ユラは、街を歩いてみた。
さて、高級な宿屋に着いた。うーん、大会まで時間がある。大会は、8月25日から28日まで。でもさ、早めに行くとはいっても早く到着し過ぎた。今日は、8月4日だよ?まだ、21日も暇だよ。
まぁ、パーティーとかお茶会とかあるけど。僕は、名誉貴族だから関係ないんだよね。けど、招待が何件かある。面倒なので、お断りを続けているけど。
今日は、残念だけど外には出れない。だけど、嬉しい事に部屋にはキッチンがある。執事が、ここで紅茶とかを入れる為。さて、執事であるヴァイスが4日後には到着する。そうなれば、キッチンは使えないだろうし。うん、楽しんでレッツ クッキング!
読書も良いけど、お料理もしたい!
とっ、作ってみたけと。あはは、作りすぎた………。まぁ、異空間にしまえば時間は停まるし大丈夫!久し振りで、楽しくて我ながらはしゃぎ過ぎた。唯一の救いが、誰もはしゃいだ僕を見ていない事だね。
明日は、買い物とプレゼントを買ってお料理だ!
コン コン ノック音がして、振り向くユラ。
このノック、カリオス達では無いね。ユラは、少しだけ迷ってからドアを開ける。すると、可愛らしいチビッ子達が見上げて来る。かっ、可愛い………。
「えっと、僕に何か用かな?」
ユラは、チビッ子達を怖がらせないように目線を合わせる。そして、優しく穏やかな笑みを浮かべる。
「違うの、美味しそうな匂いだったから。」
「ケビンが、行こうって言ったんだろ!」
ユラは、喧嘩するチビッ子達にクッキーを小皿で一人ずつ渡す事にした。嬉しそうな、チビッ子達を見送った。そして、部屋に戻ろうとして固まる。
カリオスとレオが、微笑みを浮かべて見ていた。
うわぁー!見られた?これは、見られたよね!?
「ユラは、子供と動物には無償で優しいよね。」
「さすが、見習うべきだな。」
ユラは、顔を赤くして恥ずかしがる。
「何か、最近のユラのキャラが可愛い件。」
「そうだな、少し天然要素が入って更にな。」
ユラは、ため息を吐き出して話題を変える。
「それより、2人は夜のパーティーは?」
「うん、さっきの子供の親達がね………。」
なるほど、彼らが居ない事に気付いてパニックになったと。でも、帰って行ったし大丈夫かな。
「ユラ、夜のパーティーに行かないの?」
「うん、面倒だし。クルトとオズが、入れば護衛も大丈夫だし。冬馬も、いるでしょ?」
ユラは、苦笑してから言う。
「あっ、ごめんユラ。国王陛下から、伝言を預かっているよ。ユラ・フリーデンを、今夜より名誉貴族から昇格させ侯爵にする。だけと、何かを強制するつもりは無いよ。他にも、侯爵は居るし。」
「待って、侯爵って公爵の次に偉いじゃない!」
ユラは、動揺している。カリオスは、苦笑するしてレオはユラをなだめる。
「あのね、君は王宮医療班の副団長でしょ?するとさ、それなりの地位に上げないと、他国にバカにされちゃうんだ。ちなみに、地位を侯爵にしたのは理由があってね。レレット王国の守護神だと、ユラの事をラメルがルピア陛下の前で口を滑らせたから。君に逃げられたら、困るから貴族達からも反対は無かったそうだよ。たぶん、ラメルはわざとだね。」
「ちなみに、説教と愚痴は後で受け入れるそうだ。それと、自由を奪う気は無いと。国を守る為に、力を尽くしてくれてるのだから当然とも言ってた。」
ユラは、ため息を吐き出した。国々では、名誉貴族から侯爵になったユラに注目がいってるらしい。
しかも、ユラは滅多に人前には出ない。なので、顔も知らない若者の大出世に世間は騒いでいるのだ。ユラは、落ち着いてから手紙を思い出す。なるほどね、見せ物が欲しいが為の招待状か。
うんざりだと、言わんばかりに不愉快そうになる。
「後ね、ユラは他国の王の招待状も拒否可能だよ。これは、主神様との決め事でね。つまり、ユラの父親である主神様も階級は公認した事なんだよね。」
なるほど、『どんな、障害や邪魔者も弾いてやるからさ。』ってこう言う事だったのね。他にも、何かやらかしてそう。何か、聞くのが怖すぎる。
「そう、疲れたから寝る事にする。」
「「ユラ、お疲れ様………。」」
2人は、そう言うと戻っていった。
皆さん、おはようございます!爽やかな朝で、気持ちが良いですね!はい、嘘です………。
さて、今日は買い物だね。眼鏡を掛けて、髪を結び平民姿で準備万端である。ちなみに、髪は茶色で瞳を深緑の瞳に魔法でしている。違和感が無いか、既に確認済みである。と言う訳で、こっそりお出かけする。朝から、部屋に押し掛ける貴族はドア前でカリオス達が追い返した。権力をかざす者には、武力で対抗してトラウマレベルで脅していた。
はぁ………。僕は、医者兼護衛ではなかったの?
