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前髪に優しく触れて顔を上げたら
「ん……」
小さく声を漏らしながら、彼が伸びをした。
起こしちゃったかな……って申し訳ない気持ちになったけど、起きちゃったものは仕方ない。
シーツを手繰り寄せて、少しだけ距離を開けて
「おは、よ?」
小さく声をかけると
「おはよ」
まだ少し眠たそうな声で、カチャリとメガネを取りながら彼から返事が返ってきた。
いつどんな時も、必ず私に返事をくれる彼。
そんな姿勢が、好きだって思う。
最近思い出した。
貴方が初めて私の前に現れた時、カッコいいなって思ったんだったって。
どうしてそんなこと忘れてたんだろうって思って、あぁそうだって思い出した。
私はあの時も。
キミを想うよりもずっと昔に、彼のことを諦めたんだったって。
カッコいい彼がモテるのなんて時間の問題で。
ただの幼馴染的位置になった私は、あっさりとその気持ちを捨てたんだったって。
その後はずっとキミを想ってたから忘れてたんだけど。
何よりまずはじめに諦めたのは、貴方のことだったかもしれない―――なんて。
弱すぎる自分を思い出した。
恥ずかしすぎて、いつの間にか心の奥底に封印してしまってた。
でも、それが……
こんな形で結ばれる日が来るなんて、思いもしなかった。
だから、ね?
私、きみのこと諦めたくないんだけどな。
もっともっと、ちゃんと結ばれたい。
傍にいたいの。
今度こそ、諦めたりしないから―――
私たち、ちゃんと向き合いたい。
大好きだから、
もう
たまらなく
貴方が愛しいから……
寝転がったまま私の腰に手を回す彼。
その寝ぼけたままの甘えた様子にクスリと笑みが零れる。
「どうしたの?」




