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046 依頼の説明

 翌日、今回、依頼を受けた精霊使いが屋敷の広間に集められた。

 人数は五名で執事の紹介により、サリエラ以外の名前を知る事ができた。

 アダマンタイト級冒険者サリエラ。

 ミスリル級冒険者ドナテロ。

 ミスリル級冒険者サナエ。

 ゴールド級冒険者ギダン。

 ゴールド級冒険者バドルグ。

 ちなみにドナテロとサナエ以外は仲間を連れてきている。

 そんな彼らだが、ドナテロに対して何も言わなかったのだ。


「キリクさん、やはり精霊を隠す方法があるんですかね?」


「わからない。だが、ギダンという奴は一瞬、ドナテロを不審な目で見ていたぞ」


 俺はスキンヘッドに全身刺青をした男を見る。


「それはあの人が不審者っぽいからではないでしょうか……」


 サリエラは嫌悪感を隠さずにドナテロを見る。

 そんなドナテロだが、今は露出が強い格好をした猫耳族の獣人、サナエを涎を垂らしながらいやらしい目で見つめ続けていた。


「……確かに不審者その者だな」


 だが、あいつよりも怪しいのはあの二人だな……。


 俺はギダンの側にいる二人の仲間が着けている装備品を見る。

 明らかにゴールド級で着けれない高級な装備品をしているのだ。


 ギダンは分相応な物を着けているのに、なぜ、あの二人はあんな装備をしてるんだ?

 二人共、上流階級出身なのだろうか……。


 俺が腕を組みながらそんな事を感がていると、サリエラが顔を寄せてきた。


「キリクさん何かありました?」


「……いや、大丈夫だ。それよりサリエラ、他に精霊を感じない奴はいるか?」


「いえ、やはりあの変な人からしか」


 サリエラはドナテロを見もせずに言ってくる。

 どうやらサリエラはドナテロの顔も見たくないし名を言うのも嫌らしい。

 俺はドナテロを憐れみながら頷く。


「……そうか」


 まあ、間違いなくドナテロは精霊使いではないだろう。

 そうなると……ん?


 誰かが俺を見ている事に気づき視線を追う。

 そこには、サナエがいて俺を値踏みするように見ていたのだ。

 更に俺と視線が合うとサナエが近寄ってきた。


「あら、可愛い子がいるわね。私、サナエっていうの。あなた名前は?」


「キリクだ」


「キリクっていうの。良いわね。あなたこの依頼が終わったら私と遊ばない?」


 サナエはそう言うと俺の顔に自分の顔を近づけてくる。

 だが、すぐにサリエラが俺を引き寄せてサナエを睨みつけた。


「ちょっと!やめてもらえませんか!」


「あら、どこからか虫の声が聞こえるわ。いったい何処から聞こえるのよお?」


 サナエはわざと辺りを見回しサリエラに気づかないふりをする為、サリエラは真っ赤になりながら頬を膨らましサナエを睨む。


「むーー‼︎」


 そんな二人のやりとりを見ていると、今度は下品な笑みを浮かべたドナテロがこっちに歩いてきた。


「おいおい、お二人さん、そんな雑魚っぽい奴より俺と遊ぼうぜ」


「うえっ!キモいんですけど。虫ちゃん相手にしてあげて」


「誰が虫ですか!こんな不審者みたいな人は嫌に決まってるでしょ‼︎」


 二人はそう言って嫌悪感を見せると、ドナテロは唾を飛ばしながら叫ぶ。


「あっ⁉︎なんだ、二人共ちょっと良い顔してるからってよお!俺様が遊んでやるよ‼︎」


 そう言って二人に掴みかかろうとしたので、俺はドナテロの腕を掴んで捻りあげてやるとすぐに悲鳴をあげた。


「ぎゃああーーー!痛えぇよ!な、なんか前もやられた気が……くそっ!離せ‼︎」


 ドナテロは痛がりながらも暴れようとする為、俺はしばらくこいの意識を刈り取ってやろうと手刀を構える。

 だが、その時、広間の扉が開き上品な服を着た壮年のエルフが現れた。


「大変、遅くなってすまない。私がこの屋敷の主であるラハウト伯爵だ……ん?」


 ラハウトは挨拶をした後、俺達に気づいたので俺はドナテロを離してやる。

 すると何か言ってくるかと思っていたドナテロは、俺を睨みつけるだけで離れていき、問題ないと判断したラハウトは再び喋りだした。


「……では早速説明する。君達に送った手紙の内容通り、北の魔王がいたダンジョンの真上に建てた神殿に、精霊王ケーエルを下ろしたい。だが、精霊使いを送ろうとしたら、どこからか嗅ぎつけたのか魔王信者が邪魔をしてきて精霊使いが殺されてしまったのだ。しかも毎回同じ感じでな……。そこで精霊使いの君達に、別々のルートで神殿に向かって欲しいのだが……ん?」


 ラハウトが説明している最中、突然、バドルグが手を軽く上げる。

 するとラハウトは説明を止めバドルグを見た。


「君はバドルグだったな。敬語はいらないから話してくれ」


「わかった。質問だが魔王信者が邪魔をしてくるとのことだが、神殿近くに待ち伏せされたら意味がないのではないか?」


「君、良い質問だね。神殿内には私のお抱えのクランを先に待機させてあるから、魔王信者が近づいたら矢と魔法で蜂の巣にするつもりだ」


「あら、それなら私達を一緒に連れてってくれれば良いのに。どうしてそうしなかったの?」


 サナエはそう言ってラハウトを妖艶な笑みを浮かべ見つめる。

 しかし、ラハウトは無表情でサナエを見つめて言った。


「残念だが、うちのクランは防衛向きであって護衛に向いてなくてね。その所為で大切な三人の精霊使いを殺されてしまったんだ……」


「あら、それはご愁傷様ね」


「……うむ、それで今回は確実に精霊使いを届けられるような計画を立てたのだ」


 ラハウトがそう話すと、疑問に思ったのかサリエラが軽く手を上げながら質問しだした。


「あの、それなら狙われている精霊使いを少人数で移動をさせるのは危険ではないですか?」


「そこはゴールド級以上の冒険者に依頼を出したし、何より今日中であれば好きなタイミングで好きなルートを利用して神殿に向かってくれて良い。もちろん私にどういう方法で行くかも言わないでもらって良いぞ」


「えっ、それってどういうことですか?」


「なるほど、要はこの中の誰も信用するなってことだな」


 俺がそう答えるとラハウトは目を細め、俺を値踏みする様な目で見ながら頷く。


「その通りだ。神殿にいるクラン以外は誰も信用しなくていい」


「クランは信用できるのか?」


「彼らには短期間だが魔法で制約の誓いをさせてる」


「なるほど……」


 なんで、ああいう依頼をしてきたのか今回の説明でよくわかったな。

 要は味方に裏切り者がいて情報が漏れた為、三人の精霊使いが殺されてしまったから、今回はこういうやり方をしてるということか。

 まあ、この伯爵はまだ色々隠しているだろうがおそらく今は言えないんだろうな。


 周りにいる連中を見ながら俺はそう思うのだった。


◆ 次の話が気になるという方は


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