第5話・奈落の底へと沈み込む~己の罪を思い知る~
ディオネラから言われた言葉を頭の中で反芻する。
幼児の体力、集中力、一度に食べられる量……
当たり前と言えば当たり前の、けれども言われるまで気づきもしなかった概念。
「……休、憩……が……必要……?」
「お前、自分がアインくらいの年齢の時、いくら頻繁に色々あったからと言って、昼寝をしたり、おやつを食べたりくらいはしただろう?」
顔面蒼白になり、だらだらと冷や汗を滝のように浮かべたインスの呟きに、呆れ返ってウスニーが言えば、ギギギ……とぎこちなく首を動かしたインスの目から光が消えていた。
「……お昼寝……というか、薬で眠らされて……おやつ、というか……何が入っているかわからないものを口の中に押し込まれて……」
「……うわぁ~……」
何とも弱々しい声音で答えたインスの話に、思わずステールがドン引きする。
いや、声を漏らしたのはステールだけだったが、他の者たちも一様に顔を引きつらせていた。
「……そんな状況でしたので、そもそも食事を拒むようになって……」
「「「「「「……ああ……」」」」」
若干遠い目になったインスの言葉に心底納得する。
そりゃあ、物心が付くかつかないかでそんな目にばかり合っていれば、食事どころか水さえ拒むほどには嫌になるだろう。
通りでコイツの食が異常に細いわけだ……
納得はできたが、今はそれはいい。
「……で? その認識しかないから、アインにも休憩は必要ない、と……?」
「……っ!!!!???? ぅ……っ」
「って、おいっ!?」
ウスニーがジト目で確認すれば、びくりと震えたインスが嘔吐く。
慌ててウスニーはインスの手からアインを取り上げてクロードに渡し、ステールがインスの背を擦る。
そのままインスは吐き戻してしまうが、出てきたのは胃液だけ。
それでも吐き気は治まらないようで、目に涙を浮かべて暫く嘔吐き続けていた。
これにて、『群像短話を読み漁れ!③聖皇国列伝秘聞~休憩という名の授業・常識という名の思い込み~』、完結です!
最終話となる第5話では、アインを巡るおやつと休憩のすれ違いが、最も残酷な形でインスに突きつけられる瞬間でした。
ディオネラやウスニーに説教され、幼児に必要な休息の常識を初めて知ることになったインス。
しかし、その常識はインス自身の歪んだ幼少期の記憶と、アインに対する無自覚なスパルタ指導という、最悪のやらかしを浮き彫りに!?
自分がどれほど恐ろしいことをしていたのかを悟り、奈落の底へと沈み込んでいくインスの深い自責……。
大人たちの常識とインスの過去が交錯する、衝撃の幕引きでした!
そして明日からは本編第3部の裏側、番外編「皇宮呪師は護りたい!」の第11弾が公開開始です!
合わせてお楽しみいただけますと幸いです!!
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本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。
過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!
▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク
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【今後の連載スケジュールについて】
次回は明日22時から、番外編「皇宮呪師は護りたい!」の第11弾をお届けします!
毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!
【ミニコラム掲載中!】
活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!
【読者の皆様へのお願い】
「インスの幼少期がダークすぎるWW」「認識バグがこんなところでWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします!
【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】
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ノリト&ミコト




