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ヒロイン願望のあるニート女子が、家ごと異世界転移した結果  作者: 下菊みこと


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ところで神様方の満足度は如何に?

ところでしばらく天の声さんとのやりとりがない気がする。


『呼びました?』


疑問に思っただけで呼んだつもりはないのですが…。


『おや、辛辣ですね』


あ、ごめんなさい。


ところで一つ質問していいですか?


『どうぞ』


なんでこの世界の神様方って、私が人助けをすると感謝してくださるのに自分たちでは人々を助けないんですか?


失礼な質問だったらごめんなさい。


『全然失礼ではありませんよ。当たり前の疑問でしょう』


ありがとうございます。


『ですがこの世界の神は、あまり人に介入出来ないのですよ』


ああ、そういうルールなんですね。


『そういうことです。だからジョウコ、君のこともなかなか守ってやれずにすみません』


バラキエル様が守ってくださるので大丈夫です。


でも家ごとの異世界転移や家の加護はいいんですか?


『多少の干渉は許されていますから』


へえ。


『他にも質問があれば答えますが?』


あ、じゃあ質問。


『どうぞ』


神様方の私への満足度は如何に?


『花丸百二十点、百点満点中の百二十点ですよ』


え、そんなに満足していただけているんだ。


『はい。まず下々の者も貴族も富豪も関係なく、全ての重症患者の治癒をしてくれているのが嬉しいポイントですね』


あ、慈善事業しておいてよかった。


『それに、貴女の周りの騒動やてんやわんやも面白いです』


それはなにより。


『そして、奴隷を解放して使用人として雇用したのも面白かったですね。なかなかない発想なので』


あ、そうなんだ。


あんまりないんですね、そういうの。


『せっかく奴隷として買ったわけですからね。貴女の行動は特例ですよ』


あらまあ…でも楽しんでいただけたなら良かった。


『他に質問は?』


んー、今のところないです…あ、いや。


私が聖女に認定されたのって、神様的にどうなんですか?


『みんなすごいことになってると爆笑してましたよ』


爆笑かぁ…まあ神様方が楽しかったならいいか。


勝手に聖女になって怒られないのはありがたいし。


『いちいちそんなことで怒りませんよ』


そうなんだ。


『それよりジョウコ、明日も早いのでしょう?そろそろ寝なさい』


はーい、おやすみなさい、天の声さん。


『はい、おやすみジョウコ』


その日の晩は幸せな夢を見た。


家族が生きている頃の夢。


あの頃はまだ、ヒキニートじゃなかったな。


懐かしいや。


人が絶望するのは、苦しい時ではなく大事だった幸せな時がもう戻らないと悟った時。


…けれど今は、みんながいてくれる。


優しい侍従のみんなと、親切なセラフィムさんと、婚約してまで守ってくださるバラキエル様。


だから、もう寂しくないよ。


安心してね、お父さん、お母さん。


あと異世界転移しちゃったからお墓参りできなくてごめんね。


仏間で手は合わせて毎日の挨拶はしているけど。


…でもやっぱり、ちょっとだけ。


お父さんとお母さんに、今でも会いたいよ。

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