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第62回
「何もしなければ、基本的には安全……か」
「何か臭いのう。闇雲に動かんほうがええのう」
「そうですね、それに万が一のことがあった時、こんなに真っ暗では僕もまともに戦えるかどうか」
確かに。
「すまんがメイよ。トイレは朝まで我慢じゃ!」
「い、いえ別に今すぐ行きたいわけじゃなくてですね……!」
恥ずかしそうにメイは言った。
「うーむ、じゃあわしは皆が眠っている間、このハチの部屋にいくための作戦を練る」
「かしこまりました」
そして俺たちは眠った。
◆◇◆
また夢を見た。
「生存者2名。10人のうち2人が生存。ほかは生命反応なし」
密室の部屋のスピーカーから、数十分ぶりに大人たちの声が聞こえた。終わったんだ……と、その声を聞いた小さな男の子は、息を切らしながら、床に倒れ込んだ。おそらくこれは幼き頃の俺、いや僕だろう。
「シュンくん……シュンくん!!」
「アキ、ちゃ……ん……」
隣には俺を心配そうに、体を揺する女の子がいる。周りには、同い年くらいの少年少女が、目をあけたまま横たわっていた。おそらく死んでいるのだろう。