完全に、立場が変わってるよね?信じられない、僕に内緒で主神様も同意するだなんて!
さて、魔法で街に向かう。まずは、朝市に行ってみようかな。まずは、新鮮なお肉さんですよ。レオさんは獣人だけど、コッテリお肉さんは好きじゃないんだよね。鶏肉?脂身の少ない、豚肉なら大丈夫かな?うーん、魔物のお肉も見てみようかな。
「おじさん、このお肉は何のお肉?」
「それは、ミノタウロスで隣がオークそして他にもリザードマンや砂漠蝎の肉も売ってる。」
愛想の無い、お店の人に暢気に言う。
「ふむ、オークとミノタウロスとポイズンフロッグかな。豚肉と牛肉、それと鶏肉もください。」
「分かった、少しだけ待ってろ。」
そして、10分が過ぎた。遅いけど、今の内に何を作るか考えようかな。ふふっ、何作ろかな。
「お前さん、怒らないんだな?」
「別に?友人が誕生日なので、何を作ろうかと考えていたので大丈夫ですよ。さて、お金を払って次に行きます。他のお客様も、待っているようですし。さて、次に行きましょうかね。」
ユラが、行った後に男は優しく笑って呟く。
「なるほど、カインズ様が気に入る訳だな。」
ちなみに、騎士はとてもハードでカロリーが高い食事を良く出される。しかし、レオさんはカロリーの高いコッテリなお食事は苦手で大量に食べる事で栄養やカロリーを補っている。これは、作りごたえが有りそうだね。さて、次はお野菜だね!
実は、カリオスはあの顔で子供っぽい。もう一度言う、カリオスはあの顔で子供っぽい。青臭い野菜、特にピーマンやえんどう豆は苦手らしい。
「まずは、ピーマンやキャベツだね。」
「あら、見ない顔ね。もしかして、観光客?」
「はい、そうです。あの、トマトって売ってないんですか?もし、在庫が有れば売って欲しいなと。」
ユラは、優しく暢気に言う。
「無いわ、他国の人に売るトマトは無いわよ。」
女性は、冷たい声音で拒絶する。
「そうですか、それではお騒がせしました。」
ユラは、そのまま他の店を探す。そして、無いなら別に良いかと思い返す。そして、次に向かう。
女性が、凄く申し訳ない表情をする。ユラは、気付いていたがスルーした。まぁ、触らぬ神に祟りなしと言うし面倒だからである。
それより、カリオスとピーマンの話だね。
うん、子供っぽいね。子供の時に、苦手な物を無理矢理に食べさせると、大人になっても食べられなくなると言うし。カリオスの父親は、こう言えばよろしくないがカリオスを我が子として見ていなく。残せば、食事が暫く与えられなかったらしい。
ちなみに、母親は普通に優しかったらしい。
さて、悲しい話は置いといてだ。次は、魚かな?
