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間違えて運に極振りしちゃったけど召喚士なら何とかなりますか? ~召喚で出てくる魔物が異常個体ばかりなんですけど!~  作者: やおよろずの
第四章 六大ギルドになっちゃおう!

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068 ギルドルーム大改造……!②

「それにしても、立派なギルドルームですな!」


そう言って、クランクさんが感心したようにぐるりと見回した。


「せやろ? これで月々五千ギルドポイントやで」

「おおっ! それは良いですな! 大扉もありますし、搬入もしやすくて助かりますな」


クランクさんは満足そうに何度も頷く。


確かに当たり前になってきてたけど、改めて考えるとうちのギルドルームってかなりの当たり物件だよね……?

広いし、庭もあるし、暖炉まである。


何よりゴブリンズがそのまま出入りできる大扉に、中は吹き抜け。

ジョンソンとブルースがいても窮屈じゃないのはかなりありがたい。


「ほんと、いいギルドルームね。……この門と像はパンさんの趣味かしら?」


ヴィオラさんの視線の先にあるのは──モーリーの門と像。

白亜の像は、門を背もたれにして、本を片手に、今にもページをめくりそうな読書のポーズで固まっている。

……その本どこから持ってきたの?


「いや、これはサキはんの趣味や」

「えっ」

「へぇ、サキさん意外ね。貴女、ゴルデラン正教の方だったのね」

「なにそれ!?」

「おおっ、そう言えばこの雰囲気は白ギルドのものですな」

「……すみません、何を言ってるのか……」


私が完全に置いていかれていると……


「『やあ、こんにちは。工匠と射手のみなさん。君たちは客人だからね。今日はなるべく威圧感のないポーズを彼には心がけてもらっているんだ。あ、本はありがとう:)』……だって」


通訳のペールルージュさんが、モーリーの門の文字を読み上げた。


「──って、その本ウチのやないか!? まあええけど……」

「『この本、面白いね:) 正直、かなり気に入ったよ。もし他にもこの作者のものがあるなら、近くに置いておいてもらえると嬉しいよ。実のところ、かなりヒマだからね:)』」

