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第十三話 バウンド

 うっ、頭の中が勉強と小説でいっぱいです。オーバーヒートするまでそう長くはないと思います。ぷすー。

 そんなあれこれがあったアオト達はそのまま魔物を吸い込む。と、その前にすばしっこい魔物のステータスを鑑定で確認する。




 ーーーーーーーーーーーーーーー




 垂れ耳獅子

 31歳

 種族 魔物

レベル 36

 体力 9232

 魔力 960

破壊力 4149

耐久力 903

魔耐久 905

素早さ 13544

 知能 250

  運 15


魔法適性 炎 光


スキル  瞬間俊敏(中) 能力変換


 称号 迷宮に潜り込みし魔物 俊敏な魔物 ステータス1000オーバー ステータス10000オーバー




 ーーーーーーーーーーーーーーーーー




「素早さが半端ないな」

「アオトが言ったら終わりだよ」

「そうか?」


 アオトの鈍感というより自分の強さがあまり分かっていないように見える姿にレンは少々呆れながらもふとこんな事を思った。


(垂れ耳獅子なんてモンスターが何故こんなところに……)


 そう。このダンジョンには元々垂れ耳獅子なんかは存在しないのだ。このダンジョンの創造主であるレンだからこそ気づく事ができる有り得ないような疑惑だった。


 そんなレンの考えに頭に?を沢山浮かべたままアオトは垂れ耳獅子を吸収する。


(これが何かの間違いでなったのなら良いけど)


 実を言うとここまでのダンジョンでのミスは全てレンが仕組んでいたものではないものの老化というどうしても逆らう事の出来ない事だったのだ。だがダンジョンの中の魔物の管理は違う。ダンジョンと言うのは魔物を服従させたりする力はないもののダンジョンの中の魔物は予め設定していた魔物しか存在できない。勿論魔物を使役していたのだとすれば不可能ではないがここまで来た者はアオト以外にレンは知らない。よってダンジョンのミスとも考えづらいし誰かが……ってことの考えづらい。


(となると……)


 と、いきなりレンが首をねじり、何か考え事をしている表情を一気に「まさか」とでも言うような勢いで顔を上げ、恐怖とも喜びとも驚きとも言えないような表情になる。そして、まだ続く通路の道をじーっと見つめ、何かが分かったかのように今まで歩いてきた通路を目を凝らして見つめる。


 結果としては―――なにも見つからなかった。


 だが、考えに考えて出た結論をそう簡単に切り捨ててほっておく事は出来ない。その結論とは―――


 自分のダンジョンの中にまだ僕の知らない人物が存在する?


 感覚から伝わるその考えは少し前から薄々気が付いていた。だが、それでもやはり自分が気づかなかった理由が分からない。いや、分からなかった。何故過去形なのか? その答えは―――


 もしかして自分を騙せる程の高度な気配遮断能力を持っている?


 これだった。まだ確証のかの文字も証明されていないが、これが本当なら今の事件に全て説明がつくのだ。実を言うと、本当にこの考えであっていたりする事もあったりする。


「レン、行くぞ」

「う、うん」


 この時もまたあの不気味な声が辺りに響き渡っていたのだがアオト達にその声が聞こえる事は一切なかった。


(気を配っといてそんはないかな)


 半信半疑ながらも注意深く自分の周りに気を配りながら急いでアオトの後ろへと移動する。アオトも化け物並のステータスがあればレンがしている程度の気配を察知するのはしているがレンが考えを持って気配を余分に探っていても損はない。


「それにしてもこのダンジョンは大丈夫かよ」

「なにも言えないところが苦しいところだね」

「まさかいきなり崩れだしたりはしないよな」

「それは流石にない……と思うよ」

「そこは言い切れよ」


 そうは言っているがレンが言い切れないのが現実なのである。ダンジョンは魔法や攻撃を受けてもびくともしない(限度と言うものがある)が老化については何とも言えない。それでも大量の魔力をフロア事に大気や壁が持っているので再生を繰り返ししているというシステムになっている。そのおかげである程度は安心なのだが……やはり100%有り得ないとは言い切れないのが現実なのだ。


「うひっ、うひひひひ」




 ーーーーーーーーーーーーーーー




「ここからが本当の九十層か」

「そうだね」

「って、長いわ!」

「ぶへっ」


 九十層の入り口に着くまで通路だけで10km程はあった。これはダンジョンが異空間となっているからここまで大きくなっているのだが、どのみちここまでの道のりは長過ぎた。


 そこで流石に腹が立ったアオトはレンをある程度の力で叩いて地面とキスさせている。


「うぐぐぐ……。うぐぐぐ」


 ……というか、顔だけが埋もれていて地面とキスするとかそういう問題じゃなくなっている。


「なんかすまん……」


 そう言って力一杯レンの足を持ち振り上げる。アオトはレンを地面から引き離す為にやった事ながら……。


「ぐへっ。ぶへっ……。やめてくれー!」


 予想通りレンはアオトの力一杯の振り上げを受けたせいで地面と天井でバウンドしまくっていた。


「ご、ごめん」

「謝るんならまず止めてくれよ!」


 レンが必死の形相でアオトに語りかけるがアオトは一向に動こうとしない。


「見ていて面白いな」


 と言うのがアオトが動かない理由である。


「そんな事言わないで止めてくれよー!!」


 必死に語りかけるだけでは駄目だと思ってレンはどの方向に撃っているのか分からないまま火玉の上位魔法の炎玉の短い詠唱をして連発する。


「うわっ、危ないだろ!」

「じゃあ止めてくれよ! じゃないとこのまま打ち続けるよ!」


 アオトからしたら別に普通の炎玉を何発喰らおうが効果はゼロに近い。だが、撃っているのはレンである。その炎玉が普通の炎玉と同じ大きさの筈がない。現に直径が普通が25cm程度のところが1m程もあって流石に邪魔で仕方ない。


「分かったから。分かったから魔法を撃つな」

「本当? って、どうやって止めるの? ……ぐへっ」

「うーむ。早めにしといた方が良さそうだな」


 そう言うと見に止まらぬ速さでレンに接近し、強く蹴り上げた。


「ぐへええええええっ!!?」


 まるで魔物の断末魔のような声を出しながら天井に突き刺さったレン。しかもぽたぽたと顔らへんから血が出てきている姿は中々にグロテスクだ。序でに今回も顔だけ突き刺さるという悲しい体勢になっている。


「ごめん」


 そう言ってアオトはまたレンを引っこ抜いたが……またバウンドしてというくだりになった。この後がどうなったのかは言うまでもないだろう。唯一つ言うとしたらレンの顔が血で塗られぼこぼこになっていたと言う事だろう。

 バウンドですよ。そして頭から突き刺さるんですよ。怖いですねー(笑)


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