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間違えて運に極振りしちゃったけど召喚士なら何とかなりますか? ~召喚で出てくる魔物が異常個体ばかりなんですけど!~  作者: やおよろずの
第四章 六大ギルドになっちゃおう!

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099 魔獣ショップ リーフェン①

昇格試験の緊張で疲れていたのか、ぐっすり眠った、その翌朝。

──というか昼前。よく寝た。


黄歯車団(イエロー・ギア)の人たちは、今日も体調不良で休みとのこと。

……クランクさんだけは来ようとしたらしいけど、今はベッドに縛り付けられているらしい。


というわけで、今日の私は、リンドールさんと緑ギルド系の魔獣ショップへ向かうことになった。

もちろん、アルテミスも一緒だ。


今回の目的は、ガルムちゃんをお迎えするための準備。

店員さんから話を聞いて、問題なさそうならガルムちゃんを召喚。

そして、ガルムちゃんに合った魔獣用具を一通り揃えるのだ。


前の世界では実家で犬を飼っていたとはいえ、基本的なお世話は親に任せきりだったし、分からないことだらけ。

ちゃんとお迎えするためにも、しっかり勉強しないとね。





リンドールさんに案内されてやってきたのは、グラン=ラフィースの東門近くにある一区画。

ここは市街地の中心から少し離れてて、魔獣の鳴き声や臭いが問題になりにくいんだとか。

だからこのあたりには乗騎用の厩舎や預かり所も多くて、それに合わせて魔獣関係のお店が集まってる、というわけだ。


通りには、干し草を山ほど積み上げた飼料店や、鞍や手綱などを軒先にずらりと吊るした道具屋などが並んでいた。

時折、どこかから魔獣の大きな鳴き声が聞こえて、そのたび思わず振り返ってしまう。

歩いているだけでも、干し草の匂いに混じって、僅かに獣臭い。

……普通のお店が並ぶ通りとは、雰囲気が全然違うね。


そんな中でも、ひときわ目を引く建物があった。

緑色を基調とした、木造の、横に広い二階建てのお店だ。

大きく開かれた入口の上には一枚の看板が吊り下げられていた。

描かれているのは、大きな葉っぱの上で、翼と角を持つ魔獣が丸くなって眠っている意匠。

そして、その下に書かれているのは──『魔獣ショップ リーフェン』。


「着きましたわ。ここがリーフェン──魔獣ショップの中では、かなり名の知れたところですわね」

「ここが……」


開け放たれた入口の周りには、餌の詰まった樽とかが所狭しと積まれていた。

壁には、大小さまざまな首輪や胴輪が吊るされている。

魔獣関連のアイテムは一通り揃ってる、という感じだね。


そして、そのすぐ横には、

『魔獣用品・飼料・診療・調教・預かり・ステータス測定』

と書かれていた。


「すごい、何でもやってるんですね」

「そうですわね、総合的に扱った方が、当然儲かりますもの。診療に来たついでに魔獣用具を買って帰ったり、預けたついでにステータス測定してもらったり──というわけです」

「なるほど……」


リンドールさん、割とそういう経営的なのも詳しいんだね。

やっぱりお嬢様ってそういう勉強もするのかな。


……というか、ステータス測定ってなんだろう?

