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トラゲール!  作者: hana♪
第1章
17/225

救いの手

国王視点です

…寒い。


床に広がっていた生暖かい赤はすっかり冷たくなってしまった…

なのにこいつらはまだ私にナイフを突き立てる。

飽きないのかな…さっきからずっと機械のように同じことしかしてないのに。

なんだか眠たい。血、流しすぎたかな…建物が…歪んで…見えて…


その時爆発音があたりに響く。

爆風が周りの男たちを吹っ飛ばす。鎖に繋がれているお陰で私は吹っ飛ばない。

砂埃が宙を舞う。視界が奪われ侵入者の姿は確認できない。

私には分かる。侵入者はあおだ。建物をぶっ壊して侵入だなんて大胆なことするもんだ。


「国王を返せぇぇぇぇえええええ!!!!」


鼓膜がビリビリするほどの大声。あの小さな体でよく出るもんだ。

砂埃の奥で人が倒れたような音がする。


「国王!大丈夫ですか?!」


目隠しがやっと外れる。突然の光に目が眩む。

ほっと安堵の息をつく。


「あお…」

「全く…今日は基地案内されるだけだったのに…帰ったらゴットマザー様から怒られといて下さい」


手際よく私の手錠やら鎖やらを壊していくあお。その表情は心配げで…


「ありがと。助けに来てくれて」

「…?当たり前じゃ無いですか。どうしたんですか…突然」

「…何でもない」


今できる精一杯の笑顔をあおに向ける。


そこで私の意識は暗転した。






そういえば少し前に出た魔法封じ石の説明してませんでした!すいません…まぁだいたい文字通りなんですけど。


魔法封じ石


魔力を閉じ込める石。つけられると魔法が使えなくなる。

魔法封じ石にもランクがあり、魔法使い上級者に小さな魔法封じ石をつけても壊されてしまう。

普段から国王はつけさせられている。

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