バラキエル様が助けてくれる
カオスな状況に頭を抱えていたら、そこに来客が来た。
とりあえず玄関に出てみると、そこにはバラキエル様がいた。
「え、バラキエル様?なんで?」
「いや、この間身体を治してもらった礼にお菓子を持ってきたんだが…なんだ、お取り込み中か?」
「そうなんです、実は…」
私はバラキエル様に、教会の神官様がきたこと。
聖女として正式に認定させて欲しいと要請を受けたこと。
フェルくんとミカくんがかばってくれたこと。
その二人を馬鹿にされてキレてしまったこと。
それをさらにイオくんとザドくんが庇って、命を差し出そうとしていることを話した。
「…」
「バラキエル様?」
「俺に任せろ」
バラキエル様が明らかに怒った表情で、勝手に家に上がって神官様のいる居間に突撃した。
「おい」
「バラキエル様!?どうしてここに」
「ここは俺の治めるエリュシオンだ。教会とはいえ好き勝手はさせないぞ」
「…っ」
ブチ切れモードのバラキエル様にビビる神官さま。
「ジョウコとジョウコの奴隷に無礼を謝れ」
「…すみませんでした。ですからどうか、教会への寄付の減額だけは………」
「もっと誠心誠意謝れ」
「すみませんでした!!!」
どうやらバラキエル様、教会に相当な額の寄付をしているらしい。
そして教会に対して外圧をかけられる立場らしい。
「あと、二度とジョウコに聖女になれと無理強いするなよ」
「心得ました!」
「ジョウコの不利益になるようなことをしでかしたらただでは済まないからな」
「はい!しかと心得ました!」
そして神官さまは逃げ帰って行った。
「ジョウコ、大丈夫だったか?」
「はい、ありがとうございますバラキエル様っ」
「この間の礼だ、気にするな。ほら、土産のお菓子でも食べて落ち着け」
「は、はい」
イオくんが紅茶を入れてくれて、みんなでお土産のお菓子を食べた。
奴隷のみんなも一緒に食べていいとバラキエル様が許してくれたから。
「これからもなにかあれば俺を頼れよ」
「はい、バラキエル様!」
バラキエル様は本当に優しいなぁ。
それに今日のバラキエル様はいつにも増してかっこよかった。
その上天使のような美形だし、さぞかしモテるんだろうなぁ。
「じゃあ、俺はこれでお暇するぞ」
「本当にありがとうございました!」
「じゃあまたな」
「はい、また」
手を振ってバラキエル様を見送る。
その後イオくんとザドくんに居間に強制連行され、正座させられて、神官さまにキレた件をくどくどとお説教された。
誇張ではなく一時間以上説教された。
悲しいけどたしかにあれは私が悪かったので、猛省します…。
その後フェルくんとミカくんが慰めてくれたので、本気で反省はしたがそこまで落ち込むことはなかったけど…本当にイオくんとザドくんは肝が冷えただろう。
申し訳なかったな。
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