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第二十六話 再確認

 まさかの四連続です! 唯、短いです。はい。

 レンからサーシャの話を聞いている間アオトは沈黙を守った。


「そっか。そんな事があったんだな」

「うん。今思い出しただけでもサーシャに会いたいよ」


 震える声でアオトに愚痴る。


「それにしても……」

「それにしても?」

「…………サーシャさん優し過ぎだろ!?」


 アオトでも感動する程の優しさである。苦しみを知って尚人に優しくできるのは才能とも言えるのかもしれない。


「そこが取り柄だったからね」


 最早それしか言えないのも事実である。


(あー、今思い出しただけでもサーシャを殺した奴らを殺したくなってきた)


 いつも冷静な判断で動く事が多いレンが結構な感情的な判断である。


「レン、お前何故此処にいるんだよ!」

「なんでってサーシャの墓を守る為だよ。サーシャの所に行くのも良いけどサーシャの墓を守るのも大切な事だろ」

「お前……良い奴だなー!」


 此処だけの話だがレンが死んでから数百年は経っている。その間レンはこの迷宮を守り続けてきたのだ。


 そして、アオトのテンションがおかしいのは気のせいだろうか。


「まあ、ね……なのかな?」

「はあ、とここまでにしとくか」

「そろそろ行かなくちゃってことでしょ?」

「ああ、でもレン。お前は別にここに残ってサーシャの墓を守っていても良いんだぞ?」

「いや、行くよ。ここは僕とサーシャの家だから」


 本当を言うとここで残ってくれたならそれはそれで嬉しいのだが、と考えているのはレンの信念に反しているだろうか。


「ちょっと行ってくるね。またくるからサーシャ」


 別れのあいさつを告げると立ち上がり若干浮き出てきた涙を拭う。そして、サーシャの墓を一撫ですると自分自身をも励ますかのように笑った。


「行こう」

「勿論だ」


 これからの目的と意志を再確認できた二人はハイタッチを交わした。


「「くそ面倒い奴はぶっ倒す」」




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 サーシャの墓を離れた二人は結界の安全を万全にさせてから階段に向かってから走り出した。


九十九層のボスは何故だか知らないがいなかった。レンによるとここのボスだった魔物はレン自身と契約を交わしていたらしい。もしかしたら誰かと契約を交わしている魔物は使えないのかもしれない。


「兎に角先に進もう。サーシャの墓に速く行って手入れをしてあげないといけないし」

「お前はサーシャさんに依存し過ぎだろ」

「……今更だけどさ、死ぬかもしれない所にいくんだ。本当に良いのか?」

「本当今更だな」


 笑いながらそんな事を言っているアオト達は死ぬ所が想像できない。

 感想お待ちしてまーす。


 次回、人影の正体が!? ……明かされるかも?

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