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前世で裏切られたので王族との結婚は望みません  作者: gacchi(がっち)


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5.一緒に暮らそう

学園長室を出た後、研究室に向かうけれど、

私の後ろをぴったりとついてくるユリアス様が怖い……。


もくもくと歩くのも怖いけど、私との身長差がありすぎて、

自分の後ろを大男が歩いているのがどうしても怖い。


恐る恐る止まって振り返ると、ユリアス様が不思議そうに見下ろしている。

わぁ、やっぱり大きい。身長差、どのくらいあるんだろう……。


「あの、ユリアス様、横を歩いてもらえませんか?

 後ろにぴったりつかれるとちょっと怖いです……」


「あぁ、すみません。護衛していた癖で、つい」


癖で。あぁ、フレッド様の後ろについていた癖ってことね。


注意されて照れ臭かったのか、あごをなでながら横に移動してきた。


横を歩いていても身長差はもちろん変わらないので、

見上げることに変わらないのだが。


怖くはなくなって、ほっと息を吐いた。


「ユリアスって、呼び捨てにしてくださいね。ロージー先生。」


「えぇ……急には難しいです。頑張りますけど。

 じゃあ、ユリアス……も普通に話してもらえます?

 どうしても違和感がすごくて」


「一応、先生と生徒なんですけど?」


「研究室付きは普通の生徒とは違うから。

 他の先生たちみたいに年齢差があるわけじゃないし、

 話しにくいまま仕事するのは嫌だわ」


こうなったら私が先に口調を変えなきゃだめだなと思い、普通に話してみる。

それに驚いたようだが、すぐに反応してくれる。


「それもそうだな。じゃあ、よろしく。

 あぁ、ロージーと呼んでいいか?さすがに授業中は先生って呼ぶけど」


「うん、そうしてくれると助かるわ。よろしくね、ユリアス」



研究室に入ると、まだ荷物が少なく広々としている。


これから学生が立ち寄ったり、

研究室付きが増えたりすれば手狭になるのかもしれない。


まだ授業も始まらず、生徒もいない。

私とユリアスだけの空間は広く感じて、声が反響する気がした。


「さて、ここが研究室。奥は居住区になってるの。

 ユリアスはいつ越してくる?」


「は?越す?」


「ん?研究室の奥が居住できるようになってるの知らない?」


「……知らない」


「私もそこに住んでいるし、

 研究室付きなら、ユリアスの部屋もそこになるんだけど?」


「はぁぁああ?一緒に住むって、マジで?」


「説明されてなかったのね。本当よ。

 案内するからついてきてくれる?」


「えぇぇぇ……」


研究室の奥へと続く廊下の突き当り、一番奥の部屋が私の部屋になっている。


講師が使う部屋なので、一番広く中にはトイレや浴室もあるし、

今のところ使ったことは無いが料理ができる家具もついている。


その手前に両側に二つずつ部屋があり、

この研究室では私の他に四人まで住むことが可能だ。


そのうち忙しくなったら子爵家からミラーを連れてこようと思っていた。

最初から侍女を連れてくるのはさすがにこれだから貴族はと言われそうで、

とりあえず一人で生活している。


まさかこんなすぐに研究室付きを雇うことになるとは思っていなかった。


「一番奥が私の部屋。この四つの部屋のどこを選んでもいいわ。

 どれか自分の部屋って決めて、荷物を運んでね。どこにする?」


「……」


「決められないなら、私が決めてしまうけれど?」


「いいのか?令嬢が男と一緒に住んで」


「あぁ、私は令嬢として生きることは捨てたの。

 学校長もわかってるから、ユリアスを紹介したんだと思うわ。

 それに護衛も兼ねてるって言ってたでしょう?

 逆に一人で住むのが危ないって思われたんじゃないかしら」


「……なるほど、ロージーの護衛か。わかった。じゃあ、隣の部屋にする」


護衛って言うと想像しやすいのか。

フレッド様にしていたみたいに護衛されるのはごめんだけど。


ユリアスは私の部屋の隣を選ぶと中に入って行った。


ほとんどの家具はそろっているはずだから、

服とか必要な物だけ運べば生活出来るようになっている。


もう家を出ていることもあって、荷物を持って入学してきたようだ。


荷物を取りに行ったユリアスが戻ってくるのを待って、

二人で食事にして共同生活が始まることになった。






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