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少年少女の人型機甲戦闘機戦記 - Strong Armys of GigAntes  作者: ニコライ
第1部

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第37話「明星輝く」前編

 



「あと30分だな。乗るぞ」

「了解です。凛斗さん、また後で」

「凛斗、下で合流したら色々教えてね」

「分かってる。だから繭、死ぬなよ」

「うん」

「リント!」

「分かってる。今行く」


 あの後、凛斗達は皇女派帝国軍のタイラント級宇宙戦艦に乗り月周回軌道を離脱、地球周回軌道上の暗礁宙域に隠れた。

 そして月を脱出してから3日後。凛斗達待望の作戦の開始時刻が迫っていた。否が応でも士気は高まり、自制に若干苦労している。


「おいリント、ちゃんと説明しろよ」

「……自分達だけではない」

「分かってる。けど、そっちも後で良いか?というか、揃ってからの方が良いだろ」

「……確かにそうだな」

「とりあえず、今はマイリアのために戦ってくれ。時間も無いしな」

「時間がねぇのはお前がずっと調整してたからじゃねぇか」

「新型機なんだ。仕方ないだろ」

「……それだけではないが」

「そっちは、まあ、ごめん」


 ちなみにこの3日間、凛斗とメイは多くの時間をスサノオの調整および訓練に費やしていた。新機軸な上にOS切り替えという新機構を搭載した新型機、調整と慣れに時間が必要なのは仕方ない。

 また、他の時間も大抵は2人きりで過ごしていたため、ようやく面と向かって会えたにも関わらず話し合いの時間は得られなかった。凛斗の優先順位を考えれば当然かもしれないが。


「ねえメイ、リントにその服見せたでしょ」

「うん。似合ってるって言ってくれたよ」

「夜も?」

「よ、夜って……?」

「だってリント、宇宙戦艦に乗るの初めてでしょ。あたし達が研修で来た時、雑な理由でハワイに残されてたからね。サポートくらいしてあげた?」

「ううん。リントは1人で大丈夫だったよ」

「へえ、部屋には行ったんだ」

「あっ……!」


 ちなみにメイ達の軍服はレックスやニーネと同じ、皇女直属兵団仕様の白を基調にしたものだ。メイのイメージに合う服装で、武装法務隊の軍服より何倍も似合っている。

 この皇女直属兵団、マイリアがメイ達同級生エースに護衛部隊を合わせて編成した部隊だ。親衛隊と言い換えても意味は通じる。団長はレグルト・ワーグナー中佐で、副団長はメイルディーア・ハイシェルト少佐。

 また、明けの明星との合同部隊という面もあり、その場合の指揮官は剣崎凛斗大佐相当士官だったりする。


「メイ、これからは格闘の方をメインOSにする。時々代わるかもしれないけど、基本は任せるからな」

「うん、大丈夫。私に任せて」

「無理してないか?」

「無理じゃないよ。だってリントのためだもん」

「そうか」


 そんな編成だが、実態は友人同士の信頼で結ばれた部隊だ。まだ2つに分かれているが、凛斗はどうにかするつもりだった。メイも協力してくれるだろう。

 そう考えつつ、慣れたように壁を蹴って先に進んだメイの跡を追いかけようとし……


「ケンザキ大佐!」


 この宇宙戦艦の艦長に呼び止められた。

 ちなみに、大佐呼びについてはもう諦めている。


「どうしましたか?艦長」

「謝らせてほしい。すまなかった」

「はい?」

「どうしたの?」

「メイは先に行っててくれ。それで艦長、どうしたんですか?」


 凛斗が遅いことに気付いたメイが声をかけてきたが、関わらせない。これにメイは無関係だろうと予想したためだ。

 そして、それは正しかった。


「実は、日本への宣戦布告工作を行ったのは私の元部下だ。いや、日本だけではない。アメリカも私の部下が行った。私は先に知ったにも関わらず、止められずに……すまない。撃ってくれても構わない」