確か、オズは魚を食べた事がない。まぁ、魔王だったしね。部下が、お肉が好きだろうとお肉ばかりだったとか。と言う事で、お料理しよう!それにだけど、魚なら、レオさんも大好きだし。
普通に、魚は買えたので次に行く。
次は、果物。クルトは、苺が好きらしい。カリオスは、王宮に仕えるまで果物は林檎とみかんしか食べた事がないらしい。ふむ、レオさんも野苺と山葡萄しか食べた事がないって言ってたなぁ。
「あっ、パイナップルがある。」
「ほぅ……、お前さん異世界人だな?」
あちゃー、しまった。珍しくて、つい言葉に出てしまった。まぁ、仕方ないよね。
「え、異世界人?それより、パインをください。」
演技をすれば、男は見事に騙されました。
さて、買い物は終了かな。
ユラは、主神の要神殿に入り祈りを捧げる。
そして、外に出ようとして固まる。
「失礼ですが、他国の者がこの場に入るなど愚か者が!ここは、主神様の要神殿であるぞ!」
この男、自殺願望でもあるのかな?今さっき、祈りを捧げたんだよ?その、主神様が見ているんだよ?
ユラは、深いため息を吐き出した。
「ダネル、何の騒ぎですか?」
「他国の平民が、神聖なる要神殿に侵入しました。ですから、排除しようと最終警告と思いまして。」
ユラは、冷たい瞳で疲れたように男を見て言う。
「はぁ……。貴方は、余程だけど神々を怒らせたいみたいだね。主神は、全ての民を受け入れる。あの方は、偉大で差別を望みはしないからね。」
すると、男は激怒してユラを害しようとする。しかし、神聖な壁に阻まれてしまった。
「主神様、この国に要神殿を任せるのはどうかと。うーん、コーレム王国は差別がなく信仰深いとか聞きますね。いっそう、要神殿を移動されては?」
すると、要神殿が消えて中のボロい神殿に入れ替わる。ユラは、素早く外に歩き出す。
「もしや、主神様と会話を?まさか、神の使いの方でしたか。そんな、我らはどうすれば……。」
司祭が、混乱して俯いている。
「神託を告げる、副司祭ダネルを神関係の全てから追放する。これは、主神の言葉である。それと、要神殿の元職員は解雇として処理する。ちなみに、私は神の声は聞けるけど神の使いでは無いよ。」
そう言うと、ユラは魔法で消えてしまった。
まぁ、嘘では無いよ。だって、神の使いじゃなくて神様だしね。うん、嘘はついてない大丈夫。
さて、今日は帰ってお料理しようかな。その前に、美味しそうなお菓子とか無いかな?
すると、カリオスとクルトを見つける。どうやら、令嬢達に囲まれているようだ。ユラは、ネズミになると裏道から別の道に抜ける。そして、令嬢の近くを通る。悲鳴をあげて、令嬢達は逃げる。メイドが素早く、ネズミを殺そうとするが早い魔物のネズミに化けてるので諦めて帰った。
こうして、カリオスと合流する。
「ユラ、助かったよ。」
カリオスは、安堵して思わず言う。
「まさか、魔物のネズミに化けるとはね。」
クルトも、暢気に笑って言う。ユラは、人の姿になり旅路用マントのフードを深く被る。そして、少しだけ苦笑して言う。ちなみに、即答が帰ってくる。
「さて、僕は今からスイーツ探しするけど?」
「行く!僕も、甘いもの食べたい。」
「この国の名物、レモンケーキは食べたいかな。」
ユラは、頷くと早着替えの魔法で平民姿から貴族の服に変更する。そして、旅路用最高級マントのフードの下で眼鏡を掛け直すユラ。顔は、見せない。
実は、眼鏡には神眼を封印する以外も効果がある。それは、姿やステータスの隠蔽。そして、神力や魔力の隠蔽と漏れないようになる。
そして、ついにレモンケーキを3人で食べる。周りから見れば、貴族がお忍びでスイーツを食べに来ていると思うだろ。なので、気にせず食べる。
「美味しい、ケーキも良いけど紅茶の組み合わせも素晴らしいね。うん、幸せだよ。」
こうして、高級な宿に帰るのであった。




