どこかに冒険に
つい襲い掛かられたがために投げ飛ばしてしまった私だが、そこでレイヴンが、
「戦闘能力……どこかに冒険に……」
青い顔をしてぶつぶつ言い始めたのを見ながら私は、やりすぎたと思う。
どうやら彼のトラウマをえぐってしまったようなのだが、
「あのね、この技は護身用なの!」
「……旅立ち……護身用?」
「そうそう。一応私も女の子だから襲われると危険だし」
ただ私の場合は、元の世界で兄に、襲う男もいないから大丈夫だろうな~、などと悪口を言われて、取っ組み合いのけんかをしたのは懐かしい思い出である。
だがそこでレイヴンが、
「なるほど。確かにミキは可愛いから、暴漢に襲われるかもしれないものな。そういった護身術は必須ではあるな」
「あ、えっと、はい」
私はそうとしか答えられない。
だって可愛いからと言われて納得されてしまった。
まさか、いや、まさか……こんな事を私が言われる日が来るとは。
予想外の展開に私は真剣に悩みそうになる。
でも、こうやって異性の美形にこう、可愛いと言われてしまうのは心地よい様な気がしないでもなく。
などと私が思っていると、
「いい雰囲気だね。よし、邪魔しよう」
「ミス兄さん……」
「また兄さん呼びになっているよ」
「ミスさん……空気を読みましょう」
「いや、面白い光景だからね~」
などと笑っているのを見つつ私は、
「レイヴンのお兄さんですか?」
「僕? 僕は違うよ。従兄だよ。でも昔から面倒を見ていたからそう呼ばれているだけだよ」
「そうなのですか」
「うん。とまあ……こんな展開になるのも予想をしていたから、はい」
そこでミスが私に石を一つ渡してくる。
緑色の綺麗な石で、それを見ているとそこで、
「それは特殊能力を抑える効果のある石だよ」
そう、ミスが教えてくれたのだった。
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