 メイに無関係というより、ここから不安定になるかもしれないメイに聞かせるわけにはいかない話だったからだ。

 もっとも、そう働くのはメイに対してだけだ。凛斗は前から知っていたし、答えも決まっている。


「それで、どうして欲しいんですか?」

「は?」

「元部下の話なら艦長は無関係です。いえ、むしろこの話をしてくださったので好感が持てます。それに、マイリアのために戦ってくれる人を悪く思ったりしません」

「それで良いのか?ケンザキ大佐、その結果がこれなのだが……」

「もう終わったこと、決着もついたことですから。今は未来のために、次の作戦を成功させるしかありません。それに、あのメイを好きになったんです。これくらいは許容範囲内ですよ」

「ふっ。若いな、君は」

「自覚してます」


 そんな感じなので、凛斗は何も気にしていない。

 むしろ凛斗自身が厄介な存在だろう。そう考えると、苦笑いをするしかない。


「ではケンザキ大佐、ご武運を」

「まだ中尉ですよ、艦長。また来るまでご無事で」


 その後、凛斗は更衣室でパイロットスーツに着替え、スサノオのコックピットへ乗り込んだ。


「リント、何してたの?」

「何でもない」

「嘘でしょ。何でもなかったらそんな顔しないもん」

「正確には、俺にとってはどうでも良いことだったんだよな。ただの艦長の勘違いだ」

「なら良いけど……」

「じゃあ、後で教える。それで良いか?」

「うん」


 もちろん、メイのご機嫌取りは忘れない。気をつけて話せば大丈夫だろうと凛斗は考え、この思考はそこで止める。

 この後に行う方が重要だからだ。そういうわけでスサノオの起動、およびあるプログラムの設定を始める。


「さてと……全員、準備はできたな?」

『うん、もちろん』

『大丈夫です』

「繭と聡はそうだろうな。問題は残りの4人だ」

『ひでぇぞリント』

『……こっちもできている』

『そうだよ。ちゃんと時間までにやったんだから』

『これくらい、そっちと戦ってた時もやってたし?』

「なら良し」

「ねえリント、遊んでる?」

「当然だろ?」

『『『おいコラ!』』』


 こういうやり取りを挟みつつも、作業は進める。


「こちらスサノオ、リニアカタパルトを使用せず発艦します」

『すみません大佐、苦労をおかけてしまい』

「こっちの機体の問題なので気にしないでください。それより、戦況の方は?」

『まだ開始したばかりなので味方が有利なようです。しかし当初の予想通り、場所によっては不利になるかと』

「では、それを叩き潰してきます。マイリア皇女殿下のためにも、自分達のためにも。代わりに、宇宙(そら)は任せます」

『了解です。ご武運を』

「武運長久を祈ります。ガントリーロック解除確認。剣崎凛斗」

「メイルディーア・ハイシェルト」

「「スサノオ」」

「出撃する!」

「行きます!」


 その会話の後、7機は次々とタイラント級から発艦していった。

 全機プログラムの調整は問題無く、作戦に支障は無い。


「降下コース良し。データリンク良し。誤差修正プログラム良し。戦況情報は……流石にまだ入らないか」

『凛斗、こっちも軌道調整終わったよ』

「分かった。」

『うん。凛斗も、頑張って』

「ああ」


 大気圏へ突入し、そのまま戦場へ介入する作戦。艦隊単位ではなく、少数のSAGA(サーガ)のみで行う降下作戦は非常に珍しい。

 一般的な量産機では追加装備無しの大気圏突入はできないのだからなおさらだ。

 そして重要な降下ポイント、それは機体によって異なる。スサノオの場合は……


「これより、日本解放作戦を開始する。陽号作戦発令。全機、大気圏降下シークエンスを開始!」


 地球における帝国軍主要拠点の1つ、東京湾港湾基地。















『ランス3、被弾!』

『右から来るぞ!おい!』

「クソ!なんで連中がここにいやがる!」

『隊長、マズイですよ!近くの部隊はいくつも半壊してます!』

「ちっ、陣形を再編、援軍が来るまで持ち堪えるぞ!」

『了解!』

『クソったれがぁ!』


 保安隊。それは帝国に占領されて日本国防軍が解散させられた後、数と装備を制限されて設立された組織。過去に存在した同名の組織と同じく、自国防衛すら満足にできない戦力だが、その保安隊も皇女派帝国軍と協力し、日本解放作戦に参加していた。

