5章 1部「王都攻略戦4」
「お久しぶりです。ヨイチ様」
「久しぶりじゃの、元気にしておったようで何よりじゃ」
直接の召喚主は現王になるユイト。
だが、召喚を提案したのは、このヨイチだ。
「して、我が国の盾となりうる男が何故牙をむく? 」
と、反乱の真意を問うてきた。
「盾とはずいぶん買ってくれているようで嬉しいよ。最後に捨てられるのを除けばな」
「何のことかね?」
「俺たち召喚者は、時期が来ればいつか死ぬ。そうだろ?
そしてわざわざ召喚者を送り返すより、最後は何かの実験台として処分するってのは目に見えてる」
その言葉に、はっはっはと笑うヨイチ。
「そんな薄情に思えるかね?」
「あんたがしなくても王様はそうとはいかないだろうからね」
そう言い、銃に着剣する。
「はっはっは、そうではない可能性を自ら潰したのはユイト、貴様だぞ」
ヨイチも魔法で手元に土が集まってくる。
やがてそれは固まり、大きな推へと形が整う。
「俺の未来。返してもらうぞ」
そう言い銃を構えるユイト。
「貴様は十分その責を果たした。その未来とやら、終わらせてやろう」
少しの間が流れた。
そして、ヨイチが突撃してきた。
すかさず、銃を撃ったユイト。
しかし、弾道を読まれていたのか推で弾かれる。
「ぬうぅ、りゃあああああああ!! 」
と、渾身の一撃を左肩から袈裟切りのように振り下ろすヨイチ。
すんでのところで仰け反りながら躱しそのままバク転で体制を整える。
体制を整えたら、今度はユイトが銃剣をヨイチの喉元めがけて突き出す。
しかし、それも躱されてしまい、今度は横から薙ぎ払うように推を振り回す。
今度は避けずに、銃でそれを防ぐユイト。
つばぜり合いになる二人。
しかし、ここでユイトがヨイチの腹に蹴りを入れる。
少しだが間合いができ、すかさず銃剣で急所を狙う。
しかしこれもすんでのところで躱され、銃剣の間合いのギリギリ外へ出る。
射撃のチャンスではあるが外せば対応が遅れて命取りになる。
そんなギリギリの間合いを維持している。
「いいのか、仕掛けてこなくて」
そう挑発すると、ヨイチはこう答えた。
「そういう君も、撃ったらどうかね」
見切る自信はあるようだ。
指をかけていた引き金を、引いた。
それに反応して、ヨイチは推を盾にしようと体の前に持ってきた。
射線上に推はきちんと配置されており、弾を弾ける。
はずだった。
だが、銃に装填されていたのは通常弾ではなく散弾だった。
推には複数の玉が命中した。
だがすべてを防ぎきれず何発の銃弾がヨイチの体をかすめた。
後ろにヨロヨロと二、三歩後ずさりするヨイチ。
そして、膝から崩れ落ちると
「ぁぁぁああああああああああああああ!?!?!?!?!?」
と、白目を剥いて、叫びだした。
叫びながら、手を空に掲げ何かをつかもうとしている。
「ああああうああああああああ、ぁああああああっぁあああああああ」
叫んでいるのヨイチを見ながら、ユイトはヨイチの脳天に大きな風穴を開けた。




