第四十二話 神生命石、そして探索
遅れて誠にすみません。
続きをどうぞ。
竜が去ってから数時間程時が経ったところでアオトは目覚める事となった。
「……生きてんのか?」
記憶の中では自分は確か片腕を抉りとられて大量の血を流した筈だが、と頭を上げようとするがごつごつした床で寝ていたためもあり最初の起き上がりは体中の痛みに断念してしまった。
顔を右腕に向ければそこにはやはり見慣れた右腕の存在はなく、そのかわりに大量の血が目にとまる。
「俺はなんで生きているんだ」
だが死の感覚はない。
遂に人間を辞めたのかと思いながら辺りをきょろきょろと見渡す。見えるのはごつごつした岩肌に、光を放つ光石。それと―――
「なんだこれ?」
壁は只の岩なのに地面は大量の神秘的な赤い白い光を放つ石。流石に辺り一面を覆う事が出てるわけではないがそれでも結構な数の石が目に入る。
ふと思い返してもこんな石はこの場にはかった筈だ。いくら恐怖心に飲み込まれようともこのダンジョンでは見た事のない赤色のものに気が向かない筈がない。
となるとあのときだが―――
「あー、あのでけえ竜のブレスでこっちまで石が転がってきていたっけ」
でかい竜=最後に出た竜=古代水竜と正式名称で言うのだがその古代水竜の放ったブレスで土竜の後ろの壁が大きく抉られる事となったのは確かだ。そしてその抉られた壁の石が周りに飛び散ってそれがこの赤い石だというのもこれまた真の話だ。
「《鑑定》」
どういう効果を持ったものなのかは分からないが十中八九この石が自分が生きている事に関わりがない事はあるまいと予想をつけ、物質名と効果を調べる。
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神生命石
遥か昔に地上でも発掘された事もあったが現在となってはそれも本当かどうか、そもそも存在するのかも分からない伝説の生命力の塊の石。触れた者の生命を輝きが失せるまで保ち続ける事ができる。光を浴びるだけでも効果がある。魔力を込める事で簡単に砕ける。その際に周辺に石の力が全て解き放たれ、範囲内の生命体の体力、魔力を全回復され、生命力を底上げする。尚、使用者は効果時間の間は余程の事がない限り死ぬ事はないが傷や欠陥は修繕できない。血を創り出す事はできるので大量出血で死ぬ事はない。レア度測定不可能
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「……」
あまりの事に心の中でも仰天してなにも考えれていないがさしずめ「こんなものがあっていいのか?」と「流石異世界鉱石……パネエな」といったところだろう。
「…………目でも狂ったか?」
頭の中では異世界ってなんでも有りなんだなと無理矢理納得するがどうやら本心からは納得できていないらしい。
地球では人殺しは重罪なのにこれを認めてしまうとこの手の平に収まる石一つで死ぬ事が難しくなるのだ。命の重さって何なんだとうと考えてしまっても仕方あるまい。
「分かっているんだけどなあ、でもなあ……。一応認めるという事でいいか」
こういう時の行動力は認めるものなのだろう。だがそうなると……。
「ここに落ちている全てが神生命石ってやつなわけ?」
そうなってしまう。命を救えるようなものが突然目の前に現れました、なんて言っても瞬時にどうするかを決めれる人間など両手で収まる程しかいないだろう。
「で、血を作るってどういう事?」
先程の問題は後回しにしといて先に違う疑問の回答を考える。
「て言うか創り出すんだろ? 作らせるんじゃなくて」
疑問を口に出しているのに魔物が近くに居ないおかげで発見されるようなことはない。これは《気配察知》で一度確認をとっているのでアオトも知っている事だ。
話を戻して、創り出すのであって血の巡りを上げるとかではない。そこのところを悩んでいるのだが生憎そんな不可解な事に正確な理論を付けれる程アオトの頭は良くできていない。
(ファンタジー鉱石だからで納得するしかないか)
この思考をここまでで切ったのも恐らくこのことを考えていても一生懸けても答えが見つからない気がしたからだ。
「とりあえずは……《アイテムボックス》」
スキル名を唱えるとアオトの左手付近に空間の穴が出現した。その中にある程度の神生命石を放り込んでいく。この中の時間は止まっているので神生命石の効力がいつの間にか無くなっていたとかの心配はいらない。只、異世界に来た頃のアオトは《アイテムボックス》にリュック二つ分程度の物しか詰め込めれなかったので苦労したものだ。と言うのも《アイテムボックス》は所有者個人の魔力に比例して大きくなっていくのでアオトの昔のステータスでは宝の持ち腐れだ。今となってはどこまであるかも分からない空間と豹変しているが。
「ステータス……計42個か」
取り出しも簡単でステータスからアイテムボックスの部分に集中するだけだ。これだけで中に入った物の名前で取り出し等ができるようになっている。そしてその42個だが40個はアイテムボックスに入れ、2個はズボンのポケットの中に入れてある。これは勿論右手からの出血で死なないようにするためだ。
「それにしても戻ったらシンマの野郎共を半殺しにしてジンもしばき倒さないとな」
尤もジンの居場所は知らないのだが。それでもあれだけの強さがあれば再会する事もあるだろう。
「んであの竜共を皆殺しにしてやる。ステータスが圧倒的に足りないのが問題だけどなあ」
そういえばでかい竜は自分に害を与えたどころか結果として救ってもらっているのだがと思い詰めもしたがどうせ魔物なんだからと割り切る事に決めた。
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「これは……扉、なのか?」
それからアオトは《気配察知》を上手く使い、魔物の気配があるところには近づかなかった。このスキルはある程度接近しなければ分からないが目視できる範囲以外の場所も確認できるし、なにより死角も全方位で確認できるのだから中々だろう。
そのことであの鳥はここの魔物ではないようなのであそこを登れば地上に出られるのだろうが恐らくその前に魔力が尽きて落下して死ぬことになるだろう。
前置きはこれ位にしておいて現在アオトは巨大な扉の前に居る。
「思い出した……伝説の“絶望の巣”だ、ここは」
遅れた理由は宿題等々が終わっていなかったり。最後の方までやらない性格なのですが(冷や汗)
さてさてヒロイン登場とか言っていましたが実は書いていたらいつもの話より長くなりまして、もう一時間後ににもう一度投稿しておきますので是非この続きも。
一時間のお別れです。お元気で!
感想、ご指摘お待ちしています。