 使用機体は帝国軍から退役した型落ちSAGA(サーガ)ばかりではあるものの、独自の改造を施しているため性能はオリジナルより高い。しかしパルチザンのような魔改造とまではいかず、現役の帝国軍機、それも武装法務隊のジャッジメントを相手にするには実力不足だ。

 優秀ではあるが、パルチザンのように経験豊富なパイロットがいるわけではなく、一方的に嬲られる状況が続いている。


『ランス4、反応消失!』

『こいつらぁ!』

「ま、待て!」

『た、隊長!』

「どうした!」

『上空に高熱源体を確認!この付近へ来ます!』

「何だと⁉︎」


 この保安隊中隊の戦闘相手はジャッジメントの中隊。性能的にも技量的にも格上で、持ち堪えられているのは奇跡に近い。

 そして、その努力は報われる。隊長が叫んだ直後に戦場をビームが薙ぎ払うと、ジャッジメントは全て消滅していた。


「な、何が、起きた……?」

『あ、あぁ……』

『隊長、あれ……』

「なっ……」


 代わりに、日本・皇女派帝国軍共通コードで通信が入る。


『待たせたな』


 そして、戦場に4枚の羽を持つ嵐神が舞い降りた。






「凛斗、今のって?」

「1回言ってみたかっただけだ。HQ、こちらスサノオ。ただ今現着、交戦中」

『こちらHQ、コールサイン発行。作戦行動を開始せよ』

「了解。近隣の味方部隊を指揮下に置きつつ、作戦を実行する。こちらアサルトリーダー、近隣の部隊へ通達する。拠点防衛部隊、艦隊直掩機を除き、俺の指揮下に入れ」


 ジャッジメント1ヶ中隊を一掃したスサノオ。

 その中では凛斗が司令部と交信し、メイは周囲にいる皇太子派帝国軍のバトラー、シルフィード、ジャッジメントを蹴散らしていた。

 そして周囲を綺麗にした後、先ほど助けた部隊のハヤブサが近寄ってくる。


『こちら保安隊第603機兵中隊、ランス1だ。聞かないコールサインだな。どこの所属だ?』

「明けの明星です。一応、SAGA(サーガ)部隊長もやってます」

『若いのにか?』

「そういう場所です、パルチザンは。それを理解して俺も戦っていますが」

『なるほど、無知ですまん。ちなみに、その機体は?』

「新型、というか実験機です。これに変えたら、コールサインも変えるって言われまして。的にしたいんですかね、俺を」

『そんなことは無いだろう……ん?』


 保安隊、および近くにいる日本解放軍と独立党の部隊は問題無く指揮下に収まった。

 しかし、皇女派帝国軍機が違う。何というか、怯えているように見える。


『ま、魔王だ……』

『まさか、あの?』

『なっ、こんなところに……』

『クワバラクワバラ……』


 スサノオにもルシファーと同じく凛斗のパーソナルマーク「黒炎と日本刀を背に吠える獅子」が右肩に描かれている。黒炎は兄貴から引き継ぐ意味を持って追加されたものだが、他が同じなので明けの明星の魔王だということはすぐに分かった。

 ちなみにメイのパーソナルマーク「黄金の炎の中で咲く白百合」はこの戦闘の後に左肩へ描かれる予定だ。


『なんか、怖がられてないか?』

「あー……まあ、派手にやったので」

『派手に?』

「ちょっと単機で基地を潰したりしました」

『それは、また……』


 保安隊に帝国軍の情報は回っていなかったようだが、凛斗の言葉を聞いたランス1は引いていた。仕方がないだろうと凛斗も苦笑しており、メイも少し変な顔をしている。

 ただ、それにしても怯えすぎだろうと凛斗は思った。どんな噂が出回っているのだろうか?


