表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/115

お姉様キャラ

ユラは、黒いブラウスに白いスカートを着ている。黒いタイツに、茶色の戦闘用革靴をはいている。髪は編み込みを入れ後ろで紫のリボンで結んでいる。


最後に、眼鏡を掛け王宮医療班の白衣を着る。


ヴァイスが、香水を持ってきた。しかし、香水は貴族の証でもある。平民が、香水を使うのは婚活や結婚の時だけ。あとは、娼婦が使うくらいなのだ。


なので、ヴァイスには悪いけど使わない事にした。一応、貴族が多い学園なのだが念のためにだ。ユラは、香水をヴァイスに返している。すると、メイドが化粧道具を持ってきた。学園に行くのだ、余りハデな化粧は控えナチュラルに程よいメイクを要望。


さすが、王宮から引き抜かれたメイドさん。メイクも、凄く丁寧でムラがなくてぎわも良い。


「ご主人様、化粧が終了致しました。」


「ありがとう。さすが、元王宮のメイドさんね。」


ユラが、そう純粋に笑えばメイドさんは嬉しそうに笑う。そして、髪を見てから真剣に言う。


「ご主人様、編み込みポニーテイルで行かれるのですか?少し、服装と合わないので…………」


と言うわけで、髪を下ろして編み込み直す。


「ごめん、遅くなったよ。」


クルトは、そう言ってユラを見て固まる。


「ん?クルト、どうし………」


オズは、固まったクルトを見てからユラを見た。


「おはよう、それじゃあ行きましょうか。」


「ユラ、なのか?」


「そうだよ、よろしくね2人とも。」


そして、着いたけど………だらしない。


「それでは、初めまして皆さん。私、エリザ・スワンですわ。王都では、医者をしていますの。」


「うっさい、早く出て行けよ!」


ユラは、ため息を吐き出してから言う。


「あら、だらしない。ウルティマ様の、娘だとは思えませんね。それでも、上級騎士階級の娘ですか?余りに、見苦しくて可哀想ですわね。」


ユラは、全ての生徒の事を調べている。ちなみに、ユラは伯爵の令嬢という設定である。


「何だと、クソババア!」


「あら、習わなかったかしら?目上に、喧嘩を売る事の無謀さを。口には、お気をつけなさい。私ですから、スルーしますけど。場合によっては、貴女の首ひとつでは済みませんのよ?貴女は、関係ない大好きな弟の未来まで奪うつもりかしら。ここでは、貴族との対話や礼儀も教えて貰うわよね?もし、本当に聞いてないなら……ちゃんと、習うべきだわ。」


ユラは、本当に真剣に言う。そして、心配そうに締め括る。すると、一部の生徒の目の色が変わった。


「やれるなら、やってみろクソババア!」


「ちなみに、私は伯爵令嬢なのですが。本当に、動いてしまえばウルティマ様は職を失い爵位も失いますわ。弟は、路頭に迷うか奴隷になるでしょう。貴女は、死刑になり両親は貧相な生活になりますわ。さて、もう一度言いますわ。良いですの?」


すると、全員が青ざめた勿論だがあの娘も。


「卑怯だ!爵位を盾に、恐喝するだなんて!」


「貴族社会は、基本ですが爵位が全てですわ。私のやる事が、遊びと思えるほど貴族社会を生きる者は容赦が有りませんの。ですから、その時に失敗して全てを失わないように、私は言ってるのですわ!」


これは、本当の事だ。ユラも、貴族社会で生きているので、そんな汚い事を知っている。


思わず、感情が高ぶり最後は強く言ってしまう。


その表情は、悲しみに辛そうに俯く。全員は、思った。この人は、本当に私達の事を思って必死だと。


「あの、エリザ先生。先生は、何故そんなに?」


「男性には、女性を道具として見る方もいますわ。基礎さえ、学園で習えば後は経験で、嫌でも貴族社会の闇を知る事になりますわ。知っていれば、危険や裏の貴族などの対応なんて簡単に出来ますのよ。学園は、容赦も慈悲もない貴族社会を、生きる術を習う場所でも有りますの。勿論、全てが全てとは言いませんわ。ですが、顔見知りの方が少しでも幸せになるため頑張って習いましょうね。」


すると、全員が頷いて………


『よろしくお願いします、エリザお姉様!』


そう言うと頭を下げた。


「ええ、よろしくお願いいたしますわ。」


「エリザお姉様、今日の授業はダンスからです。」


えっと、何故にお姉さま?まぁ、良いけどさ………。


ユラは、優しい笑顔で頷いてから言う。


「では、着替えて体育館に集まってくださる?」


『はい!』


全員が、更衣室に向かったのを見てため息をつく。


「お疲れ様、本当に凄かったな。さすが、ユラ。」


「まさか、本当に令嬢達に溶け込むなんて。」


オズとクルトが、称賛の声をかける。


「何で、先生からお姉さま?」


「「さあ?」」


ユラは、魔法で緑のドレスになる。髪がほどけて、新たに違う編み込みがされる。ユラは、呟く。


「さすが、小人族の精鋭。ありがとう………。」


すると、ユラの肩にちょこんと小人が座り笑う。そして、魔法を使ったのか姿が消えたのだった。


ユラは、体育館に入り少し困った。何故なら、ドレスに差が有りすぎるのだ。体育服の人も、いるし。


ユラは、肩に現れた小人を見る。任せろと、胸を張る小人を見てから異空間干渉を許す。すると、テンションが上がる小人達。ユラは、小さく呟いた。


「小人さん、お願いね。」


すると、布やリボンが空を舞い直ぐに全員に新しいドレスに変わった。ちなみに、古いドレスは綺麗に畳んで置いてある。ユラは、自分の古い鱗を小さな袋に入れた物を渡す。小人は、驚くと嬉しそうにはしゃいで袋を持って完全に帰った。


「これは、私からのプレゼントですわ。女の子だもの、可愛く着飾ってもよろしいでしょ?」


ユラが笑って、お茶目に可愛らしくウインクする。すると、生徒達は何故か女性なのに黄色い声で『お姉様ぁ~!』と言っている。少し、怖いので………慌てて軌道修正しようとする。


「では、2人グループを作って、男役を片方にして貰いましょう。では、インクスさん前へ。先ずは、私とインクスさんで手本を見せますわ。」


そう言うと、音楽を流して踊る。


「では、皆さんも実践してみましょうか。」


ユラは、笑顔で生徒にダンスを指導していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