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079 元仲間達との戦い

 ザンダー達が消えた後、俺は倒れてるシャルルの元に駆け寄り生死の確認をする。

 どうやら生きてはいたが、相当危険な状態である事がわかった。


 まずいな……。

 これは適切な治療をしないといけないレベルだぞ……。


 俺はシャルルを抱きかかえて治療できる場所に移動しようとした時、突然、ドゴゴーーーーンッと城の外で雷が落ちる音が響き渡った。


「な、なんですかあ⁉︎」


 フォウが驚いた顔をしていると、謁見の間が勢いよく開いて騎士が転がり込んでくると大声で叫んだ。


「お、王都スノールに大勢の死霊術師が攻めて来ました‼︎」


「なんだと⁉︎」


 結界から解放されたブレドが驚愕の表情を浮かべて騎士を見ると、同じく結界から解放されたミナスティリアがザンダー達がいた場所を睨みながら言った。


「マルーを狙って来たのね……。もう、いないって言うのに」


「来てしまったのはしょうがないねえ。ミナスティリア、あたいらはどうするよ?」


「私達は装備を取りに行って死霊術師達の対応をしましょう。ブレド国王、そちらは任せて良いわね?」


「あ、ああ、任せろ!」


「では、行きましょう」


 勇者パーティーは謁見の間から飛び出していき、ブレド達が俺の側まで来る。


「キリク、その娘は大丈夫か?」


「かなりまずい、適切な治療ができる場所に運びたいんだが、俺はどうやらあいつらの相手をしないといけない。だから誰か代わりにシャルルを運んでくれ」


 俺は道化師達の方を見ると、結界が今、解けたらしく先ほどまで怯えていたはずのワーロイとケイは俺の方を見て笑みを浮かべていたのだ。


「わかった。ではフォウが彼女を治療室へ連れていってやれ」


「わかりましたあ」


「では、私達はあの道化師と戦えば良いんだな。ベアードはそちらにまわすか?」


「いや、俺だけでとりあえずあの二人を相手する。早めにあの道化師を倒してこちらを手伝ってくれ」


 俺はそう言うとナイフを構えた。


「わかった。ベアード、私達は道化師をやるぞ!」


「おうよ!さっさと終わらせてやるから待ってろよ」


 そう言うとブレドとベアードはまだザンダー達がいた場所を睨んでいた道化師に向かっていくが、道化師は二人に気づくと満面の笑みを見せながらおどけ始めた。


「わ、わ、わ、わあーー!なんですかあ?」


 道化師の言葉にブレド達は反応せず、攻撃し始めるが、飛び跳ねながら二人の攻撃を回避し続ける。


 あの道化師、日中帯であそこまで動けるのか……。

 そうなると俺達といた時は手を抜いていたって事だな。


 俺はブレド達の戦いを横目で見ながらワーロイとケイの方に歩いていくと、謁見の間から出れると判断したフォウが、シャルルを抱き上げて扉に向かって走り出した。


「いかせないわよ!」


 しかし、ケイがそれに気づきフォウ達の方に魔法を唱えようと杖を構えたのだが、フォウはそれを読んでいたのか既に魔法を唱えていた。


「第四神層領域より我に風の力を与えたまえ……エアー・カッター!」


 ケイより早く魔法を唱えたフォウの杖から風の刃が現れケイに飛んでいく。

 すると、慌ててケイは横に飛んで避けようとしたが、風の刃は避けらきれずケイの肩付近を切り裂いた。


「ぎゃあああぁーーー‼︎」


「ケイ‼︎貴様あぁーー!」


 倒れたケイを見て、ワーロイは鬼の形相でフォウ達を追おうとするが、俺が迫っていることに気づくとすぐに方向をかえて俺に向かってきた。

 そのおかげでフォウ達は無事に謁見の間から出ていったが、ワーロイはもう俺しか見えておらず怒りの形相で斬りかかってきた。


「キリクーー‼︎お前だ!お前が全部悪いんだあぁーー‼︎」


「全部、お前達自身が選んだんだろう。人に責任をなすりつけるな」


「うるさいぞ加護無しの役立たずがあああぁ‼︎」


 ワーロイは身体から黒い煙を撒き散らしながら攻撃してくる。

 しかも闇の力がなじみ始めているのか、そのスピードがどんどん上がり、それにつれてワーロイは目の焦点がおかしくなり涎を垂らしはじめていた。


 どうやら、ワーロイの精神は闇の力に耐えれなかったらしいな。


 そのまま、しばらくワーロイの攻撃を避け続けているとワーロイは舌を出しながら下品な笑いをしだした。


「ぎゃはははっ!キリクうぅ、避けんなよおお、殺してえんだからよおぉ!あひゃひゃひゃひゃっ‼︎」


「……完全に闇人になってしまったなようだなワーロイ……」


 完全に闇人になったワーロイはもう身体から黒い煙は出ておらず、その攻撃スピードと力が格段に上がりナイフだけでは捌ききれなくなってきていた。

 更に、ケイがどうやら意識を取り戻したらしく顔をあげて俺を睨むと、絶叫に近い声で叫んだ。


「キーーリクうぅうぅぅ!痛えじゃないのよおおぉ!それに私のドレスを汚しやがってええぇ‼︎」


「やったのは俺じゃないんだがな……」


「うるさいわよーー!あんたが全部悪いのーーー‼︎」


 ケイは黒い煙を出しながら目をぎょろぎょろ動かし、唾をまき散らしながら魔法を唱えてくる。


「第三神層領域より我に水の力を与えたまえ……ポイズン!」


 ケイの杖の周りから濁った水の塊が現れ俺に飛んでくる。


 「ちっ、あれは当たるとまずいな」


 俺はワーロイの攻撃を避けながら、ケイの魔法もなんとかギリギリで避け、二人から距離をとった。


 やれやれ……。

 ワーロイは闇人になりケイはなっている最中というところか。


 俺はブレド達の方を見るとピエロとの戦いにかなり苦戦してる様で、まだ決着はつきそうになかった。


 ブレド達には期待できないか。

 できれば、まだ力のアミュレットは使いたくなかったが、もう使いどきを選んでいられそうにないな……。


 俺は隠し持っていた対魔族薬をナイフに塗り、同じく隠し持っていた魔石を取り出すと胸に近づける。

 それを見たワーロイはケタケタと笑っていたが、ケイは警戒したのか身構えると杖を構え魔法を唱えた。


「キリクうぅ!変なことしてんじゃああぁぁーーないよぉ!第三神層領域より我に炎の力を与えたまえ……ファイア・バレット!」


 ケイの杖の周りから沢山の指先程の炎の塊が現れ俺に飛んできたが、力のアミュレットが発動した俺はそれを避けながらケイに向かっていく。

 だが、すぐにワーロイが反応しケイの前に立つと下品な笑い方をしながら俺に攻撃してきた。


「ヒャヒャヒャあああぁ!」


「……二人共、今楽にしてやる」


「楽にすんのは私達よおおおーーー!!」


 ケイがまた、魔法を唱えようとしたが、俺はワーロイの攻撃を避けた後、腹に拳を叩きこみ、後ろにいたケイを巻き込んで吹き飛ばした。

 そして、すぐに体制を立て直そうとした二人の首を駆け抜けながら深く斬りさいたのだった。


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