卒業そして未来に歩く者達
ヤヤ達の中学生生活の終わる
「良い卒業式だったね」
智代の言葉に、雷華が頷く。
「そうだな」
エアーナが言う。
「ところで、皆さんは、進路は、どうしたのですか?」
智代が雷華と肩を組み言う。
「あたし達は、地元の都立高校だよ」
雷華が頷く。
「委員長は、国立に無事合格したし、エアーナは、国際学校だったよな?」
エアーナが頷く。
「はい。母国や日本以外の国の言葉や習慣を勉強したかったんです」
智代が褒める。
「偉い、ちゃんと未来の事を考えてるね。ヤヤもとっくの昔に私立に合格してるしな」
そんなめでたい空気に優子が引きつった顔で言う。
「皆さん、その話は、止めませんか?」
それに対して雷華が言う。
「何でだ、これからの一番大切な話だろ」
「そうなんですが……」
優子は、困った顔をして良美を見る。
智代が呆れた顔をして言う。
「そういえば、約一名まだ、高校が決まっていない人が居たっけ」
「五月蝿い、今日の二次試験の発表できっと合格してるから問題ないんだよ」
今まで黙っていた良美が怒鳴る。
そこに、電話をしていた較が帰ってくる。
「残念だけど、全部不合格だって」
重い空気の中、良美が大声を出す。
「やけ食いだ、ここのメニュー全部もってこい!」
困惑する店員にお金を渡して、料理を運んで貰っている較に智代達は、同情の視線を送るのであった。
「どうするつもり?」
帰宅直後の良美の母、鶴美の言葉に、良美は、視線を合わせないようにしていた。
その後ろで、食事に来ていた小較が言う。
「何にも考えてないと思う」
良美の妹、良華が頷く。
「絶対そうだよね。でも、あんだけヤヤさんに勉強を教わってて、どうやったら落ちるんだろ? 隣で聞いてたあたしでも合格できる気がするよ」
小較が小声で言う。
「ヤヤお姉ちゃんに聞いた話だと、いつもの態度で面接受けて、落とされてるんだって」
「納得」
良華が強く頷く。
「ガキども五月蝿いぞ!」
良美の言葉に鶴美が怖い顔をして言う。
「そんな偉そうな事を言える立場だと思っているの?」
良美が怯えた顔をしていると、較が前に出る。
「その件なんですが、一つ提案があります」
そういって較が封筒を取り出す。
「この中には、高等学校特別対策生徒の承諾書が入っています」
鶴美が首を傾げる。
「それは、何ですか?」
較が頬をかきながら言う。
「簡単に言うと極秘に問題がある高校に潜入して、問題を解決する生徒です。その生徒になれば、三年の活動で、高校卒業資格が与えられます」
鶴美は、中の書類に目を通してから言う。
「確かにうちの娘向きの内容ですが、一人でこんな事をさせるのは、心配です」
較が頷く。
「ですから、あちきもその生徒になって、一緒に行動します」
鶴美が慌てる。
「そんな、ヤヤちゃんは、もう高校が決まっていたはずじゃ?」
較は平然と言う。
「もう、入学辞退して来ましたから、気にしないで下さい」
鶴美は、較の手を握り締めて言う。
「本当にうちの馬鹿娘の所為で迷惑かけるわね」
較が笑顔で答える。
「お互い様ですから」
良美が手を振って言う。
「あたしの意見は、無視なのか!」
鶴美が笑顔でにじり寄り言う。
「そんな物が通じる状況だとでも思ったの?」
良美は、大人しく従う事にした。
こうして、較と良美は、高等学校特別対策生徒として高校生活を送る事になるのであった。




