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3

 ――――――



 「まさか、来るなんて思わなかった」



 昔と同じままの優しさをまとった彼が、近くのコンビニの前で缶コーヒーのプルタブを開けながら言った。



 「うん、私も」


 「なんだよそれ」


 

 私の意味不明な返答にカラカラと笑う彼。


 

 それに、クスリと笑って



 「本気で自分が動くと思ってなかった」



 と漏らして、ご馳走してくれたカフェオレを飲んだ。



 「衝動的って言うのかな……来るって聞いたら、無性に逢いたくなって。自分が呼ばれた同窓会でもないのに。なんか邪魔してごめん」



 とりあえず思いついたことを捲し立ててぺこりと頭を下げると、彼は昔と同じ、少しだけ苦みを帯びた笑顔を見せた。



 「いいよ。どうせ一次で帰ろうと思ってたし。俺も、思い出してたとこだから」



 って、言ってくれた。



 「え?」


 「いや……うん。なんか、思い出してさっき。元気かな? って思ってたとこ。そしたら現れるからさ、ビックリした」


 「うっそだー」


 「ほんとだって」



 昔と同じように二人の目が合わさって、一拍おいて一緒に笑った。



 この空気が好きだった。



 彼との間に流れる、この柔らかな空気が。



 「どう、元気?」



 一頻り笑って、彼が一息ついて私に尋ねた。



 「うん……まぁ……」



 フラれて傷ついてたところ―――なんて言えなくて、言葉を濁す。



 それが、貴方に会いたくなった原因だなんて、勿論口が裂けても言えない。



 だって彼はもう……



 「そっか。俺は……」

 

 「結婚、したんでしょ?」


 「あぁ」



 今までに見たこともない、一番優しい笑顔を私に向けてくれた。


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