世界に歓迎されし者
遅くなりました!
ユラは、ため息を吐き出して座る。今回は、ユラの部屋ではなくお客様を案内する部屋だ。
「僕は、カリオスを見た時にうっすら死神が見えた気がしたんだ。しかも、目が赤く光った死神が。ちなみに、その時の僕は人間だったよ。そしたら、頭に鎖と光のイメージがして………。鎖は、契約を意味する。光は、生命=魂を意味する。そこから、魂の契約……主従契約が導き出された。」
すると、初代は嬉しそうに笑い主神は驚きに目を丸くする。カリオスは、青ざめて黙ってしまう。他のメンバーは、頭が真っ白になる。
「やっと、見つけた……。」
初代は、そう呟くとユラに言う。
「ユラ君は、その力を認識してないようだね。」
「初代、それの事をユラに話せば許しません。」
主神は、牽制するように初代を睨む。
「うーん、他にも君は認識してない力があるね。」
初代は、無視する。ユラは、首を傾げる。
「別に、認識しなくても大丈夫では?」
「それは、僕が困るんだよね。」
その声は、少しだけ低く呟くように言う。
「っ!?ユラ、少しだけ席を外せ………。」
ユラは、キョトンとして頷いて部屋から去る。
「この世界は、ユラ君をこの地に縛りたいと思ってるみたい。だから、彼に干渉者の力を与えた。他にも、彼には世界の結晶が継承されてるかもね。」
世界の結晶とは、おとぎ話に出てくる結晶だ。それが、全て破壊されると世界は力を失い消滅する。なので昔から、その結晶を守る役目を与えられた神が居たのだ。それが、初代神………クリュセトである。
クリュセトは、役目を継承されるまで死ぬ事は許されなかった。つまり、不老不死だったのだ。
「ですが、継承をいつの間に………。それと、認識したらユラは死ねなくなる。それに………」
「まだ、彼を異世界に帰したいと思ってるの?」
初代主神クリュセトは、暢気に笑ってから紅茶を飲んでいる。勿論、ユラの前世の記憶も見たので分かっていた。あれが、神の干渉によるものだと。
「…………ユラは、望んでこの世界に来た訳じゃないんです。しかも、ユラは………榊 暦は、神々の悪戯で狂った友人に殺された。調べて、異世界に干渉した神が居たのを知ってて平然としていられる程………俺は、メンタルが強くありません!」
「でも、彼は異世界に未練は無いんだよね?」
主神の言葉に、思い出すようにクリュセトは言う。
「それは、ユラが真実を知らないからで………」
「いいや、彼は知ってるよ。事実、彼の記憶を見たけどさ。彼は、15歳の時点で知ってた。けど、彼は敢えて素知らぬ振りをしていた。」
主神は、目を丸くして固まってしまう。カリオス達は、会話の意味を理解して息を呑む。
「そして、これは僕の勘だけど……もう、帰れない事を悟っていると思うよ。彼は、言わないけど。」
「ヴァイス、ユラを呼んできてくれ。」
ヴァイスは、無言で頷くとユラを呼んでくる。
「それで、お話は終わったのですか?」
「ユラ、お前のステータスを見せてくれ。」
「えっと、分かりました。」
主神は、ステータスを見る。
いつもと同じ、変わりの無いステータスである。
すると、初代が来てユラの肩に手を置く。ユラは、力が入らなくなり膝をつく。すると、ステータスが変更された。ユラは、何処かボーッとしている。
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名前:ユラ・フリーデン(※榊 暦)
種族:神族・竜神(※元人間)
神名:ハイリヒ
年齢:3601歳(※35歳)
HP:測定不可能
MP:測定不可能
スキル
料理Lv.MAX・剣術Lv.MAX・体術Lv.MAX・暗殺術Lv.MAX・魔術Lv.MAX・精霊術Lv.MAX・召喚術Lv.MAX・神聖術Lv.MAX・古代術Lv.MAX・自動通訳術Lv.MAX・投擲Lv.MAX・隠密Lv.MAX・神聖眼術Lv.MAX・派生術習得Lv.MAX・回避術Lv.MAX・呪術Lv.MAX・馬術Lv.MAX・調薬Lv.MAX・採取Lv.MAX・錬金術Lv.MAX・調合術Lv.MAX・鑑定…Lv.MAX……等々
称号
【竜神の恩恵】・【竜神の祝福】・【竜神を救済せし者】・【主神に目をつけられた者】・【竜神の友】・【竜王の恩恵】・【竜王の祝福】・【竜王の友】・【竜王の主】・【森の賢者】・【医療の先導者】・【主神と竜神の子】・【神王】・【全ての祝福を受けし者】・【全て神々の愛し子】・【エルフの友】・【人間の友】・【獣人の友】・【悪魔の友】・【吸血鬼の友】・【精霊の友】・【天使の友】・【天使の眷族】・【竜の眷族】………等々
新しい(隠された)称号
【干渉者】
【世界に歓迎されし者】
【世界の結晶】
【世界の8柱を従える資格者】
【日向に認められし者】
【白夜に認められし者】
【結晶を使う事を許された者】
【戻れぬ異世界人】
【不老の王子様】
【運命を覆す者】
【世界に捕らわれし者】
【不屈のイレギュラー】
【ジョーカー】
【光と闇を背負いし者】
【全知全能を与えられし神】(※封印済み)
以上
※全ては、内容が多いため写せません。
※スライドして、スキルや称号の詳細をご確認ください。なお、新しい称号の詳細は表示されません。
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初代は、ユラにもう一度触れるとユラは気を失う。
「やっぱり、帰れないみたいだよ。」
「この際、責任を取って俺が殺すべきか?」
主神は、苦々しく呟くが初代は苦笑する。
「それは、酷くないかい?君は、彼を生かしておいて殺すだなんて。にしても、彼が世界の結晶なら僕は側に居ないといけないね。まさに、護衛対象。」
カリオスは、頭が痛そうにしている。
「ユラは、王宮に居るべきじゃない………。」
「後ね、彼には今まで通りに過ごして貰うよ。彼の自由を奪えば、世界を敵に回す事になっちゃう。」
そこで、全員が青ざめて納得してしまった。
ユラは、目覚める兆しがない。
「そう言えば、化け物はどうなったんですか?」
「ある程度の、ダメージを喰らうと扉に引きずり戻される。だから、深い眠りについているだろう。」
主神は、そう呟きその場で解散となった。