「おっ! イザベラの面白さが分かるとは、モーリーはんも分かっとるやないか」


そう言ってパンさんは上機嫌にモーリーの門をバシバシと叩いた。

そういえばパンさん、イザベラって小説家のファンって言ってたっけ。

今度、私も読ませてもらおうかな。


──なんて、こっちでわいわいやってると……。


「……貴女たち、さっきから何の話をしているの?」

「ああ、この門と像、サキはんが召喚したゴーレムやねん」

「はあ!? これが!?」


ヴィオラさんが、珍しく素っ頓狂な声を上げた。

そんなに普通のゴーレムと見た目が違うのかな……。


「だってこれ……どう見ても白ギルドの像みたいじゃない。いや、百歩譲って像の方がゴーレムだとしても、門は何なの……?」

「いや、門が本体のゴーレムなんです。その中から出てきたこの像は……誰なんだろう……」

「貴女が召喚したのに分からないの!?」

「『彼は、言わば僕の手足みたいなものだよ。まあ、あまり細かいことは気にしないで:)』」

「気にした方がいいんじゃない!? そしてさっきからペールルージュさんのその口調は何なの!?」

「あ、これはモーリーの口調なんです」

「モーリーって誰!?」

「このゴーレムです。門に浮かび上がった文字で喋れるんです。ペールルージュさんが通訳です」

「……あの、もういいわ。サキさんを私の常識で考えるべきじゃなかったわね……」


ヴィオラさんはため息をつくと、今度はゴブリンズの方へ視線を移す。


「剛体種ゴブリンを召喚できるんだもの。今さら驚く方が間違いなのかもしれないわね」


その隣では、クランクさんが白亜の門と像をしげしげと見上げていた。


「それにしても、実に見事なものですな。……少々、このギルドルームの雰囲気からは浮いておりますが」


それはそうなんだよね。

モーリーって、礼拝堂とか神殿とか、そういう場所にあった方がしっくりくる感じだし。


「てか、立ち話もなんやし中に入ってや! ルル、大扉開けたってくれ!」


そんなパンさんの一声で、私たちはぞろぞろとギルドルームの中へ移動することに。


ゴブリンズにも手伝ってもらいながら、クランクさんたちが持ってきた荷物を運び入れると、

みんなで一階の大テーブルを囲むように腰を落ち着け、ようやく本題に入る。


「では、まずは中身を見てもらいましょうか」


クランクさんがそう言って、一番大きな箱の留め金を外した。


分厚い緩衝材をどけると、中から現れたのは、黒と銀の大きな装置。

腰の高さほどある円柱型で、表面にはびっしりと術式が刻まれている。

中央には大きな窪みがあって、あそこに魔石とかを嵌めるのかな。

見た目からしてもう高級感が凄い。


「こちらが魔法障壁の中核部分ですな。なんとミスリル製ですぞ!」


ミスリルって、ゲームでよく出てくる最強クラスの金属素材……だよね。

”ミスリルの剣”とか、終盤差し掛かったくらいの装備のイメージ。

やっぱりこの世界にもあるんだ……。


でも、ミスリルって超レア鉱石なんじゃないのかな?

この大きな装置まるごとミスリル製って……一体いくらなんだろう?


そう思ったのは、パンさんも同じだったみたい。


「マジかいな、そりゃ高いやろ……いくらや?」

「金貨750枚ですな」

「な、ななひゃくごじゅう!? じゃあ、これ一つでリンドールさんの錬金設備くらいの金額ってことですか!?」

「そういうことやな。……ま、それくらいしてもしゃーないわ。ここケチると意味ないし」

「その通りですぞ。何と言ってもこの一品は、魔法障壁の強度や安定性もさることながら、なんと冗長性まで兼ね備えておりますぞ! 術式の一部に不具合が出ても、すぐに全体が止まらぬよう組んでありますのでな」

「ちょっとやそっとじゃ壊れへんっちゅうことか」


パンさんが満足げに頷く横で、クランクさんが続く長細い箱へ手をかけた。


中に入っていたのは、何本もの金属筒を繋いだ奇妙な装置。

透明な管の中は液体で満たされていて、節目ごとに小さな鉱石が埋め込まれている。


「続いて、魔力整流ユニットですな」

「整流……?」

「要するに、魔力のムラをなくす装置ですわね。魔力源から取り出した魔力は、常に一定とは限りませんもの」


リンドールさんは、錬金でも似た理屈があるのか、うんうんと頷きながらそう言った。


「流石ですな、リンドール殿。良くお分かりで。魔力の流れが乱れると、障壁が弱くなるタイミングが発生してしまいますので、それを防ぐための装置ですな。これは金貨100枚ですぞ」


た、高い……んだけど、金貨750枚って言われた後だから、感覚がマヒしちゃってるよ……。


三つ目の箱は、ここまでのものよりひと回り小さかった。

中に入っていたのは、レバーとかボタンとかがついた、操作盤のような装置。


「こちらが制御盤です。魔法障壁の起動や停止、出力調整、そしてログの確認などがこれ一つでできますぞ」

「ログ……って、どういうことなんですか?」

「いつ、どこから、どのような干渉を受けたか──そういった記録ですな」

「へえ、それは便利そう!」


なんだか一気に防犯設備っぽくなってきた。

ちなみに、これは金貨50枚らしい。

もはや安い。


そして最後に、クランクさんは薄い木箱を開いた。

中には銀色の細い棒や、輪っか状の金具、それに羅針盤みたいな円盤が入っていた。


「これは……?」

「我々の道具ですな。これらの装置を設置したり、魔法障壁を張る箇所をちょちょいと弄るのに必要でして。道具代と施工費、合わせて一万ギルドポイントとなりますぞ」


そう言って、クランクさんが確認するようにパンさんへ目をやった。


「あー、分かっとる分かっとる。残りの五千も後でちゃんと払うって。そこは心配せんでええわ」


えーっと、金貨750枚、100枚、50枚……

それに施工費の10,000ギルドポイント……


つまり、合計で十万ギルドポイントってこと!?


