#10「普通の幸せ」
——あの公園での襲撃の後。
僕たち2人は警察への事情聴取と神楽銀財閥の親族達への早急な事情説明に追われていた。
僕たちは、警察に今回起きたことから過去のことまで全てを話した。
そして間もなく、神楽銀財閥の財閥全体の警察の取り調べが始まった。
そして同時に、テレビでの報道も始まった。
……だが、あの神楽銀豪らが運営している財閥だ。
どうせ証拠を隠蔽したりして色々と長い戦いになるだろうと予測していた僕たちだったが——、
——予測は外れる。
すぐに神楽銀財閥のトップは今回の襲撃事件の原因を認め、謝罪会見を開いた。
(あの、神楽銀財閥が……このスピードで謝罪……?)
この財閥の即急の謝罪対応に僕は違和感を感じた。
だが……、
(まぁ……早急の謝罪に越したことはないし、流石に僕の気にしすぎか。)
と、すぐに僕はこの件について考えるのをやめた——。
——5日後。
僕ら2人は……
「……なんでまた僕にくっついて登校してるんだよ、紗綾……」
「いいじゃん〜♪」
仲良く(?)2人きりで登校していた。
学校が近くなっていくにつれ、同じ学校の生徒達がちらほら見えてきた僕は、紗綾にこう言う。
「……はい、もう他の生徒達がちらほらいるし離れるぞ」
「……知ってた?」
「……?何がだ?」
「テレビでの報道以降、私たちが「付き合ってる」って噂w」
「は!?なんでそんな噂が……!?」
「なんか丁度現場近くを通りかかったゴシップ記者が私たちの甘い会話とか仕草を隠れて見てたらしくてさ、そこから変な噂が広まったみたい」
「なんでそんな面倒くさいことを……てか甘い会話とかしてねぇ!」
「あれあれ照れてるのかな〜?」
「なんでそうなるんだよ!?」
「だって顔赤いよ?藍都」
「……?んなわけ……」
そう言いながら、僕はスマホのカメラで自分の顔を見る。
「……?なんで……」
言われた通り、僕の顔は赤かった。
僕はいつの間にか……紗綾のことが、
好きになっていた。
……だけど。
「……今日は暑いからな。少し熱中症気味になっているのかもしれないな。」
「……はいはい、そういうことにしておくよ♪」
これでいい。
無理に今以上の関係になる必要なんてない。
僕は紗綾との再会で「普通」という幸せを知ることが出来た。
これ以上何を求めるというんだ?
僕はこの上ない「普通」という幸せを噛み締め、これからも人生を過ごしていく。
というハッピーエンドで終わる、
と僕は思っていた。
だが……この幸せな気持ちとは裏腹に、何故だか分からないが、胸騒ぎがして落ち着かない。
この胸騒ぎは一体——?
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——さて。
君は、いや……君たちは、
「第7話」の最後を覚えているだろうか?
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『そう。今のPTAの会長は——』
——『神楽銀 奈那。神楽銀 豪の母親だ。』
『……ふふっ、そうなんだ。』
『……?うん。』
この時、僕は紗綾の返答が少し、いやかなりおかしく感じた——。
《あの時、気づかないふりをしなければ、運命は変わっていたのだろうか。》
《……いや、あの時に僕が動いたところで時すでに遅かっただろう。》
今頃、考えても仕方が無い。
——もう、僕は死ぬのだから。
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……まだ、この文章の意味がまだ解き明かされていないではないか。
そう。
物語は、まだ続くのだ——。
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——「ふふっ……♪さぁて……」
もうそろそろ、「頃合い」ね。
私は、心の中でそう呟く。
【「君がいてくれたから、僕がいる。」第2章、始動。】
【coming soon】




