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014 行方不明事件と臨時パーティー3

「ラドフ、二体任せるぞ。」


「おお!」


 俺は剣を抜き二体のゴブリンに向かっていくと、ゴブリンは奇声を上げながら滅茶苦茶に持っている棍棒を振り回してきた。

 俺はそんなゴブリンの攻撃を軽く受け流しながら急所を斬りつけて倒す。

 本当は毒を塗った剣で適当に斬って終わらせてしまたいのだが、間違ってダナ達が触るとまずい為、今回はやめているのだ。

 

 まあ、それでも楽に倒せる相手なんだがな。


 それから二体目のゴブリンを倒しラドフの方を見ると、丁度、最後の一体を倒したところだった。


「やりましたね!」


 ダナが興奮した様子で俺達に駆け寄ってくる。


「二人が上手く動いてくれたおかげだ」


「何を言ってるんですか!キリクさんが指示を出してくれたからですよ!」


「それに、あの動き……凄かったな!」


 なんだか二人共興奮しているようだが、まあ喜んでいるならよしとしよう。


「さあ、後は回収作業だ」


 俺が討伐証明として左耳を切り取り始めると二人も慌てて同じ作業をしだしだ。

 それから心臓部にある小さな魔石を取り出し、ゴブリンが持っていた錆びた武器も回収する。

 それから続けてゴブリン探しをするが、あれ以来全く見つけられなくなったのだ。

 その所為かダナとラドフは、少し焦りの様なものが出て注意散漫な動きになっていた。


 あの二人、もう少し気配を抑えないと強い魔物に気づかれる可能性があるんだがな……。

 まあ、一週間分も何も出来なかったんだから無理もないか。

 仕方ない、明日も手伝ってやるか……。


 俺は二人の後ろ姿を見ながらそう思っていると、何者かがこちらを探っている気配に気づく。


 ずいぶんと離れた位置から来てるな……。

 追い剥ぎか低ランク狩りか……。

 まあ、もしかしたら別の冒険者かもしれないし、しばらく様子を見るか。


 その後、しばらくしても気配は一定の距離を保ちながら俺達についてきていた。


 これは狙われてると考えていいな。

 だが、狙われているのはどっちなのかだな……。


 俺は二人を見るが、気配に気づいた様子もないので話そうかと思ったが、考えた結果やめておく事にした。

 なぜなら、追跡してきている奴は二人の仲間かもしれないからだ。

 そう考えていると頭の中に行方不明の事件がチラつき始める。


 これは、出し惜しみせずにいった方が良いか……。


 魔石をいつでも取り出せるようにし、毒と麻痺が入ってる薬品を取り出し投げナイフに塗っていく。

 すると俺の行動に気づいたダナが不思議そうな表情で見てきた。


「キリクさん、それ何をしているんですか?」


「……保険だ」


「保険ですか。キリクさんがする事なら間違いないですね」


「……ダナ、何故そんなに俺を信用するんだ?」


「えっ?だってパーティー組んだんですから信用しないと」


「……兄弟以外で組んだパーティーは?」


「実を言うとキリクさんが始めてなんですよ。私達ずっと二人でやってまして」


「なるほど。だが、パーティーを組んだからってすぐに相手を信用しない方が良い」


「えっ?」


 驚くダナとは違い、ラドフは武器に手をかけ、俺を疑うような目で見てきた。


「……キリク、まさか付いてきてる奴はお前の仲間って事か⁉︎」


 驚いた。

 ラドフは気づいてたのか。


「いや、違う。逆にお前達の仲間じゃないのか?」


「えっ?何の話?」


 どうやらダナは俺達の会話が理解できてない様だったが、俺とラドフの間にある張り詰めた空気に気づき俺に杖を向けてきた。


「ラドフどういう事?」


「後ろから誰かが気配を消して付いてきている。おそらく敵だ。こいつの仲間かもしれない」


 なるほど。

 二人がシルバー級になれた理由がわかった。


「優秀だなラドフ」


「敵に褒められても嬉しくねえ」


「疑うのは良い事だが判断を誤るなよ」


「敵じゃない証拠は?」


「ない」


「じゃあ、無理だ」


「では、ここからは別行動だな」


「……仲間と合流されたら厄介だ」


「なら、戦うか?」


 ラドフは一瞬だけ考えるような表情をしたが、すぐにダナの手を引くと気配とは逆の方にじりじりと動きだし、俺との距離がある程度離れた瞬間、二人は走りだしだ。


 良い判断だな。


 感心しながらも俺は二人を追う事はせず、気配を消して近くの木の上に登る。

 それから、しばらくして怪しい格好をした二人の男がこちらに歩いてくるのが見えた。


 ふむ、見た感じ人攫いっぽいが、やはり直接こいつらに聞くのが一番だろう。


 俺はナイフを二本取り出し、麻痺薬を刃先に塗ると二人に向かって投げた。


「痛え!」


「ぐぎゃあ!」


 ナイフは男達の足に刺ささるとすぐに身体中が痺れたのか男達は倒れて動かなくなった。


 上手くいったな。


 俺は木から飛び降りて男達を木に縛り付けると自白剤を混ぜた水を飲ませ、早速、質問をする。


「お前達の目的はなんだ?」


「……人を拐ってくる事だ」


「やはりか。それは何故だ?」


「……わからない。俺達は金で雇われてやっているだけだ」


「では、雇い主を教えろ」


「……雇い主……ううっ!」


 男達は突然、震え始めるとしばらくもがき始め、遂には口から泡を吹いて死んでしまった。


 くそっ、口止めされていたか。


 念の為、男達の身体を調べたがやはり何も見つからなかった。


 これは参ったな。

 最悪、ダナとラドフの報告によっては俺は人さらいの仲間に口止めした事になってしまうぞ……。


 俺はどうしようか悩んでいると、ダナとラドフが逃げた方向で爆発音が聞こえた。


 戦闘か?

 それともゴブリンか何かの魔物に見つかったのだろうか。

 もしくは、こいつらの仲間に遭遇したか……。


 俺は悩んだ末に二人の元に向かう事にした。


 できればどっちも死んでくれるなよ。


 俺は気配を消しながらも急ぎ足でダナとラドフの元に向かうのだった。


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