マギド・ゼブラスからゲットした分のほとんど、もう使っちゃったってことか……。


でも、仕方ない。

これからも安心してギルドルームでみんなと過ごすための必要経費だし。


私がそんなことを考えていると、クランクさんがひとつ咳払いをした。


「もちろん、その額に見合う仕事はきっちりさせてもらいますぞ」


その言葉には、妙な説得力があった。

クランクさんって、冒険者っていうより、完全に職人さんって感じなんだよね。


「まあ頼むわ。……で、これ、いつ頃終わりそうなん?」

「ふむ……。余裕を見ても三日ですな」

「三日!? はやっ!!」

「普通であれば、設置個所の加工や外周の掘りなどで二週間ってところかと。ですが、我々はそういう面倒を建造魔法で丸ごと飛ばせますのでな」

「へえー、建造魔法ってすごいですね……!」


工事で一番面倒そうなところを、魔法でごっそり省略できるってことか。

やっぱり魔法って便利だなぁ……。

私も普通の魔法、ちょっとくらい使ってみたいよ……。


「なお、本来であれば特級の魔石代が別途必要ですが……今回はそちらで用意いただけるとのことでしたので」

「あー、そこは大丈夫や。うちにはとんでもない魔石があるから。なあ、サキはん?」


パンさんがニヤリと笑ってこっちを見る。

うん、魔力の結晶体のことだよね。

どれくらい持つかも含めて、ちょうどいい実験になる──って話だったね。


その後、パンさんたちで魔法障壁の張り方について、最後の詰めに入った。

結論、建物だけじゃなく、庭も含めた範囲で魔法障壁を張るみたい。


確かに庭で過ごすことも多いから、その方が安心だよね。

その分、魔力消費量も増えるみたいだけど、そこは魔力の結晶体が頑張ってくれる……はず。


「そうだ、他の防備についても今のうちに詰めておきましょうか」


そう切り出したのは、ヴィオラさんだった。


「せやな。クランクはん、前に言うとった監視網の件はいけそうか?」

「ええ。魔狼の眼球(ガルムアイ)を利用した監視網でしたら、問題なく組めると思いますぞ」


魔狼の眼球(ガルムアイ)──確か、リンドールさんが目を輝かせていたガルムのレアドロップだ。


「それって、視覚情報を取れるやつですよね?」

「そうですわ。よく覚えてましたわね!」


前に、天影鏡(かめら)が作れるかも、って言ってたから印象深かったんだよね。


「リンドール殿に監視用のアイテムへと錬金していただければ、それを各所に配置できます。整流ユニットに繋げば魔力も行き渡るはずですし、常時稼働もいけますな」

「錬金は任せてくださいまし。魔狼の眼球(ガルムアイ)は腐るほどありますので」

「やからって気軽に失敗しすぎや! 一応レアドロップなんやで!?」

「……とりあえず、門、屋根、二階の窓、そのあたりね。死角になりやすい場所を優先したいわ」


流石ヴィオラさん、弓の使い手としての意見を淡々と並べていく。

その意見に何度も頷いていたパンさんが、ふいに「せや!」と手を打った。


「制御盤とも繋げられへんか?」

「……うーむ、やってみましょう。制御盤からそれぞれの映像が見れるようにしてみせましょう!」

「おおー! ほんまに監視網やな!」


そう言って意気込むクランクさんに、パンさんが嬉しそうに手を打った。

なんだか一気に、ギルドルームっていうより基地っぽくなってきた……!

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― 新着の感想 ―
白ギルドが門に反応したり モーリー召喚できる事で何が何でもサキを欲する結果にならんかこれ…
門の反応はこうなるよねぇw 全部取り付けたら国の重要施設並みの防犯性能を誇りそう。
現時点の素材や召喚やポイントの集大成がもう直ぐ防犯設備で姿を現すことになるのか…
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