『た、隊長』

『ああ、そうだな……その、アサルトリーダー、何をする気だ?まさか我々を……』

「今は同志だ。敵対はしない。それにマイリア、皇女殿下とは仲が良いからな」

『え、えぇ?』

『そ、そんなバカな……』

「知らないのか?魔王はお姫様には優しいんだよ」


 想定以上に恐れている相手へ冗談を返した後、凛斗は遠くに見えた100機以上の敵機群を注視する。

 なお、魔王呼びについても諦めていた。


「だから指揮下に入れ。勝たせてやる。使い潰したりはしない」

『あ、ああ……了解した』


 メイも凛斗の狙いについては把握しており、敵機群の方へスサノオを向ける。

 だが、その前に1つ質問を出す。


「ねえ凛斗、私は?」

「ん?お姫様が誰とは言ってないだろ?」

「えっ……」

「だから行くぞ。このままいるのは中々恥ずかしいからな」

「う、うん」


 その返答を受けてメイは顔を真っ赤にし、それを隠すかのように敵機群を蹂躙した。

 そして、元々この近くで戦っていた者と合流する。


『やっと来たか、リント』

『おい、遅いぞ』

「月から来たんだぞ?少しくらい待ってろ」

「レックスもだよ」

『おおう、マジか』

『だろ?』

「おい、今は戦闘中だぞ」


 剛毅のサタンとレックスのガブリエルは戦端が開かれた当初からこのエリアで大暴れしており、周辺部隊からはエースとして頼りにされていた。

 だがその片割れ、剛毅は凛斗との通信を開き驚愕する。しかし、仲間がいきなり金髪碧眼美少女を連れてこればこういう反応にもなるだろう。

 それをほぼ無視し、凛斗は2人へ次の指示を出す。


「作戦通り剛毅は習志野、レックスは霞ヶ浦に向かえ。現地部隊との合流後はそっちの指示に従えよ」

『任せろ』

『分かった』

「それと……」

『ん?』

『なんだ?』

「暴れろ」

『『了解!』』


 凛斗が言った通り、それは作戦計画の中で決められていたことであり、混乱は無い。飛行ルートのあたりは既に制空権を確保しているため、問題は無いだろう。それを理解しているため、サタンとガブリエルは躊躇うことなく飛び立っていった。

 同時に、エースとしての任務をサタンとガブリエルから受け継いだスサノオ。その中にいる凛斗とメイもやる気を高めている。


「さて、こっちもやるぞ、メイ」

「うん。目標は?」

「当然敵司令部、東京湾港湾基地の司令施設を全て叩く」

「場所は知ってるの?」

「ああ、マイリアからデータを貰った。基地司令本部、師団統合指揮所、防空本部、通信本部、艦隊司令部、それと地下の予備司令部3ヶ所も潰すぞ」

「了解」


 目的は単純明快、敵の指揮系統を潰すこと。奇襲の動揺から立ち直る前に指揮系統を破壊すれば、日本皇女派連合の勝利は確実だ。

 そして、その任務はスサノオこそふさわしい。スサノオの突破力なら単機でも不可能では無いためだ。

 しかし、確実性を高めるには味方が多い方が良い。


「周辺全機へ通達。これより、敵司令部の破壊任務を開始する。戦闘可能な機体だけついて来い」

『何だと?』

『む、無茶苦茶な……』

「嫌なら来なくて良いですぞ。1機だけでもやるからな」

『だが……』

『よう若獅子、面白そうなことするんだな。混ぜてくれや』

『いや、魔王様だったか?ガッハッハ』

『面白そうだし、参加するわよ』

「日本解放軍と独立党の人達が参加するのは予想通りだ。それで、そっちはどうする?」

『参加するに決まっている。国民を守ってきた意地と誇りにかけて』

『ここで逃げては皇女殿下の顔に泥を塗るようなもの、こちらも参加させてもらう』

「歓迎しますよ。では、やるぞ」

『っと、凛斗すまん。遅れた』

「西門さん、遅い」


 集まったのは空戦が可能なSAGA(サーガ)だけにも関わらず約200機、1ヶ師団近い数だ。コクロウも1ヶ中隊(12機)届いている他、アラワシという第10世代SAGA(サーガ)2ヶ中隊(24機)いる。

