過去の傷
個性豊かな、5人の医者の戯れにお付き合いください。d(>∇<;)
ユラは、疲れたように座って紅茶を飲む。すると、白衣を着た2人を連れてくるラメル。
「あらぁん、ユラ様じゃないのぉ!」
「ヤナルダ、ユラ様に近づくな。」
ラメルは、ナイフを構えている。
「あらぁん、ラメルちゃんたら……い・け・ず♡」
「お巡りさーん、ここに変質者が居まーす!」
ユラは、そう言うと然り気無く距離をとる。
「ひどいわぁ、まだ何もしていないのにぃ………。」
「まだって………。何か、するつもりだったの!?」
ラメルは、思わず突っ込みを入れてしまう。
「ユラ様……、何かあれば………守る………。」
ポツリ、そう呟くと剣に手をかける。
「ルイスト、君は剣を抜いては駄目!」
ラメルは、剣の柄を押さえて説得する。
「……ラメル、でも………ユラ様の敵……だよ?」
「…………よし、抜いて良いよ。でも、周りに損害を与えないでね。それなら、全力で倒して良いよ。」
それを聞いて、カリオス達はガクッとなる。
「えっと………。ユラ、止めなくて良いの?」
すると、ユラは苦笑すると暢気に言う。
「いつもの事だよ。それに、そろそろ終わるよ。」
すると、眼鏡をかけた白衣の青年が来る。
「全く、やめないか!」
「ボレーシュ、変態ヤナルダがユラ様を………。」
すると、ボレーシュはため息を吐き出す。
「よし、後で殴ろう。うん。」
その声には、恐ろしい何かがあった。
「ボレーシュ、お久しぶり。」
「ユラ様、お久しぶりです。それにしても、うちの変態とおかんと脳筋がご迷惑をお掛けしました。」
カリオス達に、頭を下げるボレーシュ。
「あらぁん、変態?」
「えっ、おかん?」
「………断じて、脳筋………違う……。」
ユラは、悪戯っぽく笑う。
「ボレーシュは、別に誰がどれって言ってないけれど………自覚症状が有ったんだね。良かった、重症じゃないみたいだよボレーシュ。未来は、明るい。」
「「「なっ!?」」」
撃沈する、3人を見てユラは笑う。
「ついでに、ユラ様はキラースマイルです。」
「ん?キラースマイルって、女を口説く武器だって教えてもらったけど?僕は、女を口説いた事は1度も無いよ?だから、違うんじゃない?」
すると、ボレーシュは苦笑してから言う。
「失礼、付け加えるのを忘れてました。ユラ様は、天然のキラースマイルです。お仕事では、氷のように冷たく冷静でクールなお方です。ですが、ノア君と居ると背景に花が咲き素晴らしい笑顔です。女性達は、ユラ様の笑顔を見るためにノア君に仕事を与えすぎないようにしているくらいですから。」
すると、ユラは困った表情で笑う。暫くして、気を取り直してから暢気にボレーシュを見る。
「ボレーシュは、真面目ガリ勉かな?」
「「「うん!」」」
力強く、反射的に頷く3人。ボレーシュは、ガーンとした表情をして撃沈してしまった。
「ユラ、そろそろ良いかな?」
「うん、4人とも撃沈した事だし本題をどうぞ。」
ユラは、暢気に答える。
「えっと、その前に彼らを紹介してくれる?」
「嫌だ。と言うか、紹介したくない。」
ユラは、ドヨーンとして言う。
「「「「おいっ!?」」」」
「ユラ、対応に困るからふざけないで。」
カリオスは、ため息を吐き出して言う。
「カリオス、僕はふざけてないよ。」
真顔で、紹介したくない。っと言うユラにカリオスは撃沈してしまった。ユラは、疲れたように言う。
「彼らは、国際医療同盟のベスト5に入るほどの凄腕の聖医学術師だよ。性格に、少し………少々………かなり難があるけどちゃんとした実力者なんだ。」
「「「「ユラ様も、同類でしょ!」」」」
ユラは、悪戯っぽく笑うと暢気に言う。
「否定は、しないよ?まぁ、肯定もしないけど。」
「なるほど、ちなみに順位はどうなってる?」
シアンは、興味津々に5人を見て言う。すると、4人は頷くと満面の笑み。そして、自己紹介する。
