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 傍にいればもしかして、なんて甘い期待は無残にも打ち砕かれてキミの目はいつも違う女の子を見ていた。


 

 隣に居るのは私。



 貴方の傍にいるのは、私なの。



 そんな思いを込めて見つめると、キミはいつも笑顔を私に向けてくれた。



 一瞬でもいい。



 この一瞬を独占出来たらそれで良いって思ったから―――




 本当は、彼女の方もキミを想っていることに気がついても、そして私がそんな二人を邪魔していることに気がついても。



 私は彼との関係を止めることが出来なかった。



 周りから自然と、お似合いのカップルだねと言われる優越感を手放せなかった。



 優しく笑う彼の笑顔と、握りしめてくれる手の温もりを離したくなくて。



 彼の優しさを利用して3年間、彼を縛りつけた。




 だから、罰が当たったんだ。


 本当は好きだったくせに。



 ずっとずっと、キミが大好きだったくせに。



 最後の最後まで好きだと言えなかった。



 それだけは、言っちゃダメな気がしてずっと隠してしまった。



 清らかな関係。



 本当に手を繋ぐ以上のことがない「フリ」の彼氏彼女の関係。



 キミはそれを甘んじて受け入れてくれて、そして私に付き合い続けてくれた。



 そして、卒業式の日。



 ―――最後に、最後にこれだけは言いたい。



 そう思ったのに臆病な私は最後まで逃げてしまった。




 『ねぇ、最後にキスしてくれない?』




 キミは私を見て、苦笑いして。



 そして―――



 


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