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第五十話 飛行

 第三幕、開幕です!


 続きをどうぞ。

 目の前が徐々に明るくなってくる感覚がある。その明るさも程よいもので木と木の木漏れ日が視界に入ってくる程度だ。


 だが暗い中、生活していた二人には衝撃的とも言える光量だった。ダンジョンの中も暗いわけではないが太陽の前に出るのとはそれ以前の違いがあった。


「眩しー!」

「久々の太陽か」


 もうどれぐらいダンジョンに居たのかも覚えていないが結構な時間をダンジョンで過ごした事になる。


 さてさて、今居るアオト達の現在地と言えばただひたすら続く森林の中の一際大きい木の下である。そこにはうっすらと魔法陣が描かれていた。その形はピスの所で見たのと形状が酷似しているため、これを使えばもう一度あの場所に戻る事が可能な筈だ。


「じゃ、行くか」

「うんっ!」


 セリアに問いかけると元気いっぱいの声が返ってきた。


 だがある程度進んだ所でアオト達は気が付いてしまった。


 魔物の肉以外なにも持ってきていない事に。




 ―――――――――――――




 食料が心許ないことに気づいた二人はできれば今日中には町か村を発見したいと意見を一致させ、現在森を爆走中だ。


 とは言っても木々をすれすれなことろで避けているので木がばったんばったん倒れる事な無かった。


「ここどこなのよ」


 まだ全速力でないと言うかのように軽い乗りでセリアが尋ねる。


「異世界人にそれを聞くか?」


 アオトはアオトで地理を本で調べた事があるのだが百聞は一見にしかずでここがどこなのかさっぱり分からない。理由としてはこの世界でこれほどの規模の森林など十を飛び越して五十はあるからだ。


「それと……」

「それと?」

「方向大丈夫なの?」

「…………」


 方向などおかまい無しに走ってきたのだから答える事などできる筈も無い。


「仕方ないわね。飛ぶわよ」

「あいよ」


 いきなりとんでもない事をさも当然のように言ってきた。だがそこはチート? な二人。これまたさも当然のようにアオトも言葉を返す。


「《風域》」

「《飛翔》」


 アオトが使用したのは《風域》だ。ある程度の安定感と同時に速度も出るし、魔物が居ても風を操る事で容易に瞬殺できるスキルだ。


 それと比べてセリアが使用したのは魔法である《飛翔》だ。背中に透明な翼ができた感覚で空を飛ぶ事のできる便利な魔法だ。《風域》みたいにまわりの風までを同時に操る事はできないがセリアは魔法が使えるので然程変わりはないと見る事ができる。


 話は変わり、空から見た景色だがなんと言ったら良いのか……ただただ続く緑だろうか。それでも視界の端に途切れが見えるのでまだ行けない距離じゃない事が分かった。


 だが誤算もあるものだ。


 だって進んでいた方向が森の中心に向かっていたのだから。


「こっちじゃないの!」

「……」


 と、ぐちぐちと文句を言われたがセリア自身もその方向で納得していたのであまり責める事はできない。




 ――――――――――――――――




 数十分が経過した頃だろうか。ここまで一匹も魔物に遭遇しなかったが遂に遭遇してしまった。


 実際には飛んでいる鳥のような大きな嘴を持った魔物はまだアオト達に気づいていないので遭遇したとは言いにくいが遭遇するのは目に見えた事実だ。


 もう一度言おう。魔物が遭遇してしまったのだ。


「視界の先に魔物発見! 頂きー」


 アオトは飛行航路上に位置している魔物を《気配察知》でいち早く感知して撃退に向かった。


「ふっ!」


 “雷狼”を引っこ抜き、すれ違い様に斬りつける。その切り口は綺麗なまでに整っていることからもアオトの力量が測れる。そして無駄な時間を一切使わないまま《アイテムボックス》に収納。そして何事もなかったかのようにセリアの元へと飛ばして戻る。


「……何も言わないわよ」


 無言の間が空き、セリアはアオトの視線に返答するがどうやらその返答がアオトの望んでいた返答とは違ったらしく、口を開いた。


「いや、前方に敵の軍団有りってね」

「分かっているわよ! そんなこと」


 まだ視界に収めるには小さ過ぎるがそれでもセリアとて感知能力にも特化した人物だ。そんな事とっくに気が付いている。


「焼き払え。《炎の踊》」


 まるでセリアの手から踊るようにさっきの鳥と同種族の魔物の群れまで近づくと意思があるかのように一匹一匹焼き殺していった。それを一匹ずつ《アイテムボックス》に入れていくが丸焦げの魔物の死体などなんの価値もないだろう。


「…………なにも言わないぞ?」

「ええ、それで良いわよ」


 結局はお互いに化け物だという事を自覚させてその後は魔物との遭遇も無く、森を抜けた草原へと近づき、周辺に人が居ると面倒なので地に足をつけた。


 その目の前にはある程度発展していると思われる町が見えた。

 五十話を超えました! 思えばここまで長く……長く……長く……長かったような短かったようなそんな感じです。この何ともありきたりな小説を見てくださっている皆様には感謝が尽きません。


 有り難う御座います。この小説が続けていられているのはひとえにこの小説を見てくださっている皆様のお陰です。


 さてさて、この第三章ですが作者自身学園でのトラブルとかが結構好きなのでそこまで結び付けてればなあ、と思っています。つまりは準備って感じで結構大事な所ですね。設定をこの章でいろいろと作っていこうと思っていますので……(遅過ぎるだろ!?)。


 それと三章に入って直後に申し訳ないのですが試験週間に入ります。数日間(とか言っときながら勉強さぼって書いてるんだよなあ)投稿ができないかもしれません。これまでの経験上、無いとは言いきれませんので書けないとは言いきれませんが。


 とりあえず、この小説を読んでくださり本当に有り難う御座いました(まだまだ終わらないからねぇ!?)。今までが暗い感じが多かった気がするのでできる限り明るくしながら暗いのを混ぜていこうと思います。


 感想、ご指摘お待ちしております。

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