 また、変わりものでは日本解放軍が独自開発したシラサギが8機同行している。まだ試験段階の機体だが、この日に合わせて投入したらしい。

 独立党が独自開発したオニグモの方は陸上戦闘用の機体なので、5機全てを隣の戦域のサポートへ回した。


「リント」

「仕方ないだろ。それより、これからが正念場だ。頼むぞ、メイ」

「うん!」


 この数では後方から将官が指揮した方が良いが、寄せ集めの現段階では無理だろう。各部隊の独自裁量権を増やした上での陣頭指揮しか方法が無い。そのため、スサノオはスラスター出力を上げ、東京湾港湾基地の司令部があるエリアへ進み始めた。

 それとこれと同時に、他の戦線でも大規模攻勢が行われている。スサノオを中心とした敵司令部破壊部隊が包囲されないための作戦だが、各戦線への負担は大きい。しかし、遮二無二突っ込むだけで達成できるような任務ではない。

 迅速に、かつ確実に仕事をこなさなければならなかった。


「敵機接近、12時および11時。メイ、11時の方を潰せ。12時は牽制に留める」

「突破優先だよね?」

「ああ。ただ、後ろがいるからな。可能な限り減らすぞ」

「了解。じゃあ、指揮官機から狙うね」

「任せる」


 敵は12時方向が大隊規模(30〜40機)、11時方向は連隊規模(約100機)。数が多い方に突撃することになるが、追撃を受けることも考えるとこの方が良い。

 とはいえ、途中で介入されるのは困る。そのためスサノオはブリューナクを分離、射撃型ブリューナクは12時方向の敵部隊へ向かわせた。牽制かつ撹乱目的だが……このまま撤退させそうな勢いで敵機を撃墜していたりする。

 また、短剣型ブリューナクは地表を這うように飛ばしつつ、11時方向の敵機の真下に来たタイミングで急上昇させた。


「貫いて!」


 そして、大隊長もしくは中隊長と予想した敵機が短剣型ブリューナクのビームソードに貫かれ、爆散する。

 これにより、敵編隊に一瞬の綻びが見えた。


「全機突撃!」

「了解!」

『『『『了解!』』』』


 それを逃さず、凛斗は突撃の号令をかける。


『オラオラ!突っ込め突っ込め!』

『援護する!行け!』

『全機突撃!』

『続くぜぇ!』

『こっちも負けるな!』

『何だアレ……』

『堅実にやろう』


 エアロに乗ったバトラーが援護する中、パルチザンのイヌワシが突撃し、敵部隊の中央でビームをばら撒く。

 シラサギが敵群の中に突っ込んでかき乱すと、隙を逃さずコクロウとアラワシがビームソードで斬り刻む。

 機体特性がほぼ同じ保安隊のハヤブサと皇女派帝国軍のシルフィードは共同して敵機に対処し、数的有利を利用して敵機を封殺できていた。


「メイ、前と右は頼む。残りは俺がやる」

「分かった。じゃあ、一気にやるね」

「任せる」

「耐えれる?」

「舐めるなよ」


 もちろん、最も活躍しているのはスサノオだ。

 ビームボーゲンとプラズマ収束砲で敵機を薙ぎ払い、クルセイダーで両断する。さらに短剣型ブリューナクが乱舞し、コックピットやジェネレーターを貫いていく。

 特に、ジャッジメントは他の機体にとって脅威だ。優先的に潰しにかかり、結果スサノオが全て撃墜した。


「そうだ。リント、向こうは?」

「上手く抑え込んだ。そろそろ戻したいけどか」

「出来るよね?」

「もう何機か落としてからな。っと、敵の増援だ。潰すぞ」

「うん」


 ちなみに、凛斗は射撃型ブリューナクを使って大隊規模の部隊を蹂躙している最中でもある。ビームボーゲンもそうだが、ブリューナクの操作も凛斗は得意だった。

 2ヶ大隊規模(約70機)の増援が来たところで、蹂躙される対象が増えただけでしかない。


「敵機を全滅させる必要はない。追い払えれば十分だ」

『こいつらが逃げればの話だろ?それ』

『ってか、1番落としてるのお前だろ魔王様』

「逃げないんだったら落とすしかないだろ?」

『違いねぇな!』

「リント、もう良いんじゃないかな?」

「そうだな……ジャッジメントは全滅したし、俺達だけ少し先に行くか」

「どこに?」

「BG18DA05の対空砲陣地を潰す。ついでに、寄ってきた敵機も落とすぞ」

「了解」


 決戦はまだ始まったばかり。悲劇も惨劇もまだまだある。

 だが……未来のため、全員で突き進んでいった。












・ツチグモ

六五式乙型機甲戦闘機 (元SG58-T01A)