「はぁーい、第5位ヤナルダよぉん。一応、美容の研究もしているのぉ。戦闘は、拳で戦うわぁ。」
「うん……、第4位……ルイスト。一応、……栄養師……健康の研究………する。戦闘は、……双剣を使う。」
「第3位ボレーシュ。一応、薬草師です。薬の調合を研究しています。さすがに、ユラ様には負けますけれどね。戦闘は、苦手なので戦場では待機専門の医者をしています。長文、失礼しました。」
そこで、カリオスは驚いた表情をする。
「戦場?待機専門の医者?」
すると、シアンは思わず笑う。
「なるほど、バトルドクターか。」
「シアン、バトルドクターって?」
カリオスは、知らなかったのか聞き返す。
「戦場で、味方を癒しながら襲い来る敵を殺す。つまり、戦える医者の事だ。だが、バトルドクターは貴重な存在で余程の事がないと戦場には出して貰えない。それが、2人も居るなんて凄いな。」
「………違うよ。ユラ様も………、ラメルもバトルドクターだ………。しかも……、紹介した僕らより格上。」
すると、シアンは驚きに目を丸くする。
「ユラ、まさか………戦場に出たのか?」
ユラは、無言で頷く。ユラの瞳は、暖かさが消え失せ殺伐とした雰囲気になる。余程、嫌な事でもあったのだろ。表情は、感情を感じない無表情だ。
「………ユラ様、落ち着いて。死んだ人は、生き返らない。ユラ様は、悪くないんですから。」
ボレーシュの言葉に、ユラは苦笑するとゆっくり頷いた。しかし、そこで話は此処で終わらなかった。
「でも、あいつらはあっさりユラ様のせいにした。ユラ様が、本当に苦しんで悲しんで辛いときに。」
ラメルは、冷たい声音で怒りの表情をする。
「そぉうねぇ………、確かユラ様の教育が悪いから死んだとか言っちゃってぇ。ユラ様の労働時間を、3時間も追加してぇ………ユラ様、倒れたのよねぇ。」
すると、カリオス達から凄いオーラを感じる。
「ユラ様、……魔力枯渇………栄養不足………疲労で倒れた。奴ら、……ユラ様に使えない奴だって!」
ルイストは、怒りに叫んでしまう。
「ユラ様は、倒れて約1週間も目が覚めませんでした。ノア君が、泣いて病室に通ったのは記憶に鮮明に残っています。まだ、幼い顔を泣いて腫らして。私は、見て居られなくって外に出てました。」
ボレーシュは、苦笑して悲しげに告げる。
「ねぇ、何があったの?」
カリオスは、勇気を振り絞って聞いてみる。
「ユラ様の部下、全員が死んでいるんだ。」
すると、シアンは青ざめてユラを見る。
「あっ、別にユラ様が殺したんじゃないよ?けど、ユラ様の部下は優秀過ぎて戦場に良く駆り出されてね。結果、ユラ様以外の全員が生き残れなかった。だから、優秀な医者達はユラ様を死神だと影では言っている。ユラ様は、悪くない。悪いのは、帝国の帝王なのに。しかも、派遣医者だよ?自分の、部下じゃ無いのに………。だから、帝国は嫌いなんだ。」
ラメルは、吐き出すように言う。ユラは、立ち上がりラメルを見る。皆は、ユラを思わず見てしまう。
「ラメル、ストレスで将来は禿げるかもね。」
ユラの言葉に、笑ったボレーシュ達は何も悪くないと思う。カリオス達も、キョトンとしている。
「ユラ様は、我慢し過ぎなんだよ。」
「でも、入った頃の国際医療同盟のトップと同じ対応だったからね。トップが変わって、国際医療同盟が世間に認められて2年。もう、抜ける予定だけどさ。もう、我慢する必要は無いしね。」
ユラは、素っ気なく言うとソファーに座り直す。
「一旦抜けたけど、新しいトップが次世代が出来るまではよろしくお願いいたします。って土下座してユラを止めたんだよね。あのとき、ユラ様はぽかーんとしててさ。ちょっと、可愛いかった………。」
すると、思い出したのかユラは顔を赤らめる。
「ちょっ、ラメル!それ以上は、駄目っ!」
慌てて、ラメルを止めるユラをカリオス達は優しく見つめた。ユラの行動を、阻止しながら…………。
馬鹿医者5人に、お付き合い頂きありがとうございました。( ̄ー ̄ゞ-☆




