウィリアム様に向けたものなのか、彼自身にも分かっていないように見える激しい感情。
それをぶつけられるのが心地いい。
彼は私の立場に嫉妬している。
それはもう確実に。
でも確かに、私を欲してもいるのだ。
「奥様」毎回そう呼びながら、見える箇所にも見えない箇所にもたくさんの跡を付けられる。
そして翌日、それを隠さないようにとお願いされる。
ウィリアム様に見せたいから、と。
その数々の跡を目にしたウィリアム様の少し複雑そうな表情を見るのが、私も実は嫌いではない。嫉妬を押し殺した中に、少しの喜びが混じっている、そんな奇妙な視線。
嫉妬は、彼の恋人と身体を重ねる私に向けてのものだろう。喜びは、彼の恋人の子どもを私が宿すことへの期待。
そんな感情を胸に秘めながら、ウィリアム様は今日も優雅に微笑むのだ。
夜10時に家庭教師役のライをアップします。