 全高12.2m、日本国保安隊が使用する第9世代陸上戦闘用SAGA(サーガ)

 帝国軍の第9世代陸上戦闘用SAGA(サーガ)ランドを改造した機体。そのまま宇宙でも使用可能。

武装

___ビームライフル×1

___実体盾×1

___迎撃ビームバルカン×2

___ビームソード×1

___6連装小型ミサイル発射管×2



・ハヤブサ

六五式甲型機甲戦闘機 (元SG58-T02A)

 全高11.9m、日本国保安隊が使用する第9世代空中戦闘用SAGA(サーガ)

 帝国軍の第9世代宇宙戦闘用SAGA(サーガ)コメットを改造し、空中戦闘用SAGA(サーガ)とした機体。そのため性能は空中専門の機体よりは低いものの、技術者達の努力により使い勝手は良い。なのでそのまま宇宙でも使える。

武装

___ビームライフル×1

___小型実体盾×2

___迎撃ビームバルカン×1

___ビームソード×1

___4連装小型ミサイル発射管×2



・シロザメ

六五式丙型機甲戦闘機 (元SG58-T03A)

 全高12.5m、日本国保安隊が使用する第9世代水中戦闘用SAGA(サーガ)

 帝国軍の第9世代水中戦用SAGA(サーガ)オーシャンを改造した機体。

武装

___メーザーライフル×1

___メーザーソード×1

___実体盾×1

___迎撃ビームバルカン×1

___3連装小型魚雷発射管×2



・アラワシ

七〇式甲型機甲戦闘機

 全高10.3m。伊吹が開発した第10世代空戦用SAGA(サーガ)で、単純な性能はシルフィード以上。コクロウよりは性能は低いものの、量産性が高いため、伊吹以外のパルチザンでも多数導入している。

 飛行翼は2対4枚、戦闘機形態へ変形可能。少し改造すれば宇宙でも戦闘可能。

武装

___ビームライフル×2

___ビームソード×2

___小型実体盾×2

___迎撃ビームバルカン×2

___ビームマシンガン×2

___4連装小型ミサイル発射管×8

___ビームガトリング×2

___ビーム砲×6




・シラサギ

試製七四式甲型機甲戦闘機

 全高10.8m。日本解放軍が作った第10世代空戦用SAGA(サーガ)試験機。航空機に変形可能で、無改造で宇宙戦闘が可能。

 奇襲用高速襲撃機というコンセプトで開発されたため、航空機形態における一撃離脱を最も得意とする。そのため、航空機形態において全火力を正面投射可能。

 東京決戦に8機が間に合い、戦線に投入された。

武装

___ビームカービンライフル×2

___小型実体盾×2

___ビームソード×2

___迎撃ビームバルカン×2

___ビームサブマシンガン×4

___ビーム砲×6

___6連装小型ミサイル発射管×4



・オニグモ

試製七四式乙型機甲戦闘機

 全高11.2m。独立党が作った第10世代陸戦用SAGA(サーガ)試験機。無改造で宇宙戦闘が可能。

 脚部に多数のスラスターが付いており、脚部の変形無しで高速ホバー移動が可能。また火力戦を重視した機体で、搭載ミサイル数が多い。なお、ミサイル発射管の約半分は発射後のパージが可能。

 東京決戦に5機が間に合い、戦線に投入された

武装

___ビームライフル×2

___可動盾×2

___ビームソード×2

___迎撃ビームバルカン×4

___連装高出力ビーム砲×2

___連装ビームガトリング×2

___6連装小型ミサイル発射管×4

___8連装小型ミサイル発射管×4

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