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完全無能力で、異世界の王子様に愛され中  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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どこかに冒険に

 つい襲い掛かられたがために投げ飛ばしてしまった私だが、そこでレイヴンが、


「戦闘能力……どこかに冒険に……」


 青い顔をしてぶつぶつ言い始めたのを見ながら私は、やりすぎたと思う。

 どうやら彼のトラウマをえぐってしまったようなのだが、


「あのね、この技は護身用なの!」

「……旅立ち……護身用?」

「そうそう。一応私も女の子だから襲われると危険だし」


 ただ私の場合は、元の世界で兄に、襲う男もいないから大丈夫だろうな~、などと悪口を言われて、取っ組み合いのけんかをしたのは懐かしい思い出である。

 だがそこでレイヴンが、


「なるほど。確かにミキは可愛いから、暴漢に襲われるかもしれないものな。そういった護身術は必須ではあるな」

「あ、えっと、はい」


 私はそうとしか答えられない。

 だって可愛いからと言われて納得されてしまった。

 まさか、いや、まさか……こんな事を私が言われる日が来るとは。

 

 予想外の展開に私は真剣に悩みそうになる。

 でも、こうやって異性の美形にこう、可愛いと言われてしまうのは心地よい様な気がしないでもなく。

 などと私が思っていると、


「いい雰囲気だね。よし、邪魔しよう」

「ミス兄さん……」

「また兄さん呼びになっているよ」

「ミスさん……空気を読みましょう」

「いや、面白い光景だからね~」


 などと笑っているのを見つつ私は、


「レイヴンのお兄さんですか?」

「僕? 僕は違うよ。従兄だよ。でも昔から面倒を見ていたからそう呼ばれているだけだよ」

「そうなのですか」

「うん。とまあ……こんな展開になるのも予想をしていたから、はい」


 そこでミスが私に石を一つ渡してくる。

 緑色の綺麗な石で、それを見ているとそこで、


「それは特殊能力(チート)を抑える効果のある石だよ」


 そう、ミスが教えてくれたのだった。

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