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乙女ゲームの逆ハーレムが、こんなのだとか聞いてない。  作者: 浅春風花
第一章 ~幼少期~
9/9

7

十二月。

町はキラキラと光るイルミネーションで飾られ、親子でプレゼントの話をしたりしている。


「もうすぐクリスマスだ……!」

「そうだね、楽しみ!」


そう、クリスマス。まだサンタが実在すると信じているであろうこの年頃では、一年の一大イベントの一つだ。

他にもリア充がキャッキャウフフするとてつもなく鬱陶しい日なのだが、まあそこは置いておこう。


「私、正直お金欲しいな……」

「けんじつか?だね、みことは」

微妙に意味がわかっていない言葉を使うんじゃないぞ、兄よ。

まああながち間違ってはいないけどね。


今からお金をためて、将来自分のしたいことに使おう。うん。


「早く大人になりたいなぁ……」

「どーして?」

「んーっとね、あのーあれ、ほら、ね?」


高校生くらいになれば私の好きなキャラがでるだろうから、なんて言えるわけがない。

こそあど言葉を並べ、なんとか誤魔化せたけど、ボロは出さないようにしないとなぁ。


「そうそう!もうすぐクリスマスだね!」

「今がにじゅうにちだからー、25引く20で、5!」


まだ二十日はつかという言葉をしらないのか、兄よ。

そして残念だが、兄さんが期待しているようなサンタはいません。そんでもって、期待したプレゼントは65%の確率でもらえません。あー、でもこの年頃の子達にサンタはいるって植えつけるために期待通りのもん渡すかな?


まあ何だかんだいってクリスマスは結構楽しみなんだけどね。



24日。

クリスマスイブということで、うちでクリスマスパーティーが開かれた。

面子はお察しの通り、私たち阿ヶ崎家と水無月家。

いつものようにギスギスした空気――――というか奏也兄さんが一方的に怒っているだけだが――――ではない、楽しそうな雰囲気だ。私の思い過ごしかも知れないが。


「みこと!サンタさんからのプレゼント、楽しみだね!」

「うん!哉斗は何頼んだの?」

「えーっとね……秘密!」


ニッとはにかんだ笑みを見せる哉斗。さすが私の嫁。

私と会話しているのに嫉妬したのか、奏也兄さんが割り込んできた。いやあんたいつも家で構ってあげてるでしょ。


「おいかなと!この家にきたとゆーことは、わかってるんだろーな!」

「え?な、なんかルールでもあるの?」

「もちろんだ!まずあがさきけ条約ひとつめはぁー……」


どんな条約だそれ。というか哉斗も哉斗でそんな食いついてるんじゃないよ。

そして前世での兄さんのキャラとどんどんかけ離れて言っている気がする……。あんた誰だよってレベルに違うんですけど。


まあいいか。ある意味今日は平和だもんね。

もう眠くなってきたし、あの馬鹿二人につっこむ気も起きない。

子供の体だと9時には眠くなるのが難点だなぁ、もう部屋に行くのも面倒だし、今日はここで眠ってしまおう。



次の日の朝。私には毛布がかけてあり、その両サイドには兄さんと哉斗が眠っていた。

え、なんでこんな状況?少しうろたえたが、次の瞬間にはそんなことどうでもよくなっていた。


「ぷ、プレゼントだー!」


こんなことではしゃぐなんてまだまだ私も子どもかもしれない。

今の体で言いそうなことをいっただけなんだから、と、ツンデレのようにいいわけをしておこう。



ちなみに、プレゼントはリ●ちゃん人形でした。

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