そう思って、リンドールさんに聞いてみることに。


「リンドールさん、ステータス測定って何ですか?」

「書いてある通りですわ。魔獣の能力を測定して、項目ごとにランク付けするサービスですの。生命力がA、膂力がB──といった具合ですわね」

「へえー、面白いですね! ガルムちゃんもやってもらおうかな……」

「いや、戦わせる気がないなら不要では……?」


なんて話していると、店の奥から──


「クルルルル……」

「きゅいっ!」

「グルルル……!」


──と、いろんな鳴き声が聞こえてきた。


「賑やかですね……! 色んな魔獣がいそうで楽しみ……!」

「そうですわね、わたくしもこの街のリーフェンには子供のころに何度か来たきりですので、ほとんど覚えていませんの。少し楽しみですわ」

「この街の……?」

「リーフェンは、大きな街であればだいたい店舗がありますの」


なるほど、チェーン店みたいなことか。

というか、リンドールさんはずっとこの街にいたわけじゃないのかな。


早速、店の中へ。


店内には、壁一面にブラシやら食器やら、魔獣関連のアイテムが並んでいた。

さらに奥には柵で仕切られた区画があり、その中で小さな魔獣たちが走り回っている。


「えっ、全部かわいい……! みてみてアルテミス、めっちゃ可愛い!」

「はい、マスターは可愛いです」

「いや魔獣の話ね」


リスのような魔獣。

丸っこい小鳥のような魔獣。

大きな耳と眠そうな目が特徴的な猫型魔獣。

そして、イヌとウサギを足して二で割ったような魔獣。


みんな、柵の向こうからこっちを見上げていた。


……まずい、全部飼いたい。

でも別の子まで連れて帰ったら、多頭飼育の始まり──いや、終わりです。

もう目を合わせないようにしよう……。


可愛すぎる魔獣たちから目をそらし、受付へ向かう。

すると、緑色の作業着を着た女性がこちらへ気付いた。


「いらっしゃいませ! 何をお探しでしょう?」


店員さんに、私は早速、ガルムちゃんの話をする。


「実は、白くてもふもふした小っちゃいガルムを飼いたくて……」

「白くてもふもふした小っちゃい──ペッコラでしょうか? こちらです!」

「あ、ここで買いたいわけじゃ──」


私がそう伝える前に、店員さんがすぐに案内してくれる。

……まあ、とりあえず見るだけ見てみようかな。

ペッコラがどんな魔獣か気になるし。


案内された先は、さっきの柵で仕切られた区画。


「こちらがペッコラです!」


店員さんが指差した先にいたのは、さっき見かけた、イヌとウサギを足して二で割ったような魔獣だった。


「あ、これがペッコラだったんですね」

「はい、小っちゃくて白くてもふもふです!」

「まあ、確かに小っちゃくて白くてもふもふですわね」

「いや、この子もめっちゃ可愛いんですけど……! 私の言っているガルムちゃんは、もっと真っ白で、もっともふもふなんです! ね、リンドールさん!」

「そ、そうですわね」

「え、そんな子、うちには……。──いやダメ、ここで引き下がったら、また先輩に小言言われる……! そうだ、せっかくなので他の魔獣も紹介させてください!」

「なんで!?」

「気に入った子がいれば買ってください!」

「いや、飼いたくなると困るから、さっきから目をそらしてたんですけど!!」

「じゃあ、目をそらさないでください! 魔獣たちからも、ご自分の『飼いたい』という本当の気持ちからも!」

「……何を言ってますの、あなたは」


──とりあえず、店員さんに魔獣を紹介してもらうことになった。


リスっぽい魔獣は、ポルリス。

店の商品を勝手に隠すらしく、いつも店員さんが探し回る羽目になっているらしいが、そこもかわいいね。


丸っこい小鳥の魔獣は、リルチル。

飼いやすいうえに、鈴のような声で鳴くため、人気なペットの一つなんだとか。


そして、大きな耳の眠そうな猫型魔獣は、ネムリネ。

一緒にいるとぐっすり眠れるらしく、不眠に悩む人から実用的な意味でも人気らしい。


いやー、どの子もほんとうにかわいいなぁ。


……って、やっぱり飼いたくなっちゃったじゃん!

どうしてくれるの、この私の気持ち!!

【第10回アース・スター ノベル大賞】

金賞&コミカライズ賞 を受賞しました!(後1回報告します)

いえーい!


毎日投稿中!

次話は、7月20日投稿予定です!(おそらく12時、それか18時)

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― 新着の感想 ―
ペットショップに行くには気をしっかり持たないと!
そのまま手の平に乗せてこてんと寝そべって来たらKOされるよ(